ペットの医療費(治療費)はいくらかかる?もしもに備えるペット保険とは?
2023.08.08 作成

ペットの医療費(治療費)はいくらかかる?もしもに備えるペット保険とは?

PNS編集部

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ペットとの暮らしで一番大きな出費は「医療費」です。人と違って公的な健康保険制度がないペットは、治療費は100%自己負担です。大きなケがや病気の際の支払額は100万円を超えることもあります。そんなときに頼りになるのがペット保険です。しかし、毎月の保険料を負担してまで万が一に備えておくべきか迷う飼い主さんもいることでしょう。今回は、ペット保険に加入するメリットやデメリットを紹介します。

もくじ

    ペットの治療費が高額になるのはなぜ?

    ペットの医療費(治療費)はいくらかかる?もしもに備えるペット保険とは?
    (Kristina Holovach/shutterstock)

    ペットの病気やケガで受診して、医療費(治療費)を支払うときに「こんなにかかるの?」と思ったことがある人は多いでしょう。これは、ペットに公的な健康保険がないことが関係しています。

    人の場合は国民健康保険があるため、医療費の自己負担は3割が基本です。また、保険診療の場合は薬や治療にごとに値段が定められているため、どこの病院でも値段は変わりません。

    一方、ペットは全額が飼い主さんの負担になります。動物病院は自由診療となるため、病院ごとに治療費が異なります。そのため、治療内容や設備によって高額な治療費が設定されていることもあります。

    ペットの治療費はどう工面する?

    ペットの治療費はどう工面する?
    (Anton Watman/shutterstock)

    ペット保険に加入する

    高額な医療費に備えるのなら、ペット保険への加入がおすすめです。

    「健康なのに保険料を払うのはもったいない」と感じるかもしれません。しかし、ある程度の期間が過ぎないとまとまった金額にならない貯金に比べ、ペット保険なら限度額内で高額な支払いに対応ができます。(※1)

    たとえば、自己負担が3割となるペット保険に加入すれば、100万円の治療費が発生したとしても、自己負担は30万円で済みます。(※2)

    ただし、加入する保険の年間利用上限額や1日あたりの上限額が定められていることもあるため、加入前には補償内容をよく理解し、高額な治療費に対応した保険を選びましょう。

    ※1 保険期間開始後に待期期間(保険期間の開始日から一定期間、保険金支払いの対象とならない期間)がある場合があります。
    ※2 年間の保険金支払い上限額や1日あたりの上限額が70万円以上の保険の場合

    貯金でまかなう

    ペットのための貯金をすることで医療費の捻出をすることも可能です。

    ただし、貯金を始めた直後は十分な余裕はありません。仮にまだ30万円しか貯まっていないのに100万円の請求が来たら、70万円分のマイナスをほかの方法で埋めなくてはいけません。

    貯金もよい方法ですが、貯金を始めたばかりでは十分な備えとはいえないでしょう。

    クレジットカードやローンを利用

    クレジットカードやローンを利用して、医療費を分割払いにする方法もあります。

    すべての病院が対応しているとは限りませんが、普段利用しているカードを使えば計画的な返済ができるため、見通しが立てやすいでしょう。

    ただしカードやローンには上限が設定されており、条件によっては全額支払いができないこともあります。手数料や利息もかかるため、利用前には無理のない支払い計画を立てることが大切です。

    親族や友人に借りる

    自分の力だけで対応できない場合、身近な人に頼むこともあるようです。あなたとペットの関係を知っている親族や友人なら、協力してくれることもあるでしょう。

    ただし、身近な人だからと甘えていると、返済の方法を巡ってトラブルになる場合も。親しい間柄だからこそ、しっかりとした取り決めが必要です。

    治療を諦める

    どうしても医療費を払えない場合には、厳しいですが治療を諦めなければならないこともあります。実際に、予想外の高額治療費を理由に治療を諦めるという選択肢をする飼い主さんも少なくないようです。

    ペットの命は飼い主さんが守れるよう備えておくことが大切です。

    ペットの治療費はいくらかかる?

    ペットの治療費はいくらかかる?
    (FamVeld/shutterstock)

    公的な健康保険がないペットの医療費は100%自己負担。実際の医療費はいくらくらいかかるのでしょうか。詳しく見てみましょう。

    1回あたりの平均的な通院費

    小型犬 10,636円
    中型犬 12,020円
    大型犬 13,588円
    猫   10,370円

    ※ペット&ファミリー損保調べ(2020年4月~2021年3月の保険請求データより算出)

    主な通院理由は、犬の場合、下痢や軟便、外耳炎、異物誤飲。猫の場合、下痢や軟便、膀胱炎や尿石症などの泌尿器系疾患、異物誤飲。1回あたりの平均的な通院費は、犬猫ともに10,000円を超えています。

    症状が軽ければ1回の通院で治ることもありますが、経過観察のため複数回の通院が必要となることも多いでしょう。通院回数が増えるほど費用はかさみます。

    1回あたりの平均的な入院費

    小型犬 77,642円
    中型犬 80,257円
    大型犬 114,090円
    猫   78,351円

    ※ペット&ファミリー損保調べ(2020年4月~2021年3月の保険請求データより算出)

    犬の場合は、異物誤飲や下痢・軟便、胃腸炎を原因とした入院が多く、猫は下痢・軟便、尿道閉塞、異物誤飲が原因の入院が多いようです。

    下痢や軟便はよくある病気ですが、異物誤飲や別の大きな病気が原因となっていることもあります。自宅で経過観察をしているうちに症状が悪化し、入院になるケースもあるため、早めの受診をおすすめします。

    1回あたりの平均的な手術費

    小型犬 173,637円
    中型犬 175,995円
    大型犬 202,052円
    猫 171,744円

    ※ペット&ファミリー損保調べ(2020年4月~2021年3月の保険請求データより算出)

    手術代はさらに高額になります。体の大きな大型犬は、医療費も高くなりやすいです。あくまで手術費の平均のため、実際にはこれよりも低いケースもありますが、時には100万円を超えるようなケースもあります。

    毎月の収入からポンと出せるなら問題ありませんが、そうでなければ万が一を想定して準備しておく必要があります。

    犬や猫の実際の治療費事例

    犬や猫に多い病気やケガ、実際の治療費の事例はこちらの記事を参考にしてみてください。
    犬猫に多い病気・ケガとは?入院・手術・通院の治療費事例とペット保険の補償事例

    ペット保険に加入しよう

    ペット保険に加入しよう
    (Piotr Braniewski/shutterstock)

    ペット保険の選び方のポイント

    ペット保険にはたくさんの種類があり、保険商品によって補償内容は大きく異なります。「どれも同じようだから、保険料が安いものにしよう」と判断せず、補償内容をよく理解した上で選ぶようにしましょう。

    • その犬種・猫種が発症しやすい病気やケガが補償されるか
    • 金銭的に負担の大きい高額な治療費に対応できているか
    • 1日あたりの支払い金額や年間の通院日数の上限が十分か
    • 終身で更新が可能か
    • 更新時に条件変更がないか など

    親身に対応してもらえるかなどもチェックしておくと安心です。

    ペット保険の費用ってどのくらい?

    ペットの保険料は、犬の場合ペットの年齢と体重、もしくは年齢と犬種によって決まるのが一般的です。猫の場合は年齢のみで決まるのが一般的です。

    ペットの年齢で保険料も変わるため、加入時の保険料だけで比較せず、ペットの平均寿命を踏まえた上で、数年単位での保険料の違いにも注目しましょう。

    【1カ月あたりのおおよその保険料*1,2】

    • 小型犬(7.2kg以下):1,500~4,400円ほど
    • 中型犬(19.8kg以下):1,800円~5,000円ほど
    • 大型犬(39.6kg以下):2,300円~5,900円ほど
    • 特大犬(39.6kg超):3,000~9,100円ほど
    • 猫:1,300~2,400円ほど

    *1 慢性疾患にも、高額治療にも対応したペット保険!ペット&ファミリー損保「げんきナンバーわんスリム プラン50」
    *2 犬の加入タイプ(小型犬・中型犬・大型犬・特大犬)は、ご加入時・ご継続時の体重で決まります。ただし、1歳未満の幼犬の場合「犬種分類表」を参考に、1歳時のおおよその予測体重で加入タイプが決まります。
    *2024年7月時点の内容です。今後の商品改定や保険料率の見直し等により、変更となる場合があります。

    ペット保険で高額な医療費に備えよう

    ペット保険で高額な医療費に備えよう
    (FamVeld/shutterstock)

    医療技術や生活環境の向上により、ペットの平均寿命は上がりました。実際、一昔前には命を落としていたような病気でも、今では治療しながら長生きできることも増えています。

    愛犬・愛猫のためにも、貯金やペット保険の加入など医療費の備えをしっかりとして、安心して暮らせるように準備しておきたいものです。

    著者・監修者

    PNS編集部

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