子犬の甘噛みは、成長過程のひとつといわれています。甘噛みは多くの場合、力加減をしていますが、遊びがエスカレートすると力加減が分からなくなり、思わぬ事故につながる可能性もあります。子犬の甘噛みが悪い癖になってしまわないよう、「噛んでよいもの・悪いもの」を早期に教えてあげましょう。
もくじ
犬の甘噛みとは、ケガをしない程度に加減をして噛むことをいい、子犬の頃に多く見られます。
子犬は、母犬や兄弟犬とじゃれあいながら、噛んで叱られたり、噛まれて痛みを感じたりしながら、噛んではいけないことを学んでいきます。
1匹で飼われている場合は、飼い主さんや家族の手や足、家具、スリッパなどに噛みつくことも多いです。そんなに強くないからと噛ませていると、エスカレートしてやめなくなってしまいます。
歯や顎(あご)の発達に噛むことは必要ですが、子犬のうちから嚙んでよいもの・いけないものは、しっかり覚えさせましょう。
生後3週間~7、8か月は、乳歯が生え、永久歯に変わっていく時期です。
乳歯が永久歯に生えかわるタイミングでは、歯のつけ根などがむずがゆくなったり、口の中に違和感があったりして、人の手や家具など手近なものを噛んでしまうことがあります。
犬はもともと、噛みたい欲求の強い動物です。犬同士でも、遊びの一環として噛み合いをすることがあります。
好奇心から、身近なものを何でも口に入れて、感触を学ぼうとします。誤飲につながる危険性もあるため、危険なものを口に入れてしまわないように注意しましょう。
「遊んで欲しい」という欲求や飼い主さんへの甘え、遊びで興奮しているといった、ポジティブな気持ちの表現として甘噛みをする場合もあります。
本能や成長過程で甘噛みは必要ではあるものの、噛んではいけないものを噛んでしまった場合は、以下の手順で治すトレーニングをしましょう。
しつけに関して、家族みんなでルールを決めておくことが大事です。子犬が覚えやすいように、「痛い」「いけない」「止め」など、叱る言葉は短くわかりやすい言葉で統一しましょう。
そのときどきで掛け声が違うと、犬は何がよくて、何がいけないのか混乱してしまいます。
子犬が噛んではいけないものを噛んだときは、事前に決めた言葉で叱ります。声のトーンは低く、毅然とした調子で叱りましょう。
怒鳴ったり、たたいたり、たたくふりをして恐怖を与えてはいけません。子犬が口元を緩めたり、噛むのを止めたりしたら褒めてください。褒める声のトーンは、高めがよいでしょう。
噛むのをやめない場合は、子犬を一時的に無視します。飼い主さんはその場から離れ、視線を合わせず別の部屋に行きましょう。数分姿を消すことで、子犬に考えさせます。
このとき、騒いだり走ったりしないよう注意してください。飼い主さんが騒ぐと、愛犬は「遊んでくれる」と勘違いして、その場を離れる効果がなくなってしまいます。
1〜2分したら、愛犬がいる部屋に戻りましょう。あまり長いと犬はなぜ無視をされていたのか分からなくなってしまいます。
飼い主さんがいない間に噛まないでいられたら、たくさん褒め、おやつをあげたり、お気に入りのおもちゃで一緒に遊んであげたりしましょう。
このトレーニングの繰り返しによって、犬は「噛むと大好きな飼い主さんがいなくなってしまう」「噛まずにいるとよいことがある」と少しずつ学習していきます。
犬は人と遊ぶことが大好きです。遊びで欲求が満たされ、飼い主さんとの絆も深まります。
犬用のおもちゃには、
などさまざまなものがあります。目的に応じて使い分けるとよいでしょう。ただし、かじって飲み込んでしまう可能性があるため、噛んでも丈夫で壊れにくいおもちゃを用意してください。
電気コードや観葉植物など、噛んで欲しくないものや、噛むと危険なものは、あらかじめ噛めないようにしておきましょう。
観葉植物は犬が近づけないところに移動させる、電気コードは家電や家具の後ろに隠したりカバーをかけたりするなど、飼い主さんの工夫が必要です。
噛みつき防止スプレーとは、苦味や辛味を感じる成分を含んだスプレーのことです。犬が口に入れても問題がないため、噛んでほしくないものに吹きかけておくのもよいでしょう。
噛んでもいいおもちゃを与え、一緒に遊んでエネルギーを発散させてあげましょう。ロープなど長さのあるおもちゃを使うと、人の手と犬との距離が長くなり、手を噛みにくくなります。
いろいろな形、噛み心地のおもちゃを噛ませ、褒めてあげると、おもちゃで遊ぶのが楽しくなります。噛みたい欲求も満たされるため、徐々に甘噛みの頻度は減っていくでしょう。
子犬が飼い主さんを噛む理由は、歯がむずがゆい、本能的な欲求や好奇心、甘えや興奮などさまざまです。嚙んでもよいおもちゃを使い、噛みたい欲求を満たしてあげるとよいでしょう。
子犬が噛んではいけないものを噛んでしまったときは、事前に決めた言葉で叱ります。それでも噛むのをやめないときは、部屋から出て、1分程度の時間をあけてまた部屋に戻ることを繰り返し、「噛むと大好きな飼い主さんがいなくなってしまう」「噛まずにいるとよいことがある」と学習させます。
怒鳴ったり、たたいたり、たたくふりをして恐怖を与えるしつけはしないようにしましょう。
ペットの医療費(治療費)はいくらかかる?もしもに備えるペット保険とは?
犬の予防接種を知ろう!ワクチンの種類・費用・接種の注意点を解説
子犬をお風呂に入れていい時期は?タイミングの見極め方とお風呂嫌いにしないコツ
【獣医師監修】子犬の食事、週齢・月齢別の食事内容・回数からフードの切り替えまで
【獣医師監修】子犬のお散歩はいつから?ワクチン接種が関係する?お散歩デビューのポイント解説
【獣医師監修】子犬のおやつはいつから、何をあげられる?子犬のおやつの与え方を解説
【獣医師監修】子犬の歯磨きはいつから?やり方、タイミング、頻度を解説
【獣医師監修】子犬の爪切りはいつから始める?爪切りの仕方と注意点を解説
【獣医師監修】子犬がトイレで寝るのはなぜ?理由とやめさせる方法を解説
【獣医師監修】子犬のお留守番はいつから?トレーニングや準備、お留守番の注意点を解説 (3月12日公開)
【獣医師監修】子犬がご飯を食べない!原因の見つけ方と対処法を解説
【獣医師監修】子犬が吐くのはなぜ?考えられる理由と病院受診のポイント
【獣医師監修】子犬のくしゃみの原因は?考えられる病気や対処法を獣医師が解説
【獣医師監修】子犬のしつけ方を解説!事前準備と正しいしつけ方
【ドッグトレーナー監修】子犬の鳴き声、どうしたらいい?愛犬とのコミュニケーションについて解説
【獣医師監修】子犬の甘噛み、噛み癖がつく前にやっておきたいしつけの方法
【獣医師監修】マズルコントロールはしつけに必要?知っておきたいマズルの知識
【獣医師監修】新しく犬を迎えた初日の過ごし方、迎えるために準備すること
はじめて犬を飼う人が準備すべきこと、心構え・必須アイテムを解説
【獣医師監修】ケージとクレート(キャリー)の違いは?子犬のケージの選び方
ペット保険は入るべき?「加入する・加入しない」の判断ポイントを解説
犬をお迎え(購入)する際の注意点まとめ!トラブルを防ぐために知っておきたいポイント