子犬がご飯をなかなか食べてくれないと心配する飼い主さんは多く見受けられます。子犬は食欲が少し下がるだけで急激に体力を失い、低血糖などの症状を起こすこともあるため、子犬にとって日々の十分な栄養の摂取は大切です。飼い主さんは、子犬の食欲不振に備え、原因別の対処法を知っておきましょう。
もくじ
子犬の食欲不振、主な原因として以下の5つが考えられます。
原因1:精神的なストレス
原因2:環境的なストレス
原因3:ご飯の量
原因4:ご飯の与え方
原因5:病気
それぞれポイントを詳しく解説していきます。心当たりがないかどうか、飼い主さんはひとつずつ考えてみましょう。
新しく迎えたばかりの子犬は、急な環境の変化で精神的なストレスを感じ、食欲が低下することがあります。
子犬のさみしさが和らぎ、安心して過ごせる場所を用意することが大切。ペットショップや前のお家で使っていた毛布、トイレ、給水器、食器など、なじみのあるものを準備してあげると、精神的な負荷の軽減につながります。
テレビなどの環境音、家族やほかの動物の存在に不安を感じることで、ご飯を食べなくなってしまうことがあります。また、それまで過ごしていた場所よりも暑かったり寒かったりすると、子犬に大きな負担を与えます。
新しい環境へは、焦らず徐々に慣らしていくことが大切です。犬はテリトリーが決まっているほうが安心するため、ケージやクッション、毛布などを使って子犬のスペースを作ってあげるとよいでしょう。
ケージはなるべく危険から遠ざけ、直射日光を避けて日当たりや風通しのよい場所に設置します。サークルなどで囲うとより安心です。また、暗くて寒い場所や、人の出入りが多い場所は避け、家族の目が行き届くところにしましょう。
お家に迎えた初日からしばらくは、睡眠や食事、排泄はこのサークルの中でさせ、サークル内で過ごす習慣をつけていきます。慣れてきたら、徐々に行動できるスペースを広げていきましょう。
子犬は胃が小さいため、1回のご飯の量が多いと消化がなかなか進まず、空腹を感じにくくなります。
ドッグフードは、メーカーや商品によって100gあたりのカロリーが異なります。1日に与える量は、それぞれのパッケージに表示された体重ごとの目安量を参考にしましょう。
犬によって適量は異なるため、1回の量が多すぎると残してしまう場合があります。残す分を差し引いた量を与えてみて完食するようなら、それがその子の適量と考えられます。小分けにして食事の回数を増やし、1日に与える量を満たしましょう。
迎え入れる前に与えていたフードと異なるものを与えると、食べ慣れない・粒が大きすぎる・硬い・歯触りが気に入らないなどの理由から、食べなくなってしまうこともあります。
犬にも好き嫌いがあります。迎え入れる前にどのようなフードを与えていたか、どのくらいの量を食べていたかを確認し、同じものや似たものを与えましょう。
子犬のフードを切り替える際は、子犬用・成長期用のもので「総合栄養食」と表示のあるものを選んでください。総合栄養食は、水とドッグフードのみを与えていれば、必要な栄養素が摂取できるように作られています。いつものフードに新しいフードを少量ずつ混ぜ、1週間ほどかけて段階的に切り替えましょう。
粒の小さいフードに変えたり、フードをお湯でふやかしたりすることも効果的です。ふやかすことで香りがたち、食欲が刺激されるとともに、やわらかくなることで食べやすくなります。
ただし、いろいろなフードを試すことで「食べなければもっとほかの美味しいものがもらえる」と思ってさらに食べなくなる場合もあります。
どうしても食べないときは一度ご飯を下げてしまいましょう。次のご飯の時間では、お腹がすいて食べるようになるかもしれません。
病気でご飯を食べない可能性もあるため、健康状態を確認しましょう。元気がない場合には注意が必要です。
水も食べ物も一切受け付けない、下痢や嘔吐などの消化器症状も併発している、寝ている時間が長い、ぐったりしている、元気がないといった場合は要注意。消化器症状は、脱水やミネラルバランスの崩れを起こしやすく、子犬の場合は体力や免疫力も落ちやすくなります。
いつもと違う様子や不調が見られたら一刻も早く動物病院を受診し獣医師に相談しましょう。受診後も改善が見られない場合は、寄生虫やそのほかの感染症、食物アレルギーなども考えられます。
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子犬を迎えたばかりのタイミングでは、「どのように育てていけばいいのか」と飼い主さんは不安がいっぱいかと思います。しかし、お家に来たばかりの子犬も慣れない環境で不安と戦っています。
子犬がご飯を食べないときには、慌てず落ち着いて、子犬の様子や身の回りの環境、フードの状況を観察し、食べない原因を探りましょう。原因がわからなかったり健康状態で気になることがあったりする場合は、動物病院に連れていき相談してください。
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