トイ・プードルは、人懐っこく明るい性格であり、賢くしつけもしやすいといわれています。また、トイ・プードルの平均寿命は15歳程度といわれており、小型犬の中でも比較的長生きする犬種です。とはいえ、年を重ねるにつれて大きな病気のリスクは高まるもの。ペットの病気やケガの治療費はすべて自己負担となるため、高額な治療費が必要になることもあります。
ペットと一日でも長く楽しい日々を過ごすことを願うなら、高額な治療費にも対応できるペット保険への加入がおすすめです。そこで今回は、ペット保険の選び方やトイ・プードルがかかりやすい病気・ケガ・治療費例などを詳しく紹介します。
もくじ
ペット保険への加入は義務ではありませんが、トイ・プードルの健康を考え、病気やケガに備えるのであれば、ペット保険への加入がおすすめです。
ペットの治療費はすべて自己負担となるため、まとまった自己資金が必要になることも多く、治療によっては、1回の手術で数十万円かかることもあります。ペット保険に加入していない場合、治療費は当然全額自己負担ですが、ペット保険に加入していれば、5割もしくは3割の自己負担で済ませることが可能です(※)。
ただし、ペット保険の補償内容は、保険会社や商品によって異なります。そのため、トイ・プードルのペット保険を選ぶのであれば、トイ・プードルがかかりやすい病気やケガをカバーしている保険を選ぶことが大切です。
※補償割合が50%、70%のペット保険に加入していた場合
トイ・プードルのためのペット保険を選ぶのであれば、まずはトイ・プードルの特徴をしっかりと把握しておきましょう。
ここでは、トイ・プードルの歴史や体型、性格について詳しく解説します。
トイ・プードルの祖先とされるプードルは、人の猟を手伝う作業犬がルーツといわれています。しかし、やがてヨーロッパの上流階級の間で人気となり、大きなサイズの「スタンダード・プードル」をはじめ、品種改良によってさまざまな体格のプードルが誕生します。
そして、1700年代後半には、小型犬種である「トイ・プードル」が作られたのです。
トイ・プードルの体高と体重の目安は以下の通りです。
体高が25cm以下、体重が2kg以下の小さな個体は「ティーカップ・プードル」と称されることもあります。
ペット保険の保険料は、基本的に年齢と体重もしくは年齢と犬種で決まります。当社の場合、体重7.2kg以下の犬は「小型犬」の保険料です。
※犬の加入タイプ(小型犬・中型犬・大型犬・特大犬)は、ご加入時・ご継続時の体重で 決まります。ただし、1歳未満の幼犬の場合1歳時のおおよその体重で加入タイプが決まります。
トイ・プードルは人懐っこく明るい性格です。賢くしつけしやすいため非常に飼いやすい犬種といえるでしょう。水鳥を追う狩猟犬だったというルーツがあるため、散歩はもちろん、水遊びやおもちゃを使った遊びも好みます。
運動好きな性格のため、運動不足に陥るとストレスが溜まり、健康に悪影響が出ることもあります。
トイ・プードルを飼うポイントを知っておけば、病気やケガのリスク軽減につながります。
ここからは、トイ・プードルを飼うときのポイントを「運動・遊び」「しつけ」「ケア」の3つのポイントに分けて解説します。
トイ・プードルは、運動が大好きな犬種です。できる限り毎日散歩に連れて行ったり、一緒に遊んであげたりして運動不足を解消しましょう。例えば、1日2回散歩に行く場合は、1回あたり1~2kmほどの距離、時間は15~30分ほどが理想的です。犬の性格や体力によって適度な距離や時間を見つけましょう。
トイ・プードルは学習意欲が高く、家の中にいると暇になり、いたずらや問題行動が増えることもあります。積極的に外に連れて行くほか、室内では転がすとおやつが出てくるような知育玩具を使った遊びもおすすめです。
トイ・プードルは賢くしつけがしやすい犬種ですが、正しくしつけをしないと問題行動を起こすこともあります。主従関係を明確にし、良くないことをした場合にはしっかりと叱り、わがままが通用しないことを理解させましょう。反対に、うまくいったときにはおやつをあげるなど、メリハリをつけたしつけが効果的です。
構って欲しいときなどに無駄吠えをする場合、飼い主さんが反応すると無駄吠えが定着することもあります。落ち着くまでは吠えても無視をする方法を取り入れてみるのも一つの手です。
トイ・プードルの毛はカールしており、抜け毛が少ないという特徴があります。ただ、毛が伸び続けるため、月に1回~数回の頻度でトリミングに行くことをおすすめします。
毛が絡みやすい犬種なので、毎日ブラッシングをして、毛玉ができないよう自宅でのケアも行いましょう。毛玉をとかすときや抜け毛をしっかり取り除きたいときにはスリッカーブラシを、細かい部分をとかすときにはコームがおすすめです。
また、トイ・プードルの垂れ耳は、内側に湿気がこもり、耳垢が溜まりやすい傾向があります。週1回程度は耳をめくり、汚れを拭き取りましょう。
トイ・プードルを飼う際には、かかりやすい病気やケガをあらかじめ把握しておくことで、万が一のリスクに備えられます。
ここでは、トイ・プードルがかかりやすい病気やケガについて「成犬の頃」と「子犬の頃」に分けて紹介します。
トイ・プードルの成犬は、特に以下の4つの病気に注意が必要です。
以下では、それぞれの概要や症状を解説します。
トイ・プードルを含め、犬は歯周病や歯肉炎のリスクが高いといわれています。理由はさまざまですが、「人のように自分で歯を磨くことができない」「フードが食べかすとして残りやすい」などが挙げられます。
また、歯垢が歯石に変化するペースも「人より早い」といわれている点に注意が必要です。歯石が増えると口腔内が汚れやすくなるため、歯周病や歯肉炎のリスク増加が懸念されるでしょう。
歯周病や歯肉炎の主な症状は以下の通りです。
症状が進行すると、痛みから食欲不振になったり、顎(あご)の骨が溶けたりすることもあります。歯周病や歯肉炎により増殖した細菌が血管に入り込むと、心臓病や腎臓病につながる可能性もあるため注意が必要です。
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僧帽弁閉鎖不全症は、中高齢期を迎えた小型犬に発生することが多く、トイ・プードルも例外ではありません。主な症状は以下の通りです。
僧帽弁閉鎖不全症を発症すると、心臓の左心房と左心室を区切っている僧帽弁が変形し、正常に閉まらなくなります。その結果、血液が逆流し、血液の循環障害や肺水腫(はいすいしゅ)と呼ばれる疾患を引き起こします。
肺水腫になると呼吸状態が悪化し、治療が遅れれば命に関わる恐れもあるため注意が必要です。
加齢による白内障は、目の水晶体がタンパク質分子の異常などにより、不透明もしくは白く濁って見えてしまう病気です。トイ・プードルはさまざまな犬種の中でも比較的白内障になりやすいとされているため、早いうちからチェックを心がけましょう。
白内障の初期症状は、「物にぶつかりやすくなる」「ジャンプができなくなる」などの症状がみられます。進行すると視覚障害が起こり、目が見えなくなってしまう可能性もあるため、早期発見・早期治療が大切です。
白内障は、軽度の場合は点眼薬や内服薬による治療が可能ですが、進行した場合には手術が必要になることもあります。ただし、白内障の手術は治療費が高額になる傾向があるため、万が一に備えるのであればペット保険に加入しておくことをおすすめします。
なお若齢で発症した場合、遺伝性疾患が疑われます。
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腫瘍やしこりには良性と悪性があります。良性の場合は無治療で様子を見ることもありますが、悪性の場合、進行すると全身に転移する可能性があるため、早期発見・早期治療が必要です。
飼い主さんは定期的に動物病院を訪れ、愛犬に健康診断を受けさせましょう。健康診断では血液検査だけでなくレントゲン検査やエコー検査で、臓器に異常がないかを確認することも可能です。
自宅でもこまめにブラッシングやスキンシップを行い、体表に腫瘍やしこりができていないか確認しましょう。腫瘍やしこりを見つけた場合は、見た目だけで良性か悪性かを判断するのは難しいため、病院に相談しましょう。また、炎症を避けるため、むやみに触ることは避けてください。
トイ・プードルが子犬の頃に特に注意すべき病気やケガは以下の3つです。
以下では、それぞれの概要や症状を解説します。
膝蓋骨脱臼は、後ろあしの膝(ひざ)にあるお皿のような骨が正常な位置からずれてしまう状態です。犬に多い病気ですが、トイ・プードルなどの小型犬は特に膝蓋骨脱臼を起こしやすいとされています。
軽度の場合は無症状であることも多いものの、悪化すると以下のような症状がみられます。
膝蓋骨脱臼は再発しやすいとされており、手術が必要になると高額になりやすく、両足で発症すると手術を複数回行うこともあります。ペット保険を検討する場合は、通院補償のついているもの、年間の手術回数に余裕のあるものを選ぶとよいでしょう。
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トイ・プードルは好奇心旺盛な犬種であるため、異物誤飲にも注意が必要です。子犬期は好奇心が強く、特に注意しなければなりません。
異物誤飲は腸が塞がってしまう腸閉塞を起こす可能性もあり、場合によっては手術が必要です。玉ねぎやチョコレートといった食べ物も、誤飲すると重篤な中毒症状を引き起こす可能性があります。
愛犬が異物を誤飲した場合には、早急に動物病院を受診しましょう。また、フタ付きのゴミ箱を使用したり、危険物は高所に置いたりするなど、飼い主さんが安全な環境を整えることも大切です。
骨折は、どの犬種・どんな年齢でも気をつける必要がありますが、特に子犬期は成長段階で骨がしっかりと固まっていないため注意が必要です。トイ・プードルのような、足の筋肉が少なく手足の骨が細い犬種は骨折が非常に多いとされています。
骨折の原因が大きな事故ではなく、抱っこやソファなどから飛び降りる、ドアで挟む、フローリングの床で滑るなど日常生活であることも少なくありません。骨折すると、骨のズレ具合によってギプスの装着や外科手術が必要になることが多く、費用も高額になる傾向があります。
骨折は日常生活のちょっとした工夫で防げることも多いため、滑りにくい床材に変えたり、家具の高低差をなくしたりするなど生活環境の見直しから始めてみましょう。
ここからは、トイ・プードルの病気やケガの治療事例について解説します(ペット&ファミリー損保の請求事例より)。
早速、上記の事例の治療内容や治療費などを詳しく見てみましょう。
年齢:1歳
性別:女の子
治療内容:膝蓋骨脱臼を治療するために手術と入院治療を行いました。
入院8日間、手術1回
治療費 | 54万0,392円 |
ペット&ファミリー損保のペット保険、「げんきナンバーわんスリム プラン70」に加入していた場合、自己負担額例は以下の通りです。
お支払い保険金 | 35万0,274円 |
自己負担額 | 19万0,118円 |