ペットショップやブリーダーからではなく、保護犬を迎える飼い主さんも増えています。保護犬を家族にすることにはどんなメリットがあるのか。また、保護犬の迎え入れに特別な準備は必要なのか。保護犬を飼う際に知っておくべき知識について解説します。
もくじ
保護犬の明確な定義はありませんが、決まった飼い主さんがおらず、保護団体や動物愛護センターなどでお世話をされている犬を指すのが一般的です。
など、さまざまな背景をもった犬が保護され、里親を探しています。
保護犬の里親は、自治体の動物愛護センターや民間の動物保護団体などで募集しています。団体の運営する保護施設を訪れたり、開催しているイベントに参加したりすることで保護犬に会うことができるでしょう。
団体によっては、インターネットなどで保護犬の写真やプロフィールを公開していることもあります。希望条件に合う犬がいるかどうかをチェックしてからイベントに参加したり、直接面談を申し込んだりすることも可能です。
また中には、何らかの事情で愛犬を飼育できなくなり、個人単位で募集していることもあります。連絡先がわかれば、問い合わせてみてもよいかもしれません。
保護犬を迎え入れる際、里親として最期までしっかり面倒見られるかを審査されることが多いです。団体によって詳細は異なりますが、家族構成や生活環境、ときには収入なども審査の対象になります。
審査に合格したら、実際に保護犬を迎えて数日〜数週間のトライアルができる場合があります。先住犬がいる家庭の場合は、その子との相性をみてトラブルが起きないかを確認しましょう。
喧嘩をしたり、どちらかが極端に怯えたりするようであれば、ほかの子でトライアルをすることもあります。
また、大型犬はマンションで飼いづらいなど、保護犬の犬種や年齢、性格などによって審査に通らない場合もあります。
その際は、飼育したい保護犬に合わせた環境を用意してあげるか、飼育環境に合う保護犬を選ぶようにしましょう。
保護犬を迎え入れる準備は、その子の性格にもよりますが、一般的な犬を飼育する場合とほぼ同じです。ケージやサークル、リードや首輪、ハーネスといった必要なアイテムを用意しましょう。
野犬などで人に慣れていない子を迎え入れる場合は、その子に合ったケージと、一定の広さを囲えるサークルやフェンスなどもあるとよいでしょう。
また、お散歩に慣れていない子なら、脱走防止のためにリードを2本にすると役立つかもしれません。
自身で保護した野犬などをそのまま迎え入れる場合、まずは動物病院へ連れて行きましょう。
元気できれいに見えても、屋外で過ごしていた子にはノミやダニなどの外部寄生虫がついていたり、下痢の原因になる寄生虫がお腹に隠れていたりする可能性があります。
人に感染するような寄生虫もいるため、しっかり確認・駆除することをおすすめします。
また、実は飼育されていた子が逃げ出していたり、飼い主さんから離れてしまったりした可能性もあるため、マイクロチップの確認もしてもらうとよいでしょう。
ペットショップやブリーダーから子犬を迎えるのと比べて、保護犬を迎え入れることにどんなメリットがあるのでしょうか。
保護犬は、里親が見つからなければ殺処分される可能性もあります。保護犬を迎え入れることで、ひとつの命を救うことができ、社会貢献になります。
多くの保護団体では、健康診断やワクチン接種、簡単なしつけをしてくれていることもあります。
病気などの身体的な部分や性格などの精神的な部分を含め、その子がどんな状態なのかを把握した上で引き取ることができます。
ペットショップやブリーダーとは異なり、保護施設には子犬もいれば、高齢の子もいます。いろんな年齢の子に出会えることもメリットかもしれません。
子犬の成長を見守ることも醍醐味ではありますが、成犬で避妊去勢手術やワクチンなどの予防、マイクロチップの挿入など必要な処置が終わっている子を選択することもできます。
前述の通り、トライアルを実施できることが多いため、先住犬との相性チェックや、小さい子どもや高齢の方がいる家庭で、どのように生活ができるかを実際に確認することができます。
保護犬の中には、生まれつき病気を抱えている子や、劣悪な環境で飼育されて精神的に臆病になっている子などもいます。
成犬を引き取ることで、子犬を飼うよりも一緒にいられる時間が短くなってしまうことも考えられます。
愛犬の幸せのためにも、定期的な健康診断や治療が必要になることを理解した上で、迎えていただきたいと思います。