猫は単独行動が好きで自由気まま。留守番は苦手ではないといわれていますが、子猫のお留守番では、ケガや誤飲などの心配も多いです。子猫のお留守番の注意点、お留守番に向けた準備、よくあるトラブルやトラブル回避方法を知っておきましょう。
もくじ
成猫なら、環境を整えれば2日(1泊ぐらい)のお留守番は可能です。しかし子猫のうちは、子猫だけを残しての外泊は控えましょう。
離乳が完了する生後約2か月齢までは、本来ならまだ母猫に体温維持や食事・排泄など身の回りのお世話をしてもらっている時期。人がお家で育てる場合も、こまめなお世話が必要になります。
消化機能は未熟で、幼いほど1回に食べられる食事の量が少ないです。一度にたくさんの食事を摂ると下痢や嘔吐などの消化器症状を引き起こし、空腹時間が長くなると低血糖になってしまうことも。数時間おきに1日に何回かに分けて食事を摂る必要があります。
成猫にくらべて体温調節も未熟なので、室温管理も大切です。子猫は体調が急変することもあるため、お留守番はできる限り避けましょう。
何かあっても対応できるよう、子猫が慣れていない状態での長時間の留守番は避けてください。1〜3時間など短時間からスタートし、徐々に時間を伸ばしていきましょう。
長時間の留守が必要な場合は、家族や知人などに家まで世話をしに来てもらえると、環境変化によるストレスが少なく安心です。頼める人がいない場合は、ペットシッターやペットホテルに相談してみましょう。
子猫を育てる環境によりますが、日頃からケージの中を寝床にしておくと、子猫がお留守番の間ストレスなく安心して過ごせます。ケージの大きさは2段以上の大きめのもので、上下運動ができる高さがよいでしょう。
ケガや誤飲などの予防や、地震など突然のトラブルがあったときの脱走予防にもなります。
ウェットフードよりも傷みにくい、ドライフードを多めに用意しましょう。フードを少量ずつ食べてくれるのであれば、置き餌で対応できます。決まった時間に決まった量が出てくる自動給餌器の利用もおすすめです。
水の蒸発や乾燥、子猫が器をひっくり返したり手足を入れたりしたときのため、直射日光があたらない場所にきれいなお水をいくつか用意しておきましょう。自動給水器の使用もおすすめです。
出かける直前にトイレを掃除し、猫砂の量はしっかり入れて、できるだけきれいな状態にしておきましょう。メインのトイレのほかに予備のトイレを用意するなど、快適に過ごせるように気をつけてください。
春と秋は室温の調整があまり必要ない時期ですが、念のためエアコンで調整しておくようにしましょう。
日中の室内温度が30℃前後になる日や、真夏の留守番は必ずエアコンをつけ、エアコンの冷風が直接当たらないよう注意してください。猫用ベッドやブランケットを置き、寒ければ潜って調整できるようにすると安心です。
冬のお留守番では、こたつやストーブなど火事の元にもなり得るものの使用は控え、毛布とエアコンで調整しましょう。
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ケージから自由に出られる状態でお留守番させる場合は、電気コード、猫が食べてはいけない観葉植物や危険な食材、かじる癖のあるもの、割れやすいガラス製品などの危険物は片付けておきましょう。
キッチンや風呂場に入れないよう対策することも大切です。
旅行や帰省などで飼い主さんが何日も家を空ける場合は、猫に慣れている知人や友人に頼んで家にお世話をしに来てもらったり、キャットシッターを利用したりしましょう。
猫は基本的に慣れない場所や初めての場所が苦手です。環境が変わることでストレスを感じ、ご飯を食べなかったり、排泄を我慢したりするなどのトラブルが起こりやすくなります。
子猫の健康と安全を第一に考え、次のような選択肢も検討してください。
猫に慣れている家族や知人などに頼んで家まで世話をしに来てもらうと、環境の変化によるストレスの心配を減らせます。
猫を飼っている友人や知人の家に預ける場合は、事前に先方の猫と数時間会わせてみて、相性を見てから判断しましょう。
猫は家につくといわれるように、住み慣れた環境で過ごすことが安心につながります。子猫の精神的な負担を軽くできるよう、ペットシッターさんに依頼して、慣れている家でお世話をしてもらうとよいでしょう。
動物病院では、ホテルを併設していたり、半日から預かってくれたりするところもあります。獣医師が見守っている環境のため、急な体調不良にもすぐに対応してくれるでしょう。
特に、病気を抱えている子猫をお留守番させなければならない場合などには安心です。
ペットホテルは見守り専門のスタッフに預けられることが魅力です。猫専用の高級ホテルのように過ごしやすい環境が整えられているところもあれば、あまりよいとはいえない環境のペットホテルもあります。
事前に問い合わせたり、口コミを確認したりして、子猫の性格に合ったホテルを見つけましょう。
飼い主さんがいないことによる不安やストレスから、トイレ以外の場所で排泄したり、排尿を我慢して膀胱炎や便秘になったりすることがあります。
また、猫はきれい好きなため、汚れているトイレには行きたがりません。出かける直前に掃除してできるだけきれいな状態にし、複数か所にトイレを用意しておくと安心です。
留守番の不安から、猫が室内を走り回ることがあります。壊れやすいものを置いておくと、落とされたり倒されたりして壊れてしまうだけでなく、猫がケガをする可能性があります。
猫のお留守番時には、壊れやすいものや大事なものは片づけるようにしましょう。花瓶・植木鉢は要注意です。
また、猫はジャンプが得意な動物です。高い場所に置くのではなく、扉がついた棚の中などに片づけるようにしましょう。
猫がゴミを漁らないよう、ふた付きのゴミ箱を使用するのがおすすめです。子猫が口にすると中毒を起こす可能性のあるものは、出しっぱなしにしないようにしましょう。
特にひもやビニールなどが大好きな子猫の場合、子猫がひもや糸を飲み込んでしまうと非常に危険です。
ひも状の異物が腸まで到達すると、蠕動運動でたぐり寄せられ、腸にひもが食い込んで穴があくことで腹膜炎を起こしたり、血行不良で腸管壊死を起こしたりする可能性があります。
誤飲が命の危険につながることもあるため、猫がいたずらしないようひもや糸、ひも状のおもちゃ、衣服などは片づけておきましょう。
雷や工事、花火の音など、驚くようなことがあると脱走することがあります。窓が少しでも開いていると外に出てしまう可能性があるため、窓やドアの戸締まりはしっかりしておきましょう。
窓の隙間越しに地域猫や野良猫と接触すると感染症がうつる可能性もあります。
子猫が自力で食事や排泄ができるまで、特に離乳が完了する生後約2か月齢までは、子猫だけのお留守番は控えましょう。生後3~4か月齢以降は、短時間から練習をスタートし、徐々に時間を伸ばして留守番に慣らしていくとよいでしょう。
最初から長時間の留守番は控え、飼い主さんが長時間留守にする場合は、家族や知人、ペットシッターや動物病院、ペットホテルなどに相談してみてください。
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