子犬のおやつは、飼い主さんとのコミュニケーションやしつけのご褒美などに活用できるツールのひとつです。しかし、子犬のおやつはいつから与えられるのか、何を与えたらいいのかなど、心配する飼い主さんも少なくありません。子犬におやつを与えはじめるタイミング、おやつの内容や量、与え方などを解説します。
もくじ
子犬の時期は適切な栄養摂取が重要です。食事は、免疫系・身体構造・成長速度・骨格の発達に大きく影響します。
総合栄養食のドッグフードには、犬の成長と健康維持に必要な栄養素が含まれているため、1日に必要な量を食事として食べていればおやつは基本的に必要ありません。
おやつを食べることでカロリー過多になったり、栄養の偏りが生じたりする可能性もあるため注意しましょう。
飼い主さんとのコミュニケーションや子犬のしつけをするときのご褒美、初めて会う人からおやつをもらうなど、おやつを効果的に使うことで社会性を育てることにもなります。
おやつで消化不良や事故を起こすことがないよう注意し、内容や分量を工夫しながら上手におやつを活用しましょう。
子犬は消化機能が未熟なため、子犬の身体や消化管の成長にあわせて、おやつの内容や与え方を工夫しましょう。
離乳食が終了する時期までは、子犬におやつを与えることは控えましょう。
生後4~5週目頃には乳歯が生え、この頃から少しずつ離乳に向けたフード(ふやかしてやわらかくしたドライフードやウェットフードタイプのもの)を食べさせます。
生後2か月頃には離乳してフードのみになりますが、まだやっとフードを食べられるようになったばかりのため、生後3か月くらいまではおやつは控えてください。
まずは、子犬がしっかりフードを食べられるようになることが目標です。
生後3か月を過ぎると、ごはんの回数が1日3回程度になり、「待て」「お座り」のようなしつけもスタート。いよいよ、おやつの出番です。
犬は食べ物を口内で十分に咀嚼してから飲み込むということはせず、飲み込めそうな大きさであればそのまま丸飲みするのが一般的。また、子犬は消化機能が未熟で消化吸収がうまくできません。
ジャーキーや犬用の骨といった硬いもの、大きな食べ物を誤って飲み込むと、消化管の粘膜を傷つけたり、おやつが喉に詰まってしまったりする危険性があります。
子犬のおやつは、クッキーやボーロのように柔らかく、できるだけ小さいものを選びましょう。
おやつを与える前に水やミルクでふやかしたり、体内ですぐに溶けるタイプのおやつを取り入れたりするなどの工夫も大切です。
生後6か月を過ぎると内臓機能もおおむね発達し、徐々に犬用ガム・歯磨き用おやつ・ジャーキーやスナックといった硬めのおやつも与えられるようになります。
ただし、噛む力が弱い子犬や超小型犬、消化能力に不安がある子には、硬めのおやつは避けましょう。市販のおやつの中でも「1歳以下向け」「子犬用」のものを選ぶことをおすすめします。
この頃は、子犬の歯が乳歯から永久歯へと生え替わる時期でもあり、歯茎がむずがゆく感じる子犬も見受けられます。歯磨きの練習のために、子犬用の歯磨き用のおやつを与えるのもよいでしょう。
子犬の成長のためには、食事からの栄養摂取を大事にしたいものです。フードをしっかり与えて栄養摂取をした上で、おやつを与える際は次の点を心がけましょう。
食事と別で成犬におやつを与える場合、一日の摂取カロリーの10%が目安となります。しかし、子犬用フードは高カロリーに作られていることが多いため、成犬の目安量より少なめに与えましょう。
普段与えているフードの総量から何粒かを取っておき、それをおやつとして与えるのもおすすめです。カロリー計算が難しい場合は、かかりつけの獣医師に相談してみてください。
犬のおやつは、頻度や回数よりも総量に気をつけましょう。子犬は1回の量が少なくても、「おやつを食べた」ということに満足感を覚えます。与えすぎにならないよう、1回あたりの量を少なくし回数を分けてあげるとよいでしょう。
成長にあわせて子犬の食事の回数を減らしていく際、おやつを与えることで空腹をやわらげたり、低血糖を防いだりすることができます。
しかし、おやつを食べたことで食欲が満たされ、フードへの食いつきが悪くなることがあります。おやつのタイミングは、フードとフードの中間の時間が望ましいでしょう。
動物性タンパク質が多い、においが強いといった嗜好性の高いおやつを与えると、おやつは欲しがるもののフードを食べなくなってしまったり、食べ過ぎて肥満になったりする可能性があります。
嗜好性の高いおやつの与えすぎには、注意しましょう。
アレルギー反応を示す食材を使用したおやつや、体質に合わないおやつを食べると、下痢・腹痛・嘔吐・かゆみなどの症状が出ることがあります。
一般的には、犬は豚肉、牛肉、大豆、とうもろこし、乳製品、小麦、卵等のたんぱく質にアレルギーを引き起こすことが多いといわれているため注意しましょう。
どんな食材にアレルギー反応を示すのか、どれが子犬の体質に合うかは、パッケージや成分表示などを見るだけでは分かりません。
実際に食べてみるまで判断できないことも多いため、新しいおやつを与えるときは必ず少量から与えるようにしましょう。
おやつを与えて異変が起こることも考えられます。必ず飼い主さんの目の届く所で食べさせ、様子を確認するようにしましょう。
万が一、異変があったらすぐに与えるのをやめ、かかりつけの動物病院を受診してください。
子犬の時期は、栄養補給のための基本的にはおやつは不要です。子犬におやつを与える場合は、生後3ヶ月頃から、コミュニケーションやしつけのツールとして活用しましょう。
子犬は消化機能が未熟なため、まずは少量、できるだけ小さいサイズでやわらかいものからスタートします。その後、子犬の成長にあわせて、おやつの内容や与え方を工夫していきましょう。
おやつの与えすぎや体調不良には注意してくださいね。
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