ペットには人のように公的な健康保険がありません。そのため、自己負担額を減らすための方法として、ペット保険への加入が挙げられます。
「貯蓄があるから必要ない」「メリットが少ない」と考える方もいるかもしれませんが、ペットにかかる医療費は時として高額になることもあり、経済的な理由から適切な治療を選択できなくなる可能性もあります。そのため、ペット保険への理解を深めた上で、加入するかどうかを考えることが大切です。
そこで今回は、ペット保険への加入を考える際の参考としてペット保険が「不要な人」「必要な人」それぞれの特徴を紹介します。また、一般的な補償内容や加入するメリット、注意点も解説します。
もくじ
ペット保険とは、ペットが病気・ケガで治療を受けた際、治療費の一部を補償してくれる保険のことです。
ペットは人と異なり治療費がすべて自己負担となるため、病気やケガの内容によっては数万円~数十万円の高額な支払いが必要になるケースもあります。また、再発や通院などで長期間にわたって治療費が必要になるケースも少なくありません。
このような支払いに備えるのに、役立つのがペット保険です。
ペット保険は万が一の際に備えるためのものであるため、安心を得るための一つの手段としては有効といえます。ただ、次のような方はペット保険への必要性を感じず、加入しない場合もあるでしょう。
とはいえ、これらに当てはまる場合でも、ペット保険の必要性についてもう一度検討してみる価値はあります。主な理由は以下の通りです。
十分な貯蓄がある人の場合、ペット保険に加入しないケースもあるでしょう。毎月支払う保険料と、実際にペットにかかる医療費を比較した際、すべて自己負担したほうが安くなる場合があるためです。
ただし、医療費はペットの年齢や健康状態、住んでいるエリアによって差があり、いつ、どのような病気になるのかも予測が難しいです。したがって、医療費がどれくらいかかるのかを正確に計算することはできず、「これだけ貯蓄があればペット保険は必要ない」と言い切ることはできません。
また、 貯金で積み立てていくことを選択した場合、積み立て始めたばかりのタイミングで病気・ケガが発生すると、積立金が十分に貯まっておらず、支払いに困る可能性もあります。
ペット保険の補償内容に魅力を感じない場合も、保険の加入は必要ないといえます。
ペット保険で補償されるのは、人の保険と同様に「病気やケガによる治療費」です。予防接種や避妊、去勢、健康診断などの予防費用は、基本的に補償されません。このような点に魅力を感じないのであれば、日々の積立で治療費を貯めておく方法も一つの手です。
ただし、予防接種や健康診断などと違い、ペットのケガや病気は突発的に発生することがほとんどであり、大切なことは「万が一の際に備えられるかどうか」です。突発的な病気やケガの治療費は高額になることも多いため、「ペットにどのようなリスクがあるか」「突発的な出費が発生した際にいくらかかるのか」などを把握した上で検討しましょう。
ペット保険が必要な人や加入を検討した方がよい人の特徴は、以下の通りです。
これらに当てはまる場合、ペット保険の加入を検討してみましょう。ここからは、これらについてさらに詳しく解説します。
ペットに十分な治療を受けさせたい場合は、ペット保険に加入することを検討してみましょう。ペット保険に未加入の場合、治療費はすべて自己負担となるためです。
ペットのケガや病気は、症状や進行具合によって治療方法が異なります。場合によっては手術が必要になったり、定期的な通院を求められたりする可能性もあるでしょう。
ペット保険に加入していない場合、高額な手術代や毎回の治療費を貯蓄から支払うことになります。支払いが困難になると、必要な治療を続けられなくなる可能性もあるため、そのような事態を避けたい場合にはペット保険への加入が役立ちます。
万が一の備えとして、ペット保険に加入しておくことも大切です。ペットも人と同じで、それまでは元気でも、突然ケガをするリスクや、ある日突然病気が見つかるケースがあります。さらに、ペットは言葉で自分の不調を訴えられないため、気付いたときには病気が進行しており、結果として高額な治療費が発生することも少なくないのです。
例えば、犬の場合、小型犬に多い椎間板ヘルニアや 膝蓋骨脱臼(パテラ)では、数十万円の治療費が必要になるケースがあります。ペット保険に加入していない場合、このような突発的な治療費を自己負担で用意しなければなりません。
「月々の少額の負担であれば抵抗はないが、予想外の大きな出費には抵抗がある」と感じる方にとってはペット保険の方が経済的な負担を感じにくいでしょう。
犬や猫は品種によって、かかりやすい病気が異なります。
例えば、小型犬に起こりやすい椎間板ヘルニアや膝蓋骨脱臼(パテラ)は手術が必要になる場合も多い上に再発もしやすく、通院回数が多くなる可能性があります。ペット保険に加入していない場合は、再発する度に通院による治療費を毎回自己負担しなければなりません。
自分のペットのかかりやすい病気やケガをあらかじめ把握し、補償対象となっているペット保険に加入しておくことで、安心して手術や定期的な通院などに備えることができるでしょう。
ペット保険はペットの年齢が若いうちから加入しておくことが重要です。なぜなら、幼いペットは好奇心旺盛で骨格が未熟なため、遊んでいる中での誤飲や、高いところから飛び降りることによる骨折など、さまざまな事故に見舞われるケースが多いためです。
特に誤飲は、飲み込んだものによっては手術が必要になる場合もあります。例えばティッシュのようなものでも、大量に飲み込んでしまうと腸閉塞(ちょうへいそく)のリスクが高まります。
「元気すぎてケガが怖い」と考える方は、ペットの年齢が若いうちからペット保険への加入を検討しましょう。
ペット保険への加入に興味があるのであれば、ペットが健康なうちに検討しましょう。
ペットは人と同じで、年を重ねれば重ねるほど病気のリスクが高くなります。病歴によっては、保険の加入が難しくなったり、特定の病気が補償対象外での加入になったりすることがあるためです。
「ペット保険に入りたいのに入れない」という状況に陥らないためにも、若くて健康なうちにペット保険へ加入しておくことが大切です。
ペット保険に加入するにあたってまずチェックしておきたい点が補償内容です。
ここではペット保険で主に補償される通院・手術・入院の内容と、保険金の支払い対象となる治療費について解説します。
通院・手術・入院は、ペット保険における一般的な補償内容です。補償対象となる病気やケガで治療費が発生した場合に、補償割合に応じて保険金が支払われます。補償対象となる病気やケガには、椎間板ヘルニアや膝蓋骨脱臼(パテラ)、誤飲、骨折などが挙げられます。
また、年間の保険金の支払い回数に制限を設けているペット保険もあります。加入前に、通院補償や支払い回数制限の上限を確認しましょう。なお、ペット保険は病気やケガの補償を対象としているため、予防接種や健康診断、避妊去勢は基本的に補償の対象外です。
ペット保険によって保険金の支払い対象となる治療費は異なりますが、『げんきナンバーわんスリム』の場合、通院・手術・入院に関わる以下の治療費が補償の対象です。
「時間外診料(夜間診療費や休日の割増診療費などの時間外診療費)」は補償の対象外としているペット保険も少なくありません。加入するペット保険の対象となる治療費の詳しい内容についても事前にしっかり確認しましょう。