【獣医師監修】子犬がトイレで寝るのはなぜ?理由とやめさせる方法を解説
2024.03.05 作成

【獣医師監修】子犬がトイレで寝るのはなぜ?理由とやめさせる方法を解説

獣医師

成田有輝

成田有輝

子犬がトイレで寝るという行動を見て、不思議で戸惑う飼い主さんもいることでしょう。このような行動は、子犬特有の行動パターンに関連しています。この記事では、子犬がトイレで寝る理由とやめさせる方法について解説します。どういった理由で起きているのかを理解することで、問題の解決につながるでしょう。

もくじ

    子犬がトイレで寝る理由

    【獣医師監修】子犬がトイレで寝るのはなぜ?理由とやめさせる方法を解説
    (Pixel-Shot/shutterstock)

    安心感を求めている

    家へ迎え入れた直後の子犬は、今までとまったく異なる環境に身を置くことになります。そのため、新しい環境での生活に慣れるまでは、できるだけ安心できる場所を探し求める傾向があります。

    一定の仕切りがあることの多いトイレが、子犬にとって安心できるスペースとなっている可能性があります。

    暖かさ、冷たさを利用した体温調整

    成犬に比べて体温調節が苦手な子犬は、体温調整しやすい場所を探して過ごす傾向があります。そのため、室内が寒くトイレ空間がほかの場所より暖かい場合、暖をとるためにトイレで寝ることがあります。

    逆に、室温が高く子犬が暑いと感じている場合は、体温調整のためにあえて冷たい場所を探します。トイレが冷たくて快適と感じれば、トイレで寝ることを選択するでしょう。

    安全性

    子犬は本能的に自分の身を守ろうと周囲の環境の安全を感じ取り、経験したことがないものを避ける傾向があります。

    • 仕切りがあって安心感がある
    • 形状は異なるものの、以前過ごしていた環境と似ている

    といった理由から、トイレで過ごすことを選択している可能性もあります。

    飼い主さんがよかれと思ってトイレ以外の場所にベッドやブランケットなどを設置しても、使用経験がない子犬は警戒してしまい、慣れた空間に似ているトイレで過ごすことを選択する可能性もあります。

    子犬がトイレで寝るのをやめさせる方法

    子犬がトイレで寝るのをやめさせる方法
    (Jane Nadezhina/shutterstock)

    適切な寝床を用意する

    子犬には居心地のよい寝床を提供することが重要です。柔らかいベッドやブランケットをトイレ近くに置いて、そこで寝るよう誘導しましょう。

    ベッドやブランケットを使ったことがない子犬の場合は、優しく寝床に乗せてあげてそこが快適だと知ってもらうことが大切です。トイレよりも寝床のほうが快適だと理解できれば、自然と子犬は寝床を使用するようになるでしょう。

    トイレの魅力を減らす

    子犬にとってトイレで寝ることのメリットを減らし、寝るのを避ける方法もあります。

    • トイレの床をメッシュ状にする
    • 壁のないフラットなトイレにする

    など、トイレで過ごすことの魅力を減らし、周りの空間や用意したベッドのほうが安心・安全・快適に寝られると認識してもらいましょう。

    トイレ以外のスペースを提供する

    子犬が主に過ごす空間のほかにも、快適に寝られる場所を提供しましょう。

    リビングルームや寝室など、室内のいろいろなところにベッドなどの休憩スペースを用意することで、子犬がトイレ以外の過ごしやすい場所を選ぶ可能性が高まります。

    トイレ以外で寝たら褒める

    トイレで寝ることのメリットが多いと感じてしまうと、子犬はトイレで寝ることを選択しやすくなります。子犬がトイレ以外の場所で寝る様子を見せたら、褒めてご褒美を与え、その行動をポジティブに強化しましょう。

    好奇心や食欲が旺盛な子犬が寝ようとするときは、好奇心や食欲よりも疲れが勝っている状況と考えられます。子犬が寝床で静かに過ごしているときは、構いすぎず寝床がゆっくり休める場所だと認識させてあげましょう。

    子犬が新しい環境に慣れるのを助ける

    トイレ以外の環境は、子犬にとって未知の世界といっても過言ではありません。トイレ以外の場所に子犬の好きなおもちゃを置いたり、遊びの時間をもったりして、トイレ以外の場所も安全だと認識してもらうことが大切です。

    子犬が新しい環境を怖がらずに慣れられるよう、徐々にスペースを広げていってあげましょう。

    子犬によっては床が滑ることを極端に怖がることがあります。ペットシーツが敷かれていて比較的滑りにくいことからトイレで過ごしていることも考えられます。寝床以外にも、子犬が過ごす環境を整えてあげてください。

    まとめ

    まとめ
    (Akintevs/shutterstock)

    子犬がトイレで寝るという行動には個体差があり、必ずしも問題であるとはいえません。トイレ以外の環境に慣れ、子犬自身が快適に過ごせるようになれば、行動は自然と変化していくと考えましょう。

    また、成長とともに行動が変わることもあります。トイレで寝ることを強く叱ると、トイレで過ごすことが嫌いになり、トイレで排泄することを妨げてしまう可能性があります。トイレを怖がるような経験は避けましょう。

    飼い主さんが対処しサポートすることで、トイレで寝ることに限らず、子犬が適切に行動できるよう促していきましょう。

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    著者・監修者

    成田有輝

    獣医師

    成田有輝

    プロフィール詳細

    所属 yourmother合同会社 代表
    (獣医によるオーダーメイドの手作り総合栄養食や療法食レシピをお届けする「DC one dish」の運営)
    (ウサギの総合情報サイト「ウサギのハート」の運営)

    獣医腎泌尿器学会
    日本獣医エキゾチック動物学会

    略歴 1988年 埼玉県に生まれる
    2007年 麻布大学獣医学部獣医学科に入学
    2011年~ ウサギの総合情報サイト「ウサギのハート」公開
    2013年 獣医師国家資格取得
    2013年~2019年 東京都内動物病院に勤務
    2018年~ DC one dish 設立
    2019年 フードメーカー勤務
    2020年~ yourmother合同会社 設立

    資格 獣医師免許

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