【獣医師監修】新しく犬を迎えた初日はどう過ごす?迎えるために準備すること
2023.07.17 作成

【獣医師監修】新しく犬を迎えた初日はどう過ごす?迎えるために準備すること

獣医師

成田有輝

成田有輝

家族に迎え入れた初日から、人にとっても犬にとっても生活が大きく変化します。特に初めて犬を迎え入れたご家庭においては、そのすべてが新しいことだらけで、不安もあるかと思います。犬を迎え入れる際に必要な準備や心構え、迎え入れた初日の過ごし方などを知っておきましょう。

もくじ

    犬を飼う初日を迎える前にするべき準備

    【獣医師監修】新しく犬を迎えた初日はどう過ごす?迎えるために準備すること
    (Natalia Fedosova/shutterstock)

    環境を整える

    子犬はなんにでも興味を持ち、口に入れてしまうため、身の回りはシンプルに、壊れにくいもののみを配置しておく必要があります。

    トイレ

    ペットシーツをそのまま敷くだけでは、必ずといっていいほどビリビリに破いて、一部を飲み込むことがあります。直接触れないように枠をつけ、固定しておきましょう。

    ベッドや毛布

    トイレを覚えていない犬にベッドや毛布を与えると、そこでおしっこをしてしまいます。トイレを覚えるまでは洗濯しやすいものを寝床として提供しましょう。

    また、毛布を噛んで破いたり、ベッドの中の綿を引きずり出して食べたりすることもあります。ほつれたものは与えないようにしましょう。

    ケージ

    ケージ接続部分を執拗に引っかいたり、噛んだりすることで、ネジや固定している金具を外すことがあります。簡単に外せないような構造のケージを選択し、金具が緩んでいないか定期的にチェックしましょう。

    壁紙

    ケージから手や口を出して、壁紙をはがして食べることもあります。壁から離してケージを設置し、壁に近い場合は間に板を入れるなどの配慮が必要です。

    電化製品のコード

    ケージの近くにコードがあると、手や口でケージ内に引き入れて、かじる可能性があります。ケージの近くには、電化製品のコードがない状態にし、難しい場合は隠すなどの対処をしましょう。

    食事の内容や量を確認する

    自宅に来てすぐにご飯を切り替えると、環境変化のストレスと食事の変化が重なり、ご飯を食べなかったり、体調を崩したりすることがあります。まずは、購入先や譲渡先から現在与えているご飯の内容や量を聞き、同じものを与えるようにしましょう。

    また、子犬はすぐに成長するため、指示された量を与え続けるのではなく、成長に合わせてフードの給与量を日ごとに変える必要があります。

    必要書類を確認する

    ワクチン接種証明書、血統書などを確認しましょう。犬は、狂犬病予防注射と混合ワクチンの2種類を行うことが一般的です。

    混合ワクチンの接種証明書には、次回のワクチン接種日時が記載されていることがほとんどのため、把握しておきましょう。

    狂犬病予防注射や犬の登録は、飼い主さんの義務です。わからない場合は、保健所や動物病院へ問い合わせてみましょう。

    いよいよ初日!家についたらまず安静に

    いよいよ初日!家についたらまず安静に
    (pattarawat/shutterstock)

    落ち着く環境を提供する

    子犬の性格にもよりますが、環境変化で興奮したりおびえたりすることがあります。数日はケージから出さず、安静に過ごしてもらうのが一般的です。

    迎え入れた子犬が落ち着かない場合は、ケージを自宅内の静かな場所へ移動したり、布をかぶせたりして、落ち着く環境を提供してあげましょう。

    環境に慣れることを優先する

    初日からスキンシップを図ろうとせず、環境に慣らしてあげることを最優先しましょう。

    まずはご飯を与えたり、ケージ内を掃除したりするといった最低限のお世話に留めます。しつけも初日から行う必要はありません。

    先住犬との引き合わせはゆっくり

    先住犬にとっては、新しい犬が自分のテリトリーに入ってくるわけですから、いきなり家の中に放たれると困惑してしまいます。犬同士の仲を良好に保てなくなることもあるため、先住犬とは時間をかけてゆっくり引き合わせましょう。

    また、新しい犬が迎え入れた先から、寄生虫などの感染症をもってくることもあります。先住犬とは、まずは別の部屋で過ごしてもらい、お互いの声や匂いを少しずつ認識してもらいましょう。

    新しい犬の体調に変化がないのを確認してから、ゆっくりと距離を縮めてください。

    犬を迎え入れたらすること

    犬を迎え入れたらすること
    (Switlana Sonyashna/shutterstock)

    元気、食欲、排便を要チェックする

    元気・食欲は最も重要なバロメーターです。子犬は常に食欲旺盛で、元気いっぱいです。そのため、食欲や元気があまりないという状況は通常はありません。

    食事チェックのポイント

    成犬と異なり、子犬は食事を食べないと低血糖になりやすく、発作を起こし命にかかわることがあります。食事を食べない場合は、様子を見ずにすぐに動物病院を受診しましょう。

    排便チェックのポイント

    排便の回数や便の形状をチェックします。成犬に比べ、子犬の排便回数は多く、便も柔らかめであることが多いです。

    健康な子犬の便が泥状や水状になるようなことはありませんが、環境の変化でお腹を壊したり、寄生虫によって下痢をしたりすることも考えられます。

    子犬は鳴き叫ぶのが当たり前

    人の赤ちゃんと同じように、子犬は鳴くのが仕事。最初は昼夜関係なく、鳴き続けるのが普通です。

    子犬の性格にもよりますが、成長するにしたがって鳴いてもいい場面を判断できるようになります。しかし、鳴くことで構ってもらえると学習すると、成長しても真夜中に鳴き続けることがあります。節度をもって対応しましょう。

    近所迷惑にならないように、そしてご家族が寝られるような環境を整えることが大切です。

    体調が悪くなければ、動物病院へ行くのは少したってから

    体調が悪い場合は、すぐに病院へ連れていく必要があります。特に問題なく元気な場合は、迎え入れて1週間経ってから動物病院へ連れていくことを検討しましょう。

    見た目が健康でも、寄生虫や先天性の病気が隠れていることがあります。異変がない場合でも、動物病院受診の際、便をもっていくと便検査も同時に行えるためなおよいでしょう。

    万が一に備え、早めにかかりつけの病院を探し、健康診断を受けておくことをおすすめします。

    まとめ

    まとめ
    (lunamarina/shutterstock)

    新しい家族として犬を自宅に迎え入れると、予想だにしないアクシデントが起こることがあります。初日を迎える上で、必要な準備と、チェックを行い、愛犬との生活を気持ちよくスタートしましょう。

    著者・監修者

    成田有輝

    獣医師

    成田有輝

    プロフィール詳細

    所属 yourmother合同会社 代表
    (獣医によるオーダーメイドの手作り総合栄養食や療法食レシピをお届けする「DC one dish」の運営)
    (ウサギの総合情報サイト「ウサギのハート」の運営)

    獣医腎泌尿器学会
    日本獣医エキゾチック動物学会

    略歴 1988年 埼玉県に生まれる
    2007年 麻布大学獣医学部獣医学科に入学
    2011年~ ウサギの総合情報サイト「ウサギのハート」公開
    2013年 獣医師国家資格取得
    2013年~2019年 東京都内動物病院に勤務
    2018年~ DC one dish 設立
    2019年 フードメーカー勤務
    2020年~ yourmother合同会社 設立

    資格 獣医師免許

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