一人暮らしは楽しいけれど、「本当は犬と暮らしたい」と思っている人は多いでしょう。しかし、食事や散歩など日々のお世話や留守番させることへの不安から、犬との生活を諦めている人は少なくありません。それでも、最後まで自分で面倒を見ると言う強い覚悟を持って、しっかり準備すれば犬とのステキな生活を手に入れられるかもしれません。今回は、一人暮らしで犬を飼うために必要な条件やおすすめの犬種などを紹介します。
もくじ
賃貸物件に暮らしている場合は、自分の住まいがペット可物件かどうかや、飼育可能な犬種や大きさを確認しましょう。
実際に飼い始めてから飼育禁止がわかったとしても、「知らなかった」では済みません。強制退去や違約金が発生することもあるため注意してください。
ペット不可の物件の場合は、大家さんや管理会社に交渉したり、ペット可物件への引っ越しを検討したりすることをおすすめします。
犬との暮らしは、毎日のお散歩や被毛のお手入れ、食事の世話など想像以上に手間がかかります。犬種によってはトリミングに連れて行かなくてはならず、病気になれば通院や看病も必要です。
また、飼い主さんが仕事に行っている間、愛犬はただ飼い主さんの帰りを待っています。その愛情に応えるためには、帰ってからのスキンシップや遊びの時間が十分に必要になるでしょう。
突然の飲み会への参加や長期の旅行などが難しくなったり、転勤・転居のたびにペット可物件を探さなくてはならなくなったりします。一人暮らしの気ままさを捨て、愛犬中心の生活ができるかどうかよく考えてみましょう。
毎日の食費や日用品代、トリミング代、いざというときの医療費など、犬の飼育には金銭的な負担が発生します。
ペットには公的な保険がないため、民間のペット保険に加入していない場合、医療費は全額飼い主さんの負担になります。手術や入院になると数十万円となる場合も。
いざというときへの備えとして、貯金やペット保険の加入が必須となるでしょう。
さらに、ペットがお留守番している間、快適な空間を維持するためにはエアコンでの温度管理が大切です。わずかな変化かもしれませんが、光熱費がアップすることも想定しておきましょう。
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一人暮らしで犬を飼うなら、飼い主さんの事故や病気に備えておくことも大切です。なんの備えもないまま飼い主さんに何かがあり、長期間ペットが一人で待つことになると、ペットの事故につながる可能性もあります。
悲しい事故が起こらないよう、家族や兄弟、友人などにいざというときのお願いをしておきましょう。近くに頼れる人がいない場合は、ペットホテルやかかりつけの動物病院に預かりサービスがあるかなどを確認し、緊急時の対応を相談しておくと安心です。
愛犬が社会の中で心地よく暮らせるようにしつけは重要です。犬は賢い生き物ですが、それでもしつけには時間がかかるもの。しっかりと時間をさいてしつけを行い、飼い主としての責任を果たしてください。
特に集合住宅で暮らす場合には、近隣住民に迷惑をかけないようにトイレや無駄吠えのしつけが必要です。また、万が一の際、人に預けることも想定して社会化トレーニングは積極的に行いましょう。
一人暮らしの場合は、飼い主さん以外の人と過ごさなければならないときも出てくるため、人やほかの生き物ともストレスなく過ごせるようにしておけば安心です。
本来は集団で暮らす犬にとって、飼い主さんがいない時間は不安なものです。子犬の頃から少しずつ、時間をかけて留守番に慣れさせるようにしましょう。
クレートやケージは普段から使用し、「留守番の時だけ入る場所」にならないようにすることも大切です。
また、不在時に無駄吠えをしていると、ご近所トラブルの原因になってしまいます。留守番の練習は無駄吠えの練習と同時に行うと効果的です。
犬は留守番中のほとんどの時間を寝て過ごします。余計な刺激があると落ち着かず無駄吠えの原因にもなるため、クレートやケージは外が見えない位置に配置し、愛犬が落ち着ける環境を整えましょう。
お気に入りのおもちゃや毛布をクレートの中に入れておくと、さらに安心して過ごせます。ただし、犬の誤飲による事故は多いため、おもちゃのサイズや素材、壊れているところはないかなど、安全性には配慮しましょう。
また、寒すぎたり暑すぎたりして体調を崩さないよう、エアコンで適温を保つことも大切です。特に夏場は、熱中症にならないよう注意しましょう。
静かな空間が落ち着かないようであれば、小さな音量でテレビやラジオなどをつけておくと安心する場合もあります。
十分な水分は健康維持に欠かせません。出かける前には必ず新鮮な水を用意し、いつでも飲めるようにしておきましょう。クレートやケージの中でお皿をひっくり返してしまう可能性があれば、ウォーターディスペンサーを利用するのもおすすめです。
食いしん坊な愛犬の場合は、タイマー付きの給餌機やおやつを入れる食べ物を中に詰めるタイプのおもちゃ(コングなど)を活用すれば、お腹をすかせることなく過ごせるでしょう。
犬は飼い主さんの行動や感情にとても敏感です。「留守番をさせるのが可哀想」だからと出かける前に構いすぎたりすると、「分離不安症」になってしまうことも。
一人暮らしで犬を飼うのなら、留守番は避けられないこと。飼い主さんは「留守番は当たり前のこと」として振る舞うことが大切です。ただし、帰宅後に落ち着いてからは十分な時間をとって犬と過ごし、愛情を伝えるようにしましょう。
群れで暮らす犬は、本来は寂しがりやの生き物。一人暮らしで飼うことには向いていません。しかし、そのルーツから「一人暮らしでも飼いやすい」とされている犬種もいます。
性格など個体差があるため一概にはいえませんが、犬種の特徴に注目して選ぶのもよい方法です。
性格が穏やかで温和なシー・ズーは、一人暮らしでも飼いやすいといわれています。甘い見た目に反して独立心もあり、一人遊びも上手。子犬の頃からしっかりしつければ、留守番も上手にしてくれることが多いでしょう。
ただし、豊かで美しい被毛を保つためにはトリミングの必要があり、お手入れにかかる時間は多めです。特に夏場は皮膚病になりやすいため、温度調整に注意が必要です。
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体臭や抜け毛が少なく社交的な子が多いトイ・プードルは、多くの人に愛される犬種。とても賢く、飼い主さんの要求に応えるのも上手なので、正しいしつけを行えば素晴らしい家族になってくれるでしょう。
小さな体ではあるものの、好奇心が旺盛で運動も大好きなので、休日のお散歩やドックランが楽しみになるかもしれません。ただし、トイ・プードルは退屈が苦手。時間を割いて一緒に遊び、心を満たしてあげることが大切です。
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忠誠心が高く、忍耐力もあるミニチュア・シュナウザーなら、環境への適応力が高く留守番に慣れるのも早いでしょう。落ち着いた風貌も愛らしく、飼い主さんの寂しさや悩みにもそっと寄り添ってくれるはず。小さな体ながら運動量も豊富なので、キャンプなどアウトドアも一緒に楽しめるでしょう。
ただし、運動不足や刺激不足が続くと問題行動を起こすことも。どちらかというと行動的な飼い主さんにこそふさわしい犬種かもしれません。
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人懐っこく明るいマルチーズは、運動量が少なくても大丈夫だといわれています。帰宅時間が遅い人や体力に自信がない人、初めてでも飼いやすいでしょう。
ただし、甘やかしすぎると神経質な面が強く出てしまい、知らない人や犬に攻撃的になることも。子犬の頃から、社会化トレーニングには特にしっかりと取り組みましょう。
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一人暮らしでも、しっかりとした心構えと準備があれば犬との暮らしは可能です。ただし、しっかりとした準備をしておかないと「こんなはずではなかった」と思うことが多いかもしれません。
犬と暮らせば一人暮らしの「気楽さ」はなくなります。可愛いからと安易に考えるのではなく、自分の人生で優先したいものが何かをじっくりと見つめて考えることが大切です。
その上で飼育環境や金銭的な余裕、いざという時に頼れる場所などをしっかりと整え、一生涯を共にする覚悟を持てたら犬との暮らしがスタートできます。一人と一匹の素晴らしい暮らしを、どうぞ心から楽しんでください。