ペット保険とは、ペットに病気やケガなど、万が一のことがあった際に、治療費の自己負担額を減らしてくれるものです。ペット保険への加入は義務ではないものの、ペットの健康を考えるのであれば加入の検討をおすすめします。
しかし、ペット保険の具体的な仕組みがイメージしにくかったり、どのような治療費が補償されるのかわからなかったりする人もいるでしょう。そこで今回は、ペット保険とはどのようなものであるかを説明するとともに、その仕組みや種類、補償期間、加入するタイミングなども解説します。
もくじ
ペット保険とは、ペットの病気やケガの治療費にかかる飼い主さんの自己負担額を軽減できる保険です。
ペットには、人のように公的な健康保険制度がありません。そのため、ペット保険に加入していない場合、治療費は全額自己負担となります。通院や入院、手術の内容によっては、高額な治療費が発生する可能性もあります。
ペット保険には、うさぎや鳥、フェレット、ハムスターなどの動物全般に対応しているものもありますが、基本的には犬と猫が対象であることがほとんどです。ペット保険によってカバーしているペットの種類や補償対象となる傷病は異なるため、まずは自分のペットに対応した保険があるかという点を確認しましょう。
ペット保険では、主に以下の3つの治療費を補償します。
ただし、保険会社によって補償の内容はさまざまです。また、加入するプランによって「入院・手術のみの補償」「手術のみの補償」など特定の治療に特化した保険もあります。
ここからは、それぞれの補償内容について解説します。
通院補償のあるペット保険では、補償対象となる傷病で通院が必要になった際に保険金が支払われます。ペット保険の中には通院補償がないタイプもありますが、その場合、当然ながら通院の治療費に対する保険金は支払われません。
また、保険金の支払い金額に「1日あたり〇円まで」のような1日あたりの上限(日額制限)が設けてあるタイプ、「年間の支払い回数は〇回まで」と支払い回数に上限があるタイプ、年間の上限金額内であれば日額制限や支払い回数に制限のないタイプなど、さまざまな種類があります。
なお、犬・猫の平均通院費用は以下の通りです。
<1回あたりの平均通院費>
小型犬 | 1万3,180円 |
中型犬 | 1万4,856円 |
大型犬 | 1万6,826円 |
猫 | 1万2,402円 |
ペットの病気やケガの治療では、繰り返しの通院が必要になるケースも少なくありません。1回あたりの平均通院費は1万円を超えるため、繰り返しの通院になると何万円もの治療費がかかる可能性があります。通院費の支払いに不安がある場合は、事前に通院補償が付いているかどうかを確認しましょう。
補償対象となる傷病で手術が必要となった場合には、補償割合に応じて保険金が支払われます。こちらも通院と同様に、1回あたりの手術費の上限が決まっているタイプ、年間の支払い回数が決まっているタイプ、年間の上限金額内であれば制限のないタイプといった保険があります。
例えば、1回あたりの手術の限度額が10万円までとされている保険の場合、治療費に30万円がかかったとしても、10万円までしか保険金を受け取ることができません。
犬・猫の平均手術費用は体のサイズが大きくなればなるほど手術費も高くなる傾向があります。犬・猫の平均手術費用は以下の通りです。
<1回あたりの平均手術費>
小型犬 | 19万2,517円 |
中型犬 | 20万7,141円 |
大型犬 | 28万1,285円 |
猫 | 19万1,571円 |
ペットの治療費には公的な保険がないため、1回あたりの手術費は特に高額になりがちです。1回あたりの限度額を確認の上ペット保険を選ぶようにしましょう。
補償対象となる傷病で入院が必要となった場合、補償割合に応じて保険金が支払われます。ペット保険によっては手術と同様、「入院1日あたり◯円まで」「年間〇日まで支払い可能」という制限があるタイプと、年間の上限金額内であれば制限のないタイプがあります。
犬・猫の平均入院費用は以下の通りです。
<1回あたりの平均入院費>
小型犬 | 9万7,900円 |
中型犬 | 10万4,635円 |
大型犬 | 12万8,527円 |
猫 | 10万1,397円 |
こちらもペットの体のサイズが大きければ大きいほど、費用が高くなる傾向にあります。ペットには人のような高額医療費制度がありません。ペット保険に加入していない限りは、基本的に全額自己負担になることを覚えておきましょう。
ペット保険で保険金をお支払いする主な治療費は、通院や入院、手術だけではありません。これらの治療に付随するさまざまな治療費をカバーしますが、細かな補償内容はペット保険によって異なります。当社の『げんきナンバーわんスリム』の場合は以下の通りです。
時間外診料(夜間診療費や休日の割増診療費などの時間外診療費)については、補償対象外としているペット保険も少なくありません。
また、補償対象となる傷病も加入する保険によって異なります。犬猫に多い膝蓋骨脱臼(パテラ)、歯科治療、椎間板ヘルニアなどが補償対象となっているか確認しておくとよいでしょう。
人と同じで、ペットのケガや病気はいつ起こるかわかりません。加入後に後悔することがないように、通院・入院・手術が補償の対象となるか以外の細かな補償内容もしっかりと確認しておきましょう。