【獣医師監修】獣医師が教える!子犬の多頭飼いを考える際に大切なこと
2023.10.17 作成

【獣医師監修】獣医師が教える!子犬の多頭飼いを考える際に大切なこと

獣医師

東 一平

東 一平

ただでさえ可愛い子犬が複数いたら…想像するだけでたまらなく可愛いです。しかし、可愛いだけで子犬の多頭飼いを始めるのはおすすめできません。今回は、多頭飼いを始める前に飼い主さんが考えておきたいことをまとめます。子犬の多頭飼いでの注意点、起こりうること、考えなければいけないことを一緒に学んでいきましょう。

もくじ

    多頭飼育を始める前の心構え

    【獣医師監修】獣医師が教える!子犬の多頭飼いを考える際に大切なこと
    (Inna Skaldutska/shutterstock)

    犬を飼育するということは、その犬の一生に責任をもつということです。

    犬はとても可愛いですが、飼ってみると可愛いだけではありません。飼い主さんの指示に従わないかもしれませんし、排泄物で飼い主さんの大切なものを汚すかもしれません。

    エサやおもちゃなどの生活用品や病気になった際の医療費など、犬を飼うにはお金がかかります。

    犬を多頭飼いする場合は、犬同士でストレスを発散できたり、社会性を手に入れたりするというメリットがあります。一方で、犬たちのお世話や費用が増えることも忘れてはなりません。

    犬を多頭飼育する場合は、どのような生活になるのか、どれくらいの費用がかかるのかなど、生活面・経済面のシミュレーションをしっかり行いましょう。

    子犬は多頭飼いできるのか 

    子犬は多頭飼いできるのか
    (Cast Of Thousands/shutterstock)

    小さい頃に一緒に過ごした犬は成犬と比べて仲良くなる可能性が高くなります。むしろ子犬期のほうが、多頭飼いには適しているといえます。

    「子犬同士」はもちろんですが、「成犬と子犬」もうまくいく可能性は成犬同士のときよりも高くなります。溢れ出すエネルギッシュな欲求をお互いで消化してくれたり、楽しく遊んだりしている姿には思わず笑みがこぼれるでしょう。

    子犬同士の多頭飼いのポイント

    子犬同士の多頭飼いのポイント
    (Spaskov/shutterstock)

    子犬同士で多頭飼いをする場合、同じ時期から一緒に育つことで最高の家族・親友として過ごせるでしょう。お留守番も、兄弟や友達と一緒のほうが、寂しさが紛れるはずです。

    飼い主さんのお世話にかかる時間や手間は倍になるため、そこは頑張ってください。

    最初から子犬を2匹以上迎え入れてもいいの?

    初めから子犬同士の多頭飼育をしても問題はありませんが。

    しかし、別の場所から迎えた場合は、それぞれ感染症や他の動物と暮らす上で問題になるような異常、たとえば心臓が弱い、関節が弱いなどがないかを確認してから一緒にしたほうがよいでしょう。

    環境の変化でしばらくして体調を崩したりする可能性もあるので、それを見極めてから一緒にしたほうが安心です。

    迎え入れる前に明らかな体格差がないかを確認しましょう。また、子犬同士の相性が悪い可能性もありますので、相性が良いかきちんと見極める必要があります。

    子犬同士を多頭飼育する時に気をつけること

    子犬同士を多頭飼育する時に気をつけること
    (ch_ch/shutterstock)

    子犬同士、ライフステージが重なるため、イベントごとが同時に訪れる可能性が高くなります。お世話や出費が重なる可能性があることを心得ておきましょう。

    また、飼う前からイメージし難い話かもしれませんが、高齢になった場合にも同じことがいえます。

    同時期に加齢による変化が出たり、病気になったり。一方の犬が亡くなって後を追うように調子を崩したり、元気がなくなってそのまま亡くなったりするケースを少なからず見ることがあります。

    そういった点にも覚悟をもっておく必要があるかもしれません。

    多頭飼育でしか感じられない楽しさは間違いなく存在します。しかし、飼育の手間と飼育にかかる費用は倍以上になるになる可能性もあります。

    飼い主さんは、10年以上にわたってこれらの問題と向き合い続ける覚悟が必要になるでしょう。

    先住犬がいる場合の多頭飼いのポイント

    先住犬がいる場合の多頭飼いのポイント
    (ValSN/shutterstock)

    新たに迎える子と、先住犬の相性が悪い場合もあるため、その見極めは大切です。

    子犬同士であれば受け入れてくれる可能性は高くなりますが、先住の成犬がいる場合は、受け入れてくれるか、受け入れるまでにどれくらいの時間がかかるかなどは、個体差があります。

    成犬の軽い攻撃は子犬にとっては致命的になる可能性もあります。先住犬の性格をきちんと把握して、多頭飼育に向いているかを判断しましょう。

    先住犬がいるときに新しい子犬を迎え入れる場合、可愛がるのは先住犬を優先してください。より一層先住犬を可愛がる気構えでいてください。

    自分が愛されていた空間に別の動物が来て、飼い主さんがその動物ばかりを構うことになったら、先住犬が嫉妬することは容易に想像できるでしょう。

    また、子犬期は病気にも弱い時期なので、伝染性の病気を移し合ってしまうような状態にならないように注意してあげてください。

    まとめ

    子犬はずっと子犬ではいません。成長し、そして年老いていきます。その成長に飼い主さんは責任を持たなければいけません。

    食事や日々のお世話、病気やケガへの備えなど、楽しいだけではありません。それらにきちんと責任を持てるのかをしっかり考えてみましょう。

    それらを乗り越えた上で迎え入れるなら、動物がいる生活は人生を豊かにしてくれるはずです。

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    著者・監修者

    東 一平

    獣医師

    東 一平

    プロフィール詳細

    所属 株式会社アイエス 代表取締役
    アイエス動物病院(千葉県市川市) 院長

    日本小動物歯科研究会
    日本獣医皮膚科学会
    比較眼科学会
    日本獣医麻酔外科学会

    略歴 1978年 千葉県に生まれる
    1997年 麻布大学 獣医学部獣医学科入学
    2003年 獣医師国家資格取得
    2003年~2004年 アイエス動物病院に勤務
    2004年~2005年 東京都内の動物病院に勤務
    2005年 千葉県市川市のアイエス動物病院の院長に就任

    資格 獣医師免許

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