「留守番中、愛猫一匹だと寂しい思いをするのではないか」「もう一匹いたら猫同士、楽しく過ごせるのでは」など、先住猫のために新入り猫を迎えようと考えている飼い主さん向けの内容です。猫の多頭飼育のメリット・デメリット、気をつけたいポイント、準備したいアイテム、お顔合わせの手順をお話しします。
もくじ
愛猫のために新しく猫を迎えようと考えているとき、仲良く遊んでいる姿やくっついて眠る姿を想像して、メリットが沢山浮かぶのではないでしょうか。しかし、実は猫の多頭飼いにはデメリットも多いのです。
ある日突然、知らない猫が自分の大切な家にやってくることは、猫からするとかなりのストレスになります。脱毛や異常行動、思わぬ疾患の原因になることもあるため注意してください。
多頭飼育におけるストレスについてはこちらの記事をご覧ください。
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「同じ猫なのにうちの2匹は仲良くできない」と悩む飼い主さんも見受けられますが、私たちにも上手く付き合えない人がいるのと同じように、猫同士も急に仲良くすることはできません。
猫は、テリトリーのなかで自分のペースで過ごしたい生き物です。生活スペースに新たな猫が来ると、お昼寝を邪魔されたり、遊びを譲ったりすることがあり、好きなように過ごすことが難しくなります。
「遊び相手を」と新たに猫を迎えようと考える飼い主さんが多いですが、愛猫の遊びの相手をするのは飼い主さんの役割です。
遊んで好奇心を満たしてあげたり、ジャンプを誘導して運動を促してあげたりすることは、愛猫の心身の健康管理に重要なことです。
トイレに行きたいとき、苦手な子がトイレの前にいるなどの理由でトイレを我慢することで、泌尿器トラブルに繋がることがあります。
病気で療法食が必要になった際、ほかの子が療法食を食べないようにしたり、療法食を食べている子がほかの子の食事をとらないようにしたりする必要が出てきます。
猫によって食べるペースが異なるため、違うものをそれぞれ与えることが難しく苦労する飼い主さんは多いです。
嘔吐の跡があった、血液が付着していた、粗相があった、といった際、どの猫のものか判別できず治療が遅れることもあります。排泄にしても、どの猫がどんな便なのかを日々確認することが難しくなるでしょう。
新しく猫を迎え入れようと考えている飼い主さんの多くは、多頭飼いのメリットがたくさん思い浮かんでいることでしょう。メリットは、簡潔に挙げておきます。
ただし、すでに分離不安なところに新たな猫が来るのはよりストレスになるため注意が必要です。
また、猫は基本的に単独で生きる生き物です。ずっと単独飼育だったところに安易に新しい子を迎えると、相性があわず相当なストレスにつながります。
比較的、相性が合いやすいといわれる組み合わせについてはこちらをご覧ください。
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【獣医師監修】猫の多頭飼いのポイントは性別と年齢!先住猫と相性のよい新入り猫を迎えよう
新しい猫を迎え入れる際、対面まで新入り猫が過ごす部屋として、また、相性が合わなかったときに生活スペースを分けられるよう、別室、ケージは必須アイテムです。
トイレや食器も1頭につき1個ずつ用意しましょう。
新しい猫を迎えたその日に対面させるのは避けましょう。いきなりの顔合わせで喧嘩になって大きなケガをしたり、猫同士の関係づくりに時間がかかったりしてしまうことがあります。
猫同士のよりよい関係づくりのために、新入り猫と先住猫をすぐにでも会わせたくなる気持ちをグッと抑え、顔合わせは慎重に行ってください。
先住猫、新入り猫の双方でノミ・マダニなどの駆虫、FIV/FeLV検査や糞便検査、ワクチン接種歴や全身状態の確認を行ってください。再検査が必要と指示された場合は再検査の結果を待ってから対面させるなど、隔離期間はしっかり守りましょう。
新しい猫を迎えようと検討している段階でかかりつけの獣医師に相談し、先住猫に必要な検査や予防を実施してもらうとよいでしょう。その後、改めて新入り猫を受診させるとスムーズです。
新しくお迎えした猫と先住猫の顔合わせしなくとも、先住猫は飼い主さんの様子やにおいで察します。とはいえ、仲良くできるよう次の手順で対面を進めていきましょう。
ゆっくりゆっくり、双方に慣れてもらうために威嚇や拒否する様子が見られたら無理せずに引き離して別室に戻すことを繰り返しながら、徐々に同じ生活スペースで過ごせるよう調節してあげましょう。
順調でも1カ月はかかるくらいのペースで、慎重に実施することがポイントです。
トイレやベッドの数が増えることで、お部屋の模様替えが必要になることもあるでしょう。しかし、先住猫のものはできるだけ移動させないようにしましょう。
猫を多頭飼いしていると、「食欲がなくて残した食事を別の猫が食べていた」「一方だけ排尿していないことに気づけなかった」など、健康状態の見落としが起きやすくなります。
「複数の猫がいて、誰が下痢していかわからない」という飼い主さんも少なくありません。それぞれの食事や排泄場所の癖を把握しておくなど、飼い主さんだからこそできる健康管理をしっかり実施しましょう。
爪とぎなどのマーキングから情報を得て、トラブルにならないようにできるだけ他の猫との接触を避けて生きる猫。多頭飼いを始めることは、接触を回避できない限られたスペースで突然同居させることになるということをしっかり考えましょう。
新しい猫を迎えた際は、徐々に時間をかけながらお互いに適切な距離感をつかめるよう、それぞれがゆったり過ごせる環境を整えてあげましょう。
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