愛犬のかかりつけの動物病院を変えても、飼い主さんの基本情報に変更がなければ加入しているペット保険での手続きは必要ありません。ただし、現在加入しているペット保険に関して気になることがあるのであれば、この機会に乗り換えを検討してみるのも一つの手です。
今回は動物病院を変えた際に発生するペット保険への影響や、ペット保険を乗り換えるメリット、乗り換える際のポイントなどを解説します。
もくじ
動物病院を変えるタイミングは人それぞれですが、主に次のような理由があります。
以下では、それぞれの理由について解説します。
動物病院の件数は年々増えています。農林水産省発表資料(※)によると、動物病院の件数は2005年に9,482件だったものが2022年には12,616件と、1.3倍超に増えています。
自宅の近くに新しい動物病院ができたのであれば、その動物病院に切り替えてみてもよいかもしれません。自宅からの距離が近くなれば、動物病院への受診がしやすくなるでしょう。
転院をする際は、可能であれば紹介状を書いてもらいましょう。紹介状があると「どのような健康状態なのか」「持病や病歴はあるか」などの情報がわかるため、転院先での診療がスムーズになる場合があります。紹介状がない場合は、それまでに受けた検査結果一式を用意しておきましょう。
※参考:農林水産省|飼育動物診療施設の開設届出状況(診療施設数)
通っていた動物病院の閉院が分かった場合、愛犬の健康管理のために、できるだけ早く新しい動物病院を探しておくことが重要です。
犬は人よりも病気の進行が早いとされています。人の4〜7倍のスピードで年をとっていくためです。閉院しても「健康だから」と定期健診を受けなくなってしまえば、その間に病気やケガが進行してしまう可能性があり、重篤な病気の場合には急速に重症化する恐れもあります。
ただし、健康診断はペット保険の補償対象外のため注意しましょう。
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もしも動物病院の診療方針に疑問を感じたときは、別の動物病院に転院するという選択があります。例えば、治療をしても病気やケガが一向に良くならなかったり、治療に関する納得のいく説明がなされなかったりする場合などが挙げられます。
転院する際には、現在受診している動物病院に断りを入れる義務はありません。ただし、飼い主さんが治療方針に迷っていて、他の獣医師の意見を求めるセカンドオピニオンを希望する場合には、紹介状を書いてもらうとよいでしょう。
セカンドオピニオンにかかる費用が補償対象かどうかはペット保険によって異なるため、事前に確認しておくことをおすすめします。
動物病院を変えることは、けっして悪いことではありません。ただし、転院する際は治療費に注意が必要です。なぜなら、ペットの治療費は自由診療となり、動物病院によって金額が異なるからです。動物病院によっては、同じ治療内容であっても治療費が高くなる可能性があります。
ただし、「安いから」という理由だけで動物病院を転院してしまうと、高度な医療に対応できず、さらなる転院が必要になることも考えられるでしょう。
治療費だけでなく、「どのような診療を行っているのか」「わかりやすい説明をしてくれるか」など総合的に見てかかりつけの動物病院を見つけましょう。
飼い主さんの住所や名前などが変わった場合には、加入しているペット保険で変更の手続きが必要です。一方、かかりつけの動物病院を変更する場合は、手続きや乗り換えの必要はありません。
ただし、現在加入している保険が後日精算のみに対応している場合と窓口精算に対応している場合とで、注意すべき点が異なります。ここでは後日精算のペット保険と窓口精算が可能なペット保険のそれぞれで、動物病院を変えた場合の対応方法や注意点を紹介します。
後日精算は、いったん病院の窓口で治療費を全額支払い、そのあとで保険会社に保険金を請求する精算方法です。すべてのペット保険は後日精算に対応しています。
後日精算のペット保険の場合、動物病院を変えても特に対応は必要ありません。国内すべての動物病院で利用でき、転院先の動物病院でも今の病院と同じように精算ができます。
窓口精算は、治療費のうち自己負担額だけを窓口で支払う精算方法です。後日精算とは異なり保険会社への請求手続きが不要なため、手間が省けます。
ただし、窓口精算できる動物病院は限られ、対応しているペット保険も多くありません。そのため、動物病院を変えるのであれば、転院予定の動物病院が加入している保険の窓口精算に対応しているかを確認する必要があります。転院先の病院が窓口精算に対応していない場合は、窓口精算が可能な保険でも後日精算で保険金を請求することになります。
「新しい動物病院が窓口精算に対応しているから」という理由で、窓口精算ができるペット保険への乗り換えを検討する飼い主さんもいるでしょう。
その場合は、次の点に注意が必要です。
ここからは、それぞれの注意点について詳しく解説します。
窓口精算に対応したペット保険は、補償内容やサービスが手厚い傾向にあります。そのため、保険料がこれまでと比べて高くなる場合があります。
保険料は保険金の請求の有無にかかわらず毎月(もしくは毎年)支払うものです。保険料は毎年、更新されて年齢とともに高くなるのが一般的なため、場合によっては経済的な負担が増える可能性を考慮しなければなりません。
後日精算のペット保険に比べると、窓口精算に対応しているペット保険は多くありません。ペット保険に加入する際の選択肢が限られるため、希望する補償内容のものが必ずしもあるとは限りません。
ペット保険によって補償内容は異なります。場合によっては補償内容の違いから「保険金が支払われない」「支払われても十分な金額ではなかった」といった後悔をする可能性もあります。「窓口精算できるかどうか」を優先するのではなく、「補償内容が愛犬や希望の条件に合っているかどうか」を重視することが大切です。
今のペット保険に関して不安を抱いている場合は、動物病院を変えるとともにペット保険の乗り換えを検討してみてもよいでしょう。
ペット保険を乗り換えるメリットは主に5つあります。
以下ではそれぞれのメリットについて解説します。
ペット保険を乗り換えることで、より愛犬に合った補償内容になる可能性があるでしょう。これは、ペット保険によって補償内容が異なるためです。
例えば、ペット保険の中には歯科治療やパテラ(膝蓋骨脱臼)を補償対象外としているものもあります。特に、パテラ(膝蓋骨脱臼)は小型犬によく見られる傷病です。症状によっては定期的な通院や入院、手術が必要になりますが、補償対象外の場合、これらにかかる治療費が全額自己負担になってしまいます。
ペット保険を乗り換えることによって今まで補償対象外だった傷病が補償対象となり、受け取れる保険金が多くなる可能性もあるでしょう。一方で、補償内容をよく見ずに乗り換えると、前の保険では補償されていたものが、補償されなくなったということもあります。
また、すでに病気やケガに罹患している場合、加入時にそれらの傷病が補償対象外になる、という条件が付与されることもあるため乗り換えのタイミングには注意しましょう。
現在加入しているペット保険に使いにくさや将来的な不安を感じていた場合、ペット保険を乗り換えることで以前よりもペット保険が利用しやすくなる可能性があります。
例えば、ペット保険では1日(1回)あたりの保険金支払額の上限や年間の利用回数が決められているものがあります。
・1日(1回)あたりの通院の上限金額が1万円と決まっている場合、通院で1万円を超える治療費が発生しても1万円を超える保険金を受け取ることは出来ません。
・年間の通院回数が10回までのような保険の場合、11回目以降の通院の治療費は保険金を受け取ることができません。
1日(1回)あたりの上限金額や年間の保険金支払い回数に制限のないペット保険に乗り換えた場合、これらの上限を気にする必要がなくなります。経済的負担に対する不安が減り、より安心して愛犬の万が一に備えられるでしょう。
ペット保険の乗り換えを行うことで保険料が安くなる可能性もあります。ペット保険によって加入時や更新時の保険料が異なるためです。
ペット保険はペットの万が一に備えるためのものであるため、終身にわたって保険料を支払い、加入を続けることが一般的です。しかし、保険料は1年ごとに更新されます。そのため、加入時の保険料で比べるのではなく、ペットの平均寿命などを参考に、「ペットが高齢になっても保険料を支払えるか」という観点で比較・検討することが大切です。
現時点の保険料が高い場合でも、トータルの金額が下回るのであれば、「保険料が安くなった」といえます。
ペット保険には、更新時の審査がなく更新時の補償内容が変わらないものや、更新時の審査で利用状況に応じて補償内容の変更があるものなどがあります。
前者の場合は、ペット保険をどれだけ利用しても、更新後も補償条件は変わりません。後者の場合は、利用状況によっては継続更新ができないものもあります。
もし後者のようなペット保険に入っている場合は、健康なうちに変わらない補償内容で更新できる保険に乗り換えれば、一生涯を通して安心できるでしょう。
ペット保険によっては、独自の加入者向けサービスを提供しているものもあります。当社の場合、専門家によるオンライン相談サービス「ワンニャン相談室」や、さまざまな施設をお得に利用できる優待サービス「T&Dクラブオフ」を提供しています。
例えば、「ワンニャン相談室」では、ペットに関する悩みごとや不安を気軽にご相談いただけます。また、「T&Dクラブオフ」を利用すればレジャー施設や宿泊施設が特別価格でご利用いただけます。
ペット保険はペットの万が一に備えるものですが、このような独自のサービスが提供されていれば、ペットとの生活もより充実したものにできるかもしれません。
■ペット&ファミリー損保のご契約者向け特典&サービスについて詳しくはこちら
ペット保険の乗り換えにはさまざまなメリットがある一方で、必ず把握しておきたいポイントが3つあります。
これら3つのポイントを念頭に置いて、「乗り換えが必要か」「どのようなペット保険に乗り換えるか」を検討しましょう。
自分のペットが、乗り換えを予定しているペット保険の新規加入条件に当てはまっているかを確認しましょう。
保険会社によって異なりますが、ほとんどのペット保険には新規加入時の年齢に制限が設けられています。おおむね、下限は0歳(生後0~60日以上)、上限は7歳~12歳に設定されていることが多いです。
例えば、当社の『げんきナンバーわんスリム』の場合、保険期間の開始時点で生後45日以上、7歳11カ月までが新規加入可能な年齢です。
ペット保険を乗り換える際は、無補償期間が生じないかを確認しましょう。無補償期間とは、ペット保険に加入できていない状態のことを指します。例えば、加入中のペット保険が9月15日で補償が終了し、乗り換え先のペット保険の補償が10月1日から始まる場合、約15日間は無補償となってしまいます。
無補償期間中に病気やケガに罹患してしまうと、該当の傷病の保険金は支払われません。そのため、事前に乗り換え先のペット保険がいつから補償開始となるのかを確認しておくことが大切です。
ただし、無補償期間を作らないようにすることは、手続きなどの関係でうまくいくとは限りません。無補償期間を避けたい場合は、一時的でも重複して加入するのが無難といえるでしょう。
ペット保険はペットが健康であることを前提としているため、過去に罹患した疾患や現在治療している疾患によっては、そもそも加入できない可能性もあります。
既往症や現在の疾患がある場合の保険加入は、大きく3つのパターンに分けられます。
一般的に病気やケガを治療している場合、加入できないことが多いですが、完治しており加入時の審査でも問題ないと判断されれば加入できる可能性もあります。しかし、過去に次のような病気に罹患したり、罹患している疑いがあったりする場合は、加入できない可能性が高いです。
ただ、保険会社によって加入条件は異なります。既往歴や疾患がある場合は、事前にペット保険の加入条件をしっかり確認しましょう。
ペット保険を乗り換える際には、さまざまな注意点があります。特に、次の2点には気をつけましょう。
それぞれの注意点について解説します。
ペット保険を乗り換える際は、乗り換え先のペット保険への新規加入となるため、告知や審査が必要になります。健康状態や病歴によっては加入できないことや、加入できたとしても特定の部位や傷病が補償対象外になるケースもあります。
とはいえ、告知書には正しい健康状態や病歴の申告が必要です。詳しくは、加入するペット保険の告知書にどのような項目があるのか、どのような病歴があると加入できなくなってしまうのかを確認しましょう。
なお、当社の『げんきナンバーわんスリム』の場合、次の病気に罹患したことがあるペットは加入できません。
【新規加入できなくなってしまう病気】
悪性腫瘍(ガン)、腎不全、糖尿病、肝不全・肝硬変、副腎皮質機能低下症・亢進症、甲状腺機能低下症・亢進症、免疫介在性溶血性貧血、巨大食道症(食道拡張症)、膵外分泌不全、猫伝染性腹膜炎、猫白血病ウイルス感染症、猫免疫不全ウイルス感染症、特発性てんかん、水頭症 |
意図しない形であっても、告知した内容と実際の内容が異なっていると「告知義務違反」となり、最悪の場合、契約解除となります。契約解除になると、払い込んだ保険料も返還されません。
告知書で申告した内容は、保険会社が調査することもあります。正確でない情報はすぐに明らかになってしまうため、通院や処方薬の履歴が分かる書類をしっかり保管したり、診断名や内容をかかりつけ医に確認したりすることが大切です。
【関連記事】
ペット保険の告知義務とは?重要性と「違反がバレる」意味を解説
ペット保険を乗り換える方法は比較的簡単です。まず、乗り換え先のペット保険を探しましょう。ペット保険を選ぶポイントについては、以下の記事が参考になります。
【関連記事】
ペット保険の比較ポイント一覧表!おすすめの選び方を解説【保存版】
乗り換えるペット保険が決まり準備が整ったら、現在加入しているペット保険を解約します。ペット保険によって解約方法は異なりますが、解約手続きの書類を期日までに提出するという方法が一般的です。
年払いで保険料を支払っている場合、ペット保険によっては返戻金を受け取れる可能性があります。詳細は加入中のペット保険のコールセンターなどに問い合わせて確認してみましょう。
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ペット保険の乗り換えや見直しで知っておくべき5つの注意点!方法やタイミングも解説
高額治療費の支払いに強いペット保険を選ぶならペット&ファミリー損保の『げんきナンバーわんスリム』がおすすめです。ペット&ファミリー損保は日本のペット保険会社の中で長い歴史を持つ会社の1つです。
『げんきナンバーわんスリム』には3つの特徴があります。
商品の詳細は、WEBサイトをご確認ください。
※1 補償期間中に受けた病気・ケガの治療に対し、保険金の年間限度額はプラン70の場合は70万円まで、プラン50の場合は50万円まで。また、1日あたり5,000円の免責金額(自己負担額)があります。
※2 保険金のお支払い対象とならない治療費がありますので、詳しくは、「補償内容ページ」「重要事項説明書」等をご覧ください。
※3 今後の商品改定等により、保険料が変更となる場合があります。
1日に複数の検査を行うような通院、手術や入院の内容によっては、治療費が高額になるケースも少なくありません。
例えば、1日あたりの保険金支払い限度額が1万円の保険に加入していた場合、通院で10万円の治療が発生しても、1日あたりの限度額を超える9万円は自己負担となります。
しかし、『げんきナンバーわんスリム』には、1日あたりの限度額がないため、通院でも最大で70万円の保険金を受け取ることができます。
年間の利用回数にも上限がないので、慢性疾患で20回を超える通院が発生しても、年間の限度額内であれば何度でも保険金の請求が可能です。
ペット保険は人の保険と同様、年齢が高くなるほど保険料が高くなるのが一般的です。特にペットの年齢が10歳を超えると保険料が大きく値上がりする場合があります。
『げんきナンバーわんスリム』は月々1,560 円から*ご加入いただけ、生涯保険を続けられるように10歳以降の保険料は一定です。
契約更新時の審査はないため、契約時と同じ条件で終身での継続が可能。将来の経済的負担を気にすることなく、安心して万が一の備えが続けられます。
*プラン50(小型犬・初年度保険料1歳)の場合
『げんきナンバーわんスリム』は全国すべての動物病院に対応しています。通院、入院、手術はもちろん、時間外診療費にも対応。急な休日や夜間の診療でも安心です。
さらに、ペット保険で補償対象外となりがちな、歯科治療、膝蓋骨脱臼(パテラ)、椎間板ヘルニア、先天性・遺伝性疾患、猫エイズ(FIV)も補償対象となります。
先天性や遺伝性の病気が心配な0~3歳の若齢の犬猫も安心して加入いただけます。
犬や猫に多い以下の病気やケガの治療も幅広く補償します。
犬に多い病気・ケガ | 猫に多い病気・ケガ |
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●歯周病などの歯科疾患※4 ●椎間板ヘルニア ●異物誤飲 ●骨折 ●僧帽弁閉鎖不全症 ●ガン ≪先天性・遺伝性の可能性がある病気≫ ●膝蓋骨脱臼(パテラ) ●特発性てんかん ●若齢性白内障 ●進行性網膜萎縮症 | ●歯周病などの歯科疾患※4 ●異物誤飲 ●腎不全 ●尿路結石症 ●心筋症 ●ガン ≪先天性・遺伝性の可能性がある病気≫ ●多発性囊胞腎(のうほんじん)症 ●肥大型心筋症 ●骨軟骨異形成症 ●進行性網膜萎縮症 |
補償プランはご都合に合わせて、シンプルでわかりやすい2種類からお選びいただけます。
※ 補償期間中に受けた病気・ケガの治療に対し、保険金の年間限度額はプラン70の場合は70万円まで、プラン50の場合は50万円まで。また、1日あたり5,000円の免責金額(自己負担額)があります。
※ 保険金のお支払い対象とならない治療費がありますので、詳しくは、「補償内容ページ」「重要事項説明書」等をご覧ください。
※今後の商品改定等により、保険料が変更となる場合があります。
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愛犬の動物病院を変えても、基本的にペット保険で手続きすべきことはありません。ただし、動物病院を変えるタイミングでペット保険も乗り換える場合、乗り換えのメリット・デメリットをしっかり把握しておく必要があります。
現在加入しているペット保険に不満を感じている場合は、早めの乗り換えがおすすめです。健康状態や病歴によっては新規加入ができず、乗り換えができなくなってしまいます。できるだけペットが若く健康なうちに、飼い主さんと愛犬に最適なペット保険を見つけましょう。