「散歩から帰ると愛犬の顔に何かがついている」「体をなでるとゴロゴロしたものが触れる」よく見ると、愛犬の血を吸ったマダニだった。こんな恐怖体験はしたくないですよね。マダニは、愛犬の命を危険に晒すような病気や、人の命にも関わる病気の原因にもなり得る恐ろしい寄生虫です。予防法から対処法まで、マダニについて学びましょう。
もくじ
マダニは動物にとって危険な寄生虫です。犬に対してはバベシア症という病気をもたらす一方で、人もSFTS(重症熱性血小板減少症候群)、ツツガムシ病、ダニ媒介性脳炎、ライム病、日本紅斑熱などの病気にかかる危険性があります。
また、マダニが犬に大量に寄生してしまった場合、吸血による貧血や、吸血部位の炎症も起こります。
マダニは森林や草原、草むらなどに潜んでいて、動くものが近づくとぴょんと体表にくっついてきます。産卵すると数千匹にも一気に膨れ上がります。
そのため、愛犬だけでなく、飼い主さん自身を守るためにも、マダニの予防は必ず行いましょう。
現在では静岡より西の地方に集中していますが、ウイルスを保有するマダニはもっと広く分布していると考えられています。
マダニは、草むらや茂みに隠れて寄生する動物を待ち構えています。河原や草原、森や自然豊かな場所は、マダニを持って帰ってしまう可能性があります。また、マダニに寄生されている動物とのふれあいで移ってくる可能性もあります。
マダニの危険があるような場所に近づく際は、犬も人も後ほどご紹介する予防策をしっかり行いましょう。
獣医師はさまざまな理由でダニの予防をおすすめしますが、その理由のひとつにSFTS(重症熱性血小板減少症候群)という恐ろしい病気の存在があります。
SFTSは、ウイルスによってかかる病気です。犬や猫だけでなく人にも感染するため、飼い主さんや獣医師のような動物医療に携わる人も気をつけなければならない恐ろしい病気といえます。
発熱や、それにともなう血小板減少がみられます。特効薬などの治療方法が存在しておらず、致死率が人で20%、猫で60%、犬で30%ほどといわれています。
SFTSウイルスをもっているマダニに噛まれたり、感染している動物の体液に触れたりすると、人や猫、犬も感染し重い症状を引き起こします。
実際、獣医師や看護師が、このウイルスに寄生された動物の診療や、発症した動物の診療によってSFTSに感染し、生死をさまようほどの状態になってしまった事例もありました。
SFTSは国内での人や猫での死亡例(猫は安楽死も含む)も出ている非常に恐ろしい病気です。
犬のマダニ予防は愛犬も飼い主さんの命も守ることにつながります。万が一に備えて、早い段階で必ずマダニの予防をしておきましょう。
人のマダニ予防には長袖長ズボン、手袋や帽子などを利用して皮膚を外に出さない格好が有効といわれています。
マダニに対する対策、予防をしっかりと行い、愛犬と飼い主さん自身を守りましょう。
動物病院でマダニ予防薬を処方してもらえます。液体を体表に垂らす滴下タイプや錠剤、チュアブルのような内服タイプなどがあります。
マダニの発生する時期はお住まいの地域によって多少の差はありますが、マダニは一年中寄生する機会を伺っているため、通年予防が確実だと考えられています。
予防スケジュールは、マダニがいる環境にどれだけ近づくのかなど、ご家庭や愛犬の生活サイクルに合わせる必要があるため、かかりつけの動物病院で相談しましょう。
子犬が外の散歩を許される2ヶ月(8週齢以上)を過ぎた頃には予防可能時期になっている薬もあります。かかりつけの動物病院で確認してみましょう。
マダニが愛犬に噛みついている場合、無理に引き剥がすとかじりついた頭だけが皮膚の内部に残ってしまい、皮膚病の原因になる可能性があります。
専用の道具もしくは、予防薬を利用して駆除する必要があります。
散歩から帰ってきたら「鼻にできものがある」「目の側にできものがある」といったことで気づくケースが多いです。
早めに気づいて対処できればよいのですが、最初の寄生に気づかず大量繁殖すると、
ということが起こります。さらに、犬から落ちたマダニがカーペットなどの布類や家のあちこちに移動し、潜んで、さらに繁殖していくことになります。
愛犬にマダニを見つけたときに絶対にやめてほしいのが、マダニを潰すことです。マダニを潰すと病原体と触れる可能性があり、大量の卵が噴出することがあります。
卵が室内に落ちれば大量の子マダニを生み出してしまいますので、絶対に潰さないようにしましょう。
マダニに寄生されたら早く対処しないと、すぐに成長し、卵を産んで大量に増えます。
また、寄生時間が長いほどマダニが媒介する病気にかかるリスクも上がるために、見つけたらすぐに動物病院へ行きましょう。予防をしてマダニがつかないように管理することが適切です。
人の命を守るためにも、愛犬の健康のためにも、愛犬のマダニ予防をおすすめします。動物病院で処方されるきちんとした予防薬を利用してください。
噛みついているマダニは無理に引き剥がさず、動物病院で専用の道具を使って取りましょう。絶対にマダニを潰さないようにしてください。
マダニの危険性を回避するために、最も大切なことは予防です。
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