ペット保険には通院補償があるものと通院補償がないものがあります。通院補償がないペット保険は、保険料が安くなる傾向があるものの、日常的な通院の治療費は全額自己負担となってしまいます。
ペット保険への加入を考えるときに大切なことは、「自分のペットに通院補償が必要かどうか」という点です。そこで今回は、ペット保険の主なタイプを紹介するとともに、主な治療費や通院にかかる費用、通院補償のあるペット保険のメリットなどを詳しく解説します。
もくじ
ペット保険の加入を検討しているのであれば、通院補償のあるペット保険が役立ちます。なぜなら日常的に起こりやすい病気やケガの治療は通院がメインとなるためです。実際に、当社の場合、ペットの治療費の約74%が通院治療(※)です。
※当社調べ(2023年4月~2024年3月 保険金支払い実績をもとに算出)
特に通院が多い病気にかかりやすいペットの場合には、通院補償がある保険を選びましょう。例えば、次のような病気は通院の回数が多くなりやすい傾向にあります。
特に、犬の場合、体が大きくなればなるほど通院でも治療費が高くなります。「万が一の際に、全額自己負担での支払いには不安がある」という方は通院補償のあるペット保険を検討しましょう。
ただ、「通院補償だけで十分」と考えず、入院や手術などの補償が「本当に必要ないのか」を慎重に見極めることが大切です。入院や手術は通院費よりも高額になりやすく、場合によっては数十万円といった金額になる場合もあります。このような点を総合的に考えて、自分に合ったペット保険を選んでください。
通院補償を検討する方が把握しておくべきなのが、ペット保険の種類です。通院補償のあるペット保険には、大きく2種類に分けられます。
以下ではそれぞれを詳しく解説します。
フルカバー型とは、通院や入院、手術などの治療費が補償対象となるタイプです。入院や手術などのリスクだけでなく、日常の通院治療を含めた幅広いリスクに備えられる点がメリットといえるでしょう。
フルカバー型のペット保険では、多くの場合治療費の全額を補償するわけではありません。基本的には50~70%といった補償割合が設定されています。例えば、補償割合が70%の場合に10万円の治療費が発生すると、支払われる保険金は7万円、自己負担は3万円となります。
特化型とは、補償範囲が限定されているタイプです。補償の範囲を限定することで保険料を抑えられるペット保険もあれば、1日あたりの上限金額や年間の利用回数に制限を設けないなどして補償を手厚くしているもの、補償割合が90%などバリエーションが豊富です。
その一方で、「補償対象外となる治療区分の補償は受けられない」という特徴があります。そのため、保険料を抑えて必要最小限の備えで十分な人、既に加入しているペット保険の補償を強化したい人など目的が明確な人に向いている保険といえるでしょう。
特化型のペット保険には、主に次のような種類があります
入院と手術のみを補償する保険で、通院費は補償されません。高額になりやすい入院と手術の治療費を補償している点がメリットといえるでしょう。
例えば小型犬の場合、膝蓋骨脱臼(パテラ)や椎間板ヘルニアなどを発症しやすく、10日以上の入院や手術が必要になることがあります。ただし、これらの病気では、通院が必要になってくることが多いため、その点にも留意しながら選ぶ必要があるでしょう。
治療費のうち手術のみを補償するタイプのもので、通院費や入院は補償されません。手術費はカバーされても、入院や通院で自己負担が多くなる可能性がある点に注意が必要です。
入院や通院の治療費は自己負担で賄えるものの、1回の治療費が高額になりやすい手術にのみ備えておきたい方におすすめのタイプといえるでしょう。
通院のみ補償するタイプで、入院・手術費は補償の対象外となります。日常的な通院では保険を利用できるものの、治療費が高額になりやすい入院や手術に対しては、不安が残ってしまう場合もあるでしょう。
以前は、「通院のみ」というペット保険は少数ですがありました。しかし、2024年7月現在、新規加入可能な通院のみを補償するペット保険はなくなりました。
ペットの治療の多くは通院治療ではあるものの、今までのペットの通院費はそれほど高くなかったため「通院補償は本当に必要なのだろうか」と疑問に思う方もいるでしょう。
通院補償のあるペット保険には、さまざまなメリットがありますが、特に大きいメリットとしては次の3つが挙げられます。
以下では、それぞれのメリットについて詳しく解説します。
軽い病気やケガであれば負担にならない治療費も、治療内容によっては高額になることも少なくありません。特に、検査が必要な病気・ケガをした場合、治療費が高くなる傾向にあります。
通院補償がある保険は、万が一通院治療が高額になっても自己負担額を軽減できるため、安心して病院を受診できるでしょう。
継続した治療が必要になれば、毎回の治療費は高額ではないものの、気付けば月に数万円の治療費が発生することもあります。継続した治療を行う場合にも、通院補償のある保険であれば負担を軽減することができます。
一方で、通院補償があるペット保険であっても、通院回数に制限がある場合、上限回数を超えた分は自己負担となります。例えば、「年間20回まで」と決められている場合、21回目以降は自己負担となるのです。
通院補償があるペット保険を選ぶ場合には、「通院回数に制限のない保険」や「通院回数が十分な保険」かといった点も事前に確認しておきましょう。
ペット保険に通院補償があれば、ペットの不調を見つけた際に治療費を心配することなく動物病院を受診することができるようになるため、ペットの健康維持にも役立つでしょう。治療費に対する心理的な負担が減るため、軽い不調でも病院に通いやすくなり、結果的に、病気の早期発見につながる可能性もあります。
ペットの通院費は、1回のみであればそこまで高額になることは少ないものの、回数が重なると結果として高額になる可能性があります。
以下では、通院費が高額になった治療事例を紹介します。
心筋症と尿失禁改善のため7カ月間毎月通院し超音波検査、内服薬で治療を行った。
通院7日間
治療費総額 | 18万7,330円 |
ペット&ファミリー損保のペット保険、「げんきナンバーわんスリム プラン70」に加入していた場合、自己負担額例は以下の通りです。
お支払い保険金 | 10万6,631円 |
自己負担額 | 8万0,699円 |