犬の食べ物は何に気をつけて選ぶ?ドッグフード以外を与えるリスクと注意点
2023.11.02 作成

犬の食べ物は何に気をつけて選ぶ?ドッグフード以外を与えるリスクと注意点

PNS編集部

PNS編集部

愛犬に与える食べ物は何が正解なのでしょうか。毎日の愛犬の食事にお悩みの飼い主さんのために、犬が食べられる食べ物・注意すべき食べ物を解説します。人間があたりまえに口にしている食べ物でも、犬にとってはリスクが潜んでいることもあります。愛犬の健康のために、犬目線で食べ物を見直してみましょう。

もくじ

    愛犬に与えてもいい食べ物とは?

    犬の食べ物は何に気をつけて選ぶ?ドッグフード以外を与えるリスクと注意点
    (Africa Studio/shutterstock)

    愛犬が食べていいものと悪いものをしっかり区別できていますか。犬の食べ物について、改めて確認しましょう。

    犬の食事は「総合栄養食のドッグフード」がメイン

    犬に毎日与える食べ物は、総合栄養食として販売されているドッグフードが推奨されます。総合栄養食は、犬に必要な栄養素をバランスよく摂取できるように作られています。犬はお水と総合栄養食を適正量摂取していれば、栄養不足になることはほぼありません。

    一般食、副食などと呼ばれる総合栄養食以外のドッグフードは、あくまで総合栄養食の補助的な食品であり、主食として与えたり、おやつとして与えすぎたりすると栄養バランスが乱れる可能性があります。

    中毒症状を起こさない食べ物は与えることができる

    犬は肉食のイメージが強いかもしれませんが、人のペットとして定着する中で幅広い食材を摂取する雑食の性質を身につけました。ドッグフード以外の食べ物も、中毒を起こさない食材であればフードへのトッピングやおやつとして与えることができます。

    ただし、中毒症状の出ない食材でも多量に与えることで栄養バランスを崩し、健康を害する可能性がある点を覚えておきましょう。

    人とおなじ食事は与えない

    「ドッグフード以外も食べられるなら、人の朝食や夕食を分け与えてもいいのでは」と思った飼い主さんもいるかもしれません。しかし、人の食事は犬にとっては脂肪分や塩分が多すぎます。

    また、スープのダシやパンのトッピングなど一見して気づかない料理の中に中毒症状を引き起こす食材が混ざっている場合があります。そのため、人のために調理加工された食べ物は与えるのは避けましょう。

    ドッグフードが普及する以前は、人の残飯を与えていた時代もあったといわれていますが、かつての常識は大きく変わっています。​​一般社団法人ペットフード協会の調査によれば、「人と全く同じ食事」「人の食事の残り」は与えない飼い主さんが9割以上にのぼります。

    犬に与えてはいけない食べ物

    犬に与えてはいけない食べ物
    (Robert Neumann/shutterstock)

    次に挙げる食べ物は、犬の健康をおびやかす恐れがあります。うっかり与えてしまったり、愛犬が盗み食いをしたりしないよう注意しましょう。万が一危険な食べ物を犬が食べてしまった場合は、早急に動物病院を受診してください。

    受診時は「いつ、何を、どのくらい」食べてしまったのかを医師に伝え、適切な診断・処置ができるように努めましょう。

    玉ねぎ、ネギ、ニラ、ニンニク

    玉ねぎなどのネギ類やニンニクには、中毒症状を引き起こす有機チオ硫酸化合物が含まれています。有機チオ硫酸化合物が犬の体に入ると、赤血球が破壊され、貧血や下痢、嘔吐などの症状につながります。


    【獣医師監修】犬に玉ねぎは危険。知っておきたい玉ねぎによる中毒

    未熟な青いトマト

    未熟なトマトやトマトのヘタ、茎、葉などには中毒物質が含まれているため注意が必要です

    【獣医師監修】犬はトマトを食べれる?与え方や量など注意点と基礎知識を解説

    アボカド

    犬に嘔吐と下痢を起こさせるペルシンが含まれているため、基本的には避けたほうがよいでしょう。

    ぶどう、レーズン

    ぶどうやレーズンは重大な中毒症状を起こす可能性があり、死亡例も報告されています。ただし、中毒症状には個体差があり、3粒食べて平気な犬もいれば、1粒でも中毒になるケースもあり油断はできません。レーズンなどが入ったクッキーやパンなどの加工食品にも注意が必要です。

    【獣医師監修】なぜ犬に「ぶどう」はNG?致死量や食べてしまった時の対処法を解説

    生肉

    犬に生肉を与えると、寄生虫や細菌、ウイルスに感染する恐れがあります。人が生肉や加熱不足の肉を食べて食中毒になることがあるように、犬にとっても加熱されていない肉は危険です。「犬の祖先はオオカミだから」といって、生肉が食べられるわけではありません。

    【獣医師監修】犬や猫に生肉は与えないで!犬や猫に肉を与えるときの注意点|連載「獣医さんが教える愛犬・愛猫のごはんのキホン」vol.10

    チョコレート

    チョコレートに含まれるテオブロミンは、中毒症状の原因になります。嘔吐や下痢、腹痛などさまざまな例が確認されており、命に関わる場合もあります。チョコレートやココアパウダーが入ったお菓子などにも注意しましょう。

    生卵

    生卵の白身は、皮膚の炎症や脱毛などの症状につながる成分を含んでいます。摂取後すぐに症状が現れるものではありませんが、習慣的に与えることはおすすめできません。卵は加熱処理したものを与えるようにしましょう。

    【獣医師監修】犬にたまごを与えても大丈夫?知っておきたい注意点と基礎知識

    骨のある魚・鶏肉

    大きな骨のある魚や鶏肉は、丸呑みして詰まらせるリスクがあります。鋭利な形状のものを飲み込むと、内臓を傷つけたり、突き破ったりすることも考えられます。骨がある肉や魚は飼い主さんがほぐして骨を取り除いてから与えましょう。

    コーヒーなどカフェインが含まれる飲み物

    コーヒーや緑茶、ウーロン茶などに含まれるカフェインを過剰摂取すると、中毒症状を引き起こします。

    犬にコーヒーを与える飼い主さんはあまりいないかもしれませんが、砂糖入りのコーヒーを盗み飲みするケースもあります。散歩中に飼い主さん用のお茶を水代わりに飲ませるといった行為もやめましょう。

    【獣医師監修】犬や猫にコーヒーは厳禁!意外と怖いカフェイン中毒の症状

    フードへの食べ物のトッピング方法

    フードへの食べ物のトッピング方法
    (Studio13lights/shutterstock)

    愛犬にドッグフード以外の食べ物をあげる場合は、必要に応じて総合栄養食のフードにトッピングとして与えるのがよいでしょう。

    ドッグフードに食べ物をトッピングするメリット

    トッピングを取り入れることで、愛犬の食欲を増進や効率よい水分摂取ができることがあります。ドッグフードに飽きたり、精神的なストレスを抱えたりすると、食いつきが悪くなることもあります。

    「愛犬の食欲が落ちている」と感じた時は、トッピングで食事に変化をつけてみるとよいでしょう。

    トッピングの注意点

    トッピングは量とバランスがポイントです。1日の栄養バランスを損なわないよう、トッピングの量を調整しましょう。トッピングの適正量は1日の摂取カロリーの10%までといわれています。

    カロリー計算や栄養素の知識に自信がないときや、病気のため食事制限を行っている場合は、動物病院と相談の上トッピングの内容を決めましょう。

    はじめて与える食材はアレルギーを起こすリスクもあります。食べた経験のない食材は必ず少量から与え始め、体調に変化がないか確認しながら量を調節してください。どれぐらいの量から始めるべきか迷った場合は、動物病院に相談しましょう。

    トッピングの与え方

    野菜や果物は種や芯、皮は取り除いて与えます。野菜や果物の皮、種、芯には、犬が中毒を引き起こす成分が含まれる場合があるため与えないようにしましょう。

    また食べやすくカットすることも大切です。固形物を丸呑みすると喉を詰まらせ、呼吸困難になる場合があります。固形物は2㎜以下の細かいみじん切り、またはすりおろしなどにして与えるのがいいでしょう。

    トッピングに活用できる食べ物リスト

    トッピングに活用しやすい食べ物リスト
    (Rasulov/shutterstock)

    トッピングの材料として活用できる食べ物の一例を紹介します。与え方、注意点、与えてもよい量はそれぞれ異なるため与える場合は関連する記事を参考にしてください。

    果物

    りんご

    【獣医師監修】犬はりんごを食べれる?皮や量など注意点と基礎知識

    スイカ

    【獣医師監修】犬にスイカを与えても大丈夫?与える時の注意点と基礎知識

    みかんなどの柑橘類

    【獣医師監修】犬にみかんや柑橘類を与えても良い?与える際の注意点とは

    メロン

    【獣医師監修】犬にメロンを与えても大丈夫?与える際の注意点と基礎知識

    バナナ

    犬にバナナは与えてもいい?栄養素から見る犬のおやつ

    野菜

    完熟したトマトの果肉

    【獣医師監修】犬はトマトを食べれる?与え方や量など注意点と基礎知識を解説

    さつまいも

    【獣医師監修】犬猫の炭水化物源となる食材の特徴と選び方|さつまいも

    かぼちゃ

    【獣医師監修】犬猫の炭水化物源となる食材の特徴と選び方|かぼちゃ

    じゃがいも

    【獣医師監修】犬猫の炭水化物源となる食材の特徴と選び方|じゃがいも

    その他

    パン

    【獣医師監修】猫や犬にパンを与えても大丈夫?欲しがる時の対処法

    お米

    【獣医師監修】犬猫の炭水化物源となる食材の特徴と選び方|お米

    チーズ・乳製品

    【獣医師監修】猫や犬にチーズをあたえても大丈夫?与える際の注意点と基礎知識

    煮干し

    【獣医師監修】市販フードにトッピングをする際に気を付けたい食材|煮干し・海藻・青魚

    ささみ

    【獣医師監修】市販フードにトッピングをする際に気を付けたい食材|サケ・レバー・鶏ささみ・オイル

    まとめ

    犬の主食は総合栄養食のドッグフードが推奨されますが、トッピングとして肉や魚、野菜や果物などの食べ物を取り入れることは可能です。

    飼い主さんは犬が注意すべき食材や栄養バランス、摂取量に十分注意しながら、上手に食事を管理しましょう。

    参考資料:一般社団法人 ペットフード協会 「令和4年 全国犬猫飼育実態調査

    著者・監修者

    PNS編集部

    ペットライフに新しい発見を。
    ペットニュースストレージ編集部です。

    PNS編集部

    ページトップに戻る