「1頭でも可愛いのだから2頭ならもっとステキ」「お留守番中でも犬が寂しくないように」など、犬の多頭飼いに魅力を感じる飼い主さんは少なくありません。しかし、いざ多頭飼いをするとなると部屋の広さや飼い方なども気になるところ。今回は、犬を多頭飼いする部屋の広さについて犬の飼い主さんに聞いてみました。
もくじ
ペット&ファミリー損害保険の調査によると、20~60代の犬飼育者1,915名にアンケート調査を行ったところ、22.0%の飼い主さんが犬を多頭飼いしていると回答。今回は犬の多頭飼育をしていると回答した人の中から179名へ、多頭飼育をしているお部屋について聞きました。
犬の飼い主さんの4人に1人は犬を多頭飼育していると聞いて、「多頭飼育が意外と多い」と思った人もいるのではないでしょうか。しかし、多頭飼いするために準備や心構えが必要です。
なお、今回のアンケートで多頭飼育をしている犬の大きさの組み合わせを聞いたところ、小型犬同士と回答した方が44.7%と最も多くなっています。回答者の飼育している犬の大きさの内訳は以下の表をご参考ください。
犬の飼育費用の年間平均は24.6万円※。2頭いれば費用も2倍になるとは限りませんが、1頭よりも多頭飼いのほうが費用はかさみます。
また、お散歩やブラッシング、ご飯の準備やトイレ掃除など、飼育頭数が増えれば犬にかける時間も手間も増えていきます。時間やお金に余裕があるか、犬を迎え入れる前によく考えてみましょう。
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ペット&ファミリー損害保険の調査によると、半数近くが「1頭ずつ専用スペースを用意している」と回答し、最多となりました。
「1頭ずつ専用スペースを設けていない」という飼い主さんも35.2%見受けられますが、個々の犬が安心して過ごせるように1頭につきケージ1つが理想とされています。特に犬同士の相性が悪い場合やお迎えして間もないころは、ストレスやケンカによるケガ防止のために部屋を分けたり、お互いの姿が見えないように工夫が必要になります。
犬を家のどこで飼育するか、その場所にケージやトイレなどを飼育頭数分置くスペースをとれるかも検討しましょう。
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犬は群れで生活をする習性のある生き物のため、多頭飼いが向かないわけではありません。しかし、犬同士の相性が悪く、ケンカやストレスが絶えないということになってしまう可能性もあります。
先住犬がいる家庭に新しく犬を迎え入れる場合は、できるだけ相性を確認した上で判断しましょう。
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賃貸住宅や、分譲マンションなどには、「ペットの多頭飼いNG」などと条件が付いているケースもあります。ペット可物件に住んでいる人も、「犬1頭までOK」「小型犬に限る」などと多頭飼いに関する制限がないか確認しましょう。
賃貸借契約書や管理規約などを確認し、記載がない場合は管理会社などに問い合わせてみると安心です。
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犬の多頭飼いをしている人は、家のどこで、どのくらいの広さで飼育しているのでしょうか。
犬の多頭飼いをする主な場所としては、全体の半数近くがリビングやダイニングなどを選んでいます。人の目が届き、室温管理もしやすい、部屋数がなく犬の専用部屋がとれないといった理由から、家族の集まる場所での飼育になっているのではないでしょうか。
一方で、犬種サイズ別の飼育場所を見ていくと、小型犬同士の多頭飼いの場合リビングやダイニングの飼育が73.8%と最も多く、中型・大型犬同時の多頭飼育の場合、専用部屋などリビングやダイニング以外で飼育する飼い主さんも多いようです。
また、主に多頭飼いをしている部屋の広さは6~12畳と回答した人が全体の半数以上の54.8%で、8~10畳のお部屋での飼育が22.0%と最多です。
日本の一般的な住宅では、LDKの広さは16~20畳(リビング8畳・ダイニング5~6畳・キッチン4畳)が目安といわれていることから、ごく一般的な家のリビングやダイニングでも犬の多頭飼いできるということがわかります。
とはいえ、多頭飼いする犬の大きさや飼育頭数によって必要な飼育スペースは変わってきます。
チワワやトイプードルのような小型犬でも、縦横90cm×60cm以上のケージの大きさが必要だといわれ、犬の数だけケージやトイレ、給水器を置くと考えるとそれなりのスペースが必要になります。
また飼育頭数が1頭だけでも、小型犬なら6畳以上、ゴールデンレトリバーのような大型犬なら13畳以上の広さを目安にするのがよいといわれています。多頭飼いなら、さらに広いスペースが必要です。
新しくお迎えを検討している犬種サイズを踏まえた上で、新しく用意するケージやトイレを置く場所、犬と人がストレスなく自由に動けるスペースはどのくらいあるかといった入念なシミュレーションをしておきましょう。
犬を飼う際は安全に過ごせるよう飼育環境を整えることが大切です。多頭飼いの際は特に、次の点を注意して部屋のレイアウトを考えましょう。
滑る床での生活により膝蓋骨脱臼や椎間板ヘルニアを引き起こしたり、細々したものを出していて誤飲につながったりする可能性もあります。犬を危険にさらすことがないよう、飼育環境はしっかり整えましょう。
また、犬の飼育頭数が増えると個々の健康管理は難しくなります。不調があった際に、どの子の不調なのか、どの子が誤飲をしてしまったのかを判断しやすい飼育環境やしつけなどの工夫も行うようにしてください。
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犬の多頭飼い経験があるからこそわかる魅力や注意点もあることでしょう。これから犬を多頭飼いしようとしている飼い主さんのために、多くのアドバイスをもらいました。いくつかピックアップしてご紹介します。
犬の多頭飼いには魅力がたくさんあります。しかし、犬のことを考えると1頭ずつ専用スペースを用意することが望ましく、頭数が増えるほど飼育する部屋の広さが求められます。
犬を新しく迎え入れる際は、多頭飼い環境を整えられるかよく検討してみてください。
アンケート調査概要:
調査期間:2023年11月
調査対象:犬を飼育している20代から60代までの男女
調査方法:インターネット調査(Webアンケート調査)
回答者数:179人