生まれたての子猫は、自力で体温調整や排泄ができません。親猫がいなかったり、親猫がいても子猫の世話をしたがらなかったりする場合は、飼い主さんが「親」となってお世話をしましょう。1日に数回の哺乳や排泄、寝床の温度管理など、生まれたての子猫の育て方を学びましょう。
もくじ
猫は、日照時間が長くなると発情する長日繁殖動物で、日照時間が徐々に長くなる1月後半~9月頃がメス猫の発情期となります。発情周期は3~4週間で、いったん発情が始まると5~14日続きます。
オス猫には発情周期がなく、メス猫に反応して発情します。発情中のメス猫がいればいつでも交配が可能です。猫の妊娠期間は約63日で、3月~5月は保護される赤ちゃん猫が最も多いです。
離乳前の子猫には、子猫用ミルクを用意しましょう。
湯たんぽや、タオルで包んだホット用のペットボトルなどで、子猫を保温しましょう。
哺乳瓶は、ペット用品売り場やインターネットで購入できます。哺乳瓶の乳首をくわえられないくらい小さな子猫なら、スポイトを使ったり、ガーゼにミルクを浸み込ませたりして飲ませるとよいでしょう。
ミルクを飲ませる、顔を拭く、排泄を助けるときに便利です。目ヤニや鼻水は、ぬるま湯に浸したガーゼで拭いてあげましょう。
「子猫」と呼ばれる期間は最初の半年程度。半年で性成熟し、1歳で成長が止まります。1歳までの猫の1か月は人の1年に相当します。
日齢、月齢ごとの成長目安は次のとおりです。
まずは体温を安定させることが大切です。体温調節ができない赤ちゃん猫は、母猫から離れると自分の体温を保持できず、放っておけば数時間のうちに衰弱し低体温で死んでしまうリスクがあります。
使い捨てカイロ、湯たんぽ、お湯を入れたペットボトル、タオルなどを使用し、子猫に熱い部分が直接触れないように注意しながら保温しましょう。
母猫の体温に近い温かさが理想で、子猫のスペースが38度ぐらいを保てるように温めましょう。これ以上熱いものに長時間触れていると、低温やけどを起こす可能性があるため注意が必要です。
子猫用の哺乳瓶や、針のついていない注射器、スポイトなどを使い、子猫の気管にミルクが入らないよう注意しながら子猫用のミルクを与えます。哺乳瓶の乳首はできるだけ小さいものを選ぶとよいでしょう。
子猫用のミルクはメーカーごとに子猫の月齢に合わせた溶かし方・与え方が指示されています。弱っている子猫はミルクが濃すぎると消化できないことがあるため、最初は少量から与え、様子をみましょう。
問題がなければ規定量を、それ以上欲しがったら便の様子をみながら増やしていきます。
ミルクは母猫の体温(38~39度)よりも少し温かい40度程度のほうがよく飲んでくれるでしょう。哺乳頻度は、生後2週齢くらいまでは2~4時間おき、生後2~3週齢なら4~5時間おきが目安です。
生後30日齢頃までの赤ちゃん猫は自力で排泄できず、母猫が赤ちゃん猫の陰部を舐めて排泄を促します。母猫がいない場合は、ミルクを飲ませる前と後にぬるま湯で湿らせたガーゼやティッシュで飼い主さんが優しく陰部をポンポンと軽く叩き刺激してあげましょう。
尿は刺激と同時にじわっと染み出て、便は刺激してから数秒後にムニュっと出てきます。赤ちゃん猫はとても薄い尿が正常で、濃い黄色の場合は脱水している可能性があります。
排便頻度は、離乳前は数日に1回、離乳後は毎日が目安です。母乳を飲んでいる子猫の便は濃い緑色~濃い茶色をしていますが、人工乳で育てると黄色っぽい便になります。水っぽい軟便は下痢であるため、飲ませる量や濃度を調節しましょう。
便が出たらウェットティッシュなどできれいに拭き取り、お尻がただれないようにしてあげましょう。カチカチの便が出る場合は、ミルクを少し薄めに溶かして与えるとよいでしょう。
子猫の体の2~3倍程度の大きさで、ある程度高さのあるダンボール箱に柔らかい毛布やフリース、ペットシーツなどを敷いたものを用意しましょう。
箱の中や下には布に包んだ湯たんぽなどを片方に寄せて置き、猫が動ける空間を確保してください。箱の中は38度程度に調整しましょう。
目は生後7~14日齢くらいで開きますが、はっきり見えるまでは時間がかかります。陽差しやカメラのフラッシュなどの光に弱いため、薄暗い落ち着ける環境を用意してあげましょう。
ミルクを飲ませた時間、飲んだ量をメモして、時間を決めて赤ちゃん猫の体重を毎日計りましょう。1日平均10~15g前後体重が増えていれば、成長は順調といえます。
体重があまり増えない場合は、乳量が足りなかったり、子猫が病気にかかっていたりする可能性があるため、早めに動物病院へ連れていきましょう。
生まれたての子猫は、体温調整や排泄が自力でできません。飼い主さんが「親」となってお世話をしましょう。2~3時間おきの哺乳や排泄、温度管理などのお世話がとても重要です。
子猫を育てるために必要なものを準備して、子猫の成長をしっかり観察しながら、大切に育てましょう。
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