好奇心旺盛で遊びが大好きな子猫は、気になったものはまず噛みます。最初のうちは可愛くても、噛み癖になってしまうと暮らしの中で大きな問題になることがあります。愛猫の噛み癖をどうしたらよいかではなく、噛まない猫に育てるために、飼い主さんとしてどのように子猫に接していくのがよいかを解説します。
もくじ
猫の成長段階において「嚙む」ことは、狩りを覚えるために大切な動作のひとつ。目に入るものすべてを、ひとまず噛んでみることもあります。
飼い主さんが、「子猫がどうして嚙むのだろう」と理由を探ることも大切ですが、危険なもの、飲み込む可能性のあるものは子猫の目に入らないようにしっかり片付けておきましょう。
乳歯が永久歯に生え変わり始める生後4か月ごろは、歯が気になって噛んでいることもあります。ワクチン接種や健康診断で動物病院を受診する際に、歯の状態も診てもらいましょう。
子猫が何かに噛みついているとき、おやつやおもちゃを与えて気をそらし、噛むのを止めさせようとする飼い主さんもいます。しかし猫は、「噛んだことでおやつがもらえた」「噛むと遊んでもらえる」と学習してしまいます。
噛んだことで猫にとってよいことが起きると、「噛むといいことが起きる」と学習し、噛むことがエスカレートしてしまいます。猫は飼い主さんのことをよく見ています。慎重に行動しましょう。
飼い主さんの何気ない行動が噛む癖をつけている可能性があるため注意しましょう。
飼い主さんは「噛まないように」と考えがちですが、しっかり噛む時間を設けることも大切。猫が狩りをするイメージで飼い主さんがおもちゃを動かすなどして、遊んであげましょう。
唸り声が聞こえてきたら、子猫も真剣に狩りの練習をしている合図です。丁寧に付き合ってあげてください。思う存分身体を動かし、疲れ切って満足してもらう事が大切です。
使用するおもちゃはパーツがない丈夫なおもちゃを選び、使用前後で破損がないかをしっかり確認しましょう。ちょっとした破損があるだけでも誤飲に繋がるので使用しないでください。
飼い主さんの指をおもちゃ代わりに追わせたり、足を揺らして見せて遊んだりすることもあるでしょう。しかし、そうした遊びで猫は、人の手足が獲物だと認識するようになります。子猫のうちは「可愛い」で済んでも、力のある成猫になると危険です。
また、愛猫に噛まれて「痛い!」「やめて!」という飼い主さんの声が、猫にとってご褒美になっていることもあります。
「リアクションをしてもらえてうれしい」と感じればどんどん噛みに来てしまうため、噛まれた際はなるべくリアクションしないことをおすすめします。
襲われることを防ぐために、子猫がどこにいるのか、常に把握しておくことも大切です。
猫は、興奮しているときに触られると噛みつく生き物です。猫が落ち着いているときに触ってください。ゆったりとなでながら、人と触れ合うことは穏やかなものなのだと学んでもらいましょう。
子猫が噛みついてくる場合は、ケージなどに入れてクールダウンする時間をつくりましょう。怒って言い聞かせる飼い主さんもいますが、さらに興奮して強く噛みつく猫もいます。静かにそっと、一休みしてもらってください。
猫は、怖くて攻撃したり、驚いて噛んだりすることがあります。成猫になったときに苦手なものが少なく、刺激を受け入れやすいように、子猫のうちからさまざまなものに慣らしておきましょう。
掃除機の音や動きが苦手な猫は多いですが、子猫が食事をしている間に掃除機をかけることで美味しい・楽しいと学習して慣れていくこともあります。
人との生活で苦手が少なくなるよう工夫し、刺激を一つひとつ怖くないものと認識させてあげましょう。
飼い主さんが子猫に噛まれると、傷口は小さくても、パスツレラ症や猫ひっかき病(バルトネラ症)をはじめとした感染症を引き起こすことがあります。
傷口をしっかりと流水で洗い、皮膚科や形成外科を受診することをおすすめします。
なんにでも噛みつく子猫の時期は、とにかく誤飲させないようお家の環境を整えることが大切です。おもちゃでしっかりコミュニケーションをとりつつ、子猫の興奮具合を上手く見極めて接することで穏やかに育てていきましょう。
あまりにも激しい噛み癖があるようなら、かかりつけの獣医師と相談しながら、成長段階に応じた行動診療専門の先生への受診も考えましょう。
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