子猫に威嚇ポーズをされると、驚いたり、戸惑ったりする飼い主さんも多いことでしょう。多頭飼育では、先住猫が子猫を威嚇してなかなか仲良くなれないなんてこともよくあります。猫が威嚇をする理由や威嚇の特徴を知り、適切に対処しましょう。
もくじ
猫の威嚇とは、鳴き声や表情、ポーズを変えることで自分の体を大きく見せ、相手を脅かそうとする行動のこと。「これ以上近くに来ないで」という警告でもあります。
威嚇する理由はいろいろありますが、不安や緊張が主な要因です。
新しい家に来たばかりの子猫は、親猫がいない環境に慣れず不安から威嚇してしまう事もあります。そんなときは不安を理解しつつ、必要最低限のお世話だけをして見守るようにしましょう。
また、子猫が飼い主さんと近づくことを望んでいないにもかかわらず、触ったり近づいたりしてしまうと、子猫に攻撃されケガをしてしまう恐れがあります。
子猫が威嚇をしているときは、どのような意味があってどんな気持ちになっているのか、子猫の立場になって考えることが大切です。
牙をむきながら蛇のように鳴くのは、強い怒りや恐怖を感じて拒絶心を表わしているときです。耳を傾けて鼻にしわを寄せて怖い顔になります。
甲高く大きな声で鳴くのは、恐怖やパニック状態であることを示しています。1匹になったとき、夜中などの不安なとき、または発情しているときにも同様の声で繰り返し鳴きます。
敵対心があることを表しています。
頭を低くして背中を丸め、臨戦態勢となります。体を丸めることで自分の身を守りつつ、いつでも相手に飛び掛かれる状態を作ります。さらに、自分の体を大きく見せようと背中の毛を大きく逆立てます。
しっぽは根元から立て、先端が垂れるような弓なりの形をとります。体をさらに大きく見せるためにしっぽを膨らませて左右に振ったり、恐怖心があるときはしっぽをお腹の下に入れたりすることもあります。
「これ以上近づくと攻撃するよ」という怒りの合図であるため、一旦距離をおいたほうがよいでしょう。
ぐっと力を入れて耳を後ろや真横に倒し、背中を下げるのは不安や恐怖心が強い証拠です。気持ちが大きければ大きいほど、耳の反り具合も大きくなります。
瞳孔は大きく開き、徐々に威嚇相手に照準を合わせるように細め、まばたきの回数は極端に減ります。その表情には怒りや緊張した様子が見られます。
猫は犬のようにしつけを聞く動物ではありません。しつけのしやすさは猫種や個体によって異なりますが、「ダメ」「やめなさい」などといって聞かせるのは困難です。
うまくしつけようとするよりも、威嚇する子猫をなるべく刺激せず、落ち着かせ、冷静に対処する方法を飼い主さん自身が知っておきましょう。
それ以上子猫を不安にさせないことが大切です。子猫を怖がらせないようゆっくりと動くようにしましょう。
親猫は、優しくて小さい声で鳴いて子猫に呼びかけます。自分が子猫の親になったつもりで優しく話しかけましょう。大声や低い声は子猫を怖がらせてしまうため要注意です。
猫の目をじっと見つめてしまうと、子猫は飼い主さんの行動を攻撃的な意味合いにとらえ、さらに威嚇されてしまいます。目を合わせないことで「あなたに敵意はない」ことを伝えましょう。
嫌な音や匂い、苦手な人や知らない猫が近くにいるといったことがストレスになり、威嚇をすることもあります。猫のストレスの原因を探り、ストレス要因から子猫を遠ざけましょう。
新しい環境に慣れるまでは子猫のペースに合わせ、焦らず少しずつ慣らしていきましょう。子猫の不安や緊張を和らげるためにも、お迎えしてすぐはケージに入れ、ケージの周りを布などで覆ってあげましょう。
ケージに慣れて落ち着いて眠れるようになったら、ケージの外から猫じゃらしなどのおもちゃで気を引きます。様子を見ながら部屋に出して自由に歩かせましょう。
先住猫(前から住んでいる猫)がいる場合、猫同士の関係にも配慮が必要です。そもそも猫は、単独行動でも楽しく生きていける動物です。群れを好む犬と違い、必ずしも仲間を必要としているわけではありません。
先住猫にとっては、「新しい猫を迎えること=自分のテリトリーに”侵入者”が来たこと」になり、ストレスを感じて新しい子猫を強く警戒して逃げたり、「シャーツ!」「ウーッ!」と唸って威嚇したりすることがあります。
先住猫の威嚇期間は、一般的に1~2週間程度が目安といわれていますが、猫同士で折り合いを付けるのに1か月近い期間を要することもあります。先住猫と新入り猫を引き合わせるときは、様子を見ながら時間をかけて慣らしましょう。
新入り猫を迎えたら、しばらくは先住猫とは別室で過ごさせ、タイミングを見て対面させることが大切です。
新入り猫と先住猫は別々の部屋に入れ、「お互いの気配を感じる」程度の距離からスタートしましょう。
その後、子猫と先住猫の様子を確認しながら
と、徐々にお互いを受け入れられるよう段階を踏んで接近させましょう。
ケージ越しで近くにいることに慣れてきたら、先住猫と新入り猫を同じ部屋に放します。目標は同じ部屋の中でそれぞれがくつろげるようになること。隣同士に座ったり一緒に寝たりするようになったら、仲良しといえます。
どちらかが威嚇をし続ける場合はステップ1に戻り、時間をかけて慣らしていきましょう。焦らないことが大切です。
多頭飼いの顔合わせについて詳しくはこちらをご覧ください。
【獣医師監修】猫の多頭飼いにメリットはある?飼い主さんが気を付けたい事・顔合わせの手順
猫は、自分の体を大きく見せて相手を脅かそうと威嚇行動をとります。その行動は「これ以上近くに来ないで」の警告であり、喧嘩をさけるためのものでもあります。
子猫が飼い主さんと近づくことを望んでいないにもかかわらず、触ろうとしたり近づいたりすると、子猫に攻撃されてケガをする恐れがあります。
子猫の威嚇行動にどのような意味があるのかを知り、子猫をしっかり観察し、子猫がどんな気持ちになっているのか考えることが重要です。
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