【獣医師監修】猫の多頭飼いのポイントは年齢と性別!先住猫と相性のよい猫の迎え方
2023.11.07 作成

【獣医師監修】猫の多頭飼いのポイントは年齢と性別!先住猫と相性のよい猫の迎え方

獣医師

濵口 美香

濵口 美香

人と同じように猫にも相性があり、猫の多頭飼いは一筋縄にはいきません。しかし、性別や年齢を考えることでスムーズに多頭飼育を始められることも。一般的に上手くいきやすいとされている組み合わせをお話ししますので、猫の気持ちを想像しながら新入り猫を迎える参考にしてください。先住猫のいるお家に新たに猫を迎えようと考えている飼い主さん必見です!

もくじ

    猫の多頭飼育は先住猫を第一に考える

    【獣医師監修】猫の多頭飼いのポイントは年齢と性別!先住猫と相性のよい猫の迎え方
    (Robert Bodnar T/shutterstock)

    猫にとって、自分の生活圏内に新たな猫がやってくることは大きなストレスになります。

    特に、ずっと一匹で過ごしていた子にとっては相当なストレスになります。遊び相手によいだろうと飼い主さんとしては愛猫のためにやってあげたことが、悪い影響になってしまいやすいのが猫の多頭飼育…しっかりメリット・デメリットを考えましょう。

    顔合わせの手順も紹介していますので、是非こちらの記事もご覧ください。

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    先住猫がいる家庭に新しく猫を迎え入れる場合だけでなく、複数の猫を一緒に迎え入れる際も猫同士の相性は大切です。一般的に相性がよいといわれる組み合わせをご紹介します。

    子猫同士は仲良くなりやすい

    子猫同士は仲良くなりやすい
    (Natali Kuzina/shutterstock)

    社会化期(2~9週齢程度)の子猫はいろいろなことを柔軟に受け入れやすい傾向があります。比較的、多頭飼いに抵抗せず、一緒に遊びながら仲良くなりやすいといわれています。

    しかし、子猫は成猫に比べて抵抗力が弱いため、猫エイズ/猫白血病ウイルスの検査、糞便検査等も含めた全身状態のチェックと駆虫やワクチン接種などの予防をしっかり実施してから会わせましょう。

    仲良くなってほしい一心で、子猫同士を接触させてしまうと感染症が広がり、最悪の場合、全頭亡くなってしまうこともあるため注意してください。

    同腹の子同士でも仲良くできない子はできない

    同じ母猫から一緒に生まれた子猫同士なら、問題なく仲良く過ごせるだろうと考えがちですが、14週齢以降は個々の主張が大きく出てくるため、この時期に仲良くできない子同士はその後ずっと相性が悪いこともあります。

    一緒にくっついて眠るかなど、仲良しか見極めてあげる必要があります。

    成猫メス同士は仲良くなりやすい

    成猫メス同士は仲良くなりやすい
    (Nils Jacobi/shutterstock)

    成猫のメス同士、とくに血縁関係のある場合は仲良くなりやすいです。

    野良猫で母猫が狩りに行っている間に別の母猫が子猫を見守るなど、血縁関係のあるメス猫同士は、子育てを手伝うことがあるといわれています。

    成猫のオス・メスの組み合わせは配慮が必要

    成猫のオス・メスの組み合わせは配慮が必要
    (Ajdin Kamber/shutterstock)

    オスとメスの成猫の場合、対面までのステップをゆっくりと時間をかけながら丁寧に進めていくと、仲良くなってくれる可能性が高まります。また基本的なことですが、予定外の妊娠をしないよう、対面前に双方の避妊・去勢手術は実施しておきましょう。

    メスだけ手術していれば大丈夫と考える飼い主さんもいます。確かに妊娠にはつながりませんが、オスが未去勢だとメス猫を執拗に追い回して喧嘩に繋がるなど、双方にかなりのストレスを与えることになります。

    成猫と子猫の組み合わせは配慮が必要

    成猫と子猫の組み合わせは配慮が必要
    (rom_olik/shutterstock)

    人も「赤ちゃんなら仕方ないか」と受け入れられるように、成猫同士よりも、子猫が新たに仲間入りする方が先住猫も受け入れやすくはあります。この場合も、まずは別室から過ごしゆっくり対面させていくなど、段階を踏む配慮が必要です。

    また、新しく迎えた子猫に家族の視線が集中しがちですが、先住猫を優先し丁寧に接しましょう。

    成猫のオス同士は難しい

    成猫のオス同士は難しい
    (RJ22/shutterstock)

    オスの成猫同士では、縄張りの主張が激しくなったり、落ち着きがなくなってトイレ以外で排尿したりすることがあります。

    この組み合わせに限ったことではありませんが、喧嘩によって大きなケガを負う可能性もあるため、慎重に考えましょう。

    高齢猫と子猫は難しい

    高齢猫と子猫は難しい
    (Danielle Armstrong/shutterstock)

    高齢猫を飼育されている場合、ペットロスを恐れて子猫を迎える飼い主さんもいます。

    子猫は先住猫に襲い掛かって遊びに誘うことが多いのですが、体力差がありすぎるため高齢猫にとってかなりのストレスになります。子猫の活発な動きが高齢猫を疲れさせてしまうため注意しましょう。

    まとめ

    猫の多頭飼いでは、組み合わせに配慮してみても上手くいかないことがあります。愛猫の性格を熟知した飼い主さんだからこそ、先住猫の性格を考慮し、どんな新入り猫が理想的かを考えましょう。

    もともと先住猫が保護猫カフェなどにいた場合は、滞在中に相性がよかった子を新たに迎えることも方法のひとつです。

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    著者・監修者

    濵口 美香

    獣医師

    濵口 美香

    プロフィール詳細

    所属 猫の診療室モモ(東京都品川区) 勤務医

    略歴 1988年 鹿児島県に生まれる
    2007年 麻布大学獣医学部獣医学科入学
    2014年 獣医師国家資格取得
    2013年~2015年 千葉県の犬猫動物病院にて勤務
    2015年~2016年 ペット保険会社にて勤務。動物病院での診察業務・ペットショップの子犬子猫の往診・イベントでの健康相談業務・動物看護専門学校での講師を務める
    2016年~2017年 子育てに専念
    2018年~ 品川区の猫の診療室モモにて勤務

    資格 獣医師免許
    JSFM CATvocate認定プログラム修了

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