犬を飼うために、飼い主さんが準備すべきことを紹介します。飼い主さんとしての心の準備から、犬をお迎えする際の準備、万が一の病気への備えまで、段階ごとにポイントをまとめました。一つひとつの準備を着実に行うことで、はじめて犬を飼う人もスムーズに新生活をスタートできるはず。ぜひ参考にしてみてください。
もくじ
犬を飼う最初の一歩は、どんなことから始めるとよいのでしょうか。
犬をお迎えしたら、犬の生涯に寄り添う覚悟を持たなくてはなりません。犬の平均寿命は14歳で、中には20歳以上まで生きる子も。飼い主さん自身のライフスタイルも変化していくでしょう。
どんな事情があっても、犬を飼い続けられるのかをじっくり考えることが大切です。
残念ながら、「世話や散歩をする時間がない」「引っ越しをするため飼い続けられなくなった」といった飼い主さんの都合で捨てられてしまう犬は後を絶ちません。
不幸な犬を増やさないために、飼い主さんは命を預かる責任を自覚しましょう。
以下は日本動物愛護協会が作成した「飼い主に必要な10の条件」です。各項目をチェックして、飼い主さんとしての心構えを整えましょう。
犬の飼育にかかる費用は犬種や体格によって異なり、食事量などが多くなる大型犬ほど費用は高くなります。
【1カ月あたりの飼育費用目安※】
小型犬:1万~2万円
中型犬:1万5,000~3万円
大型犬:2万~4万円
特大犬:3万~5万円
家計と照らしあわせ、経済的に無理はないか確認しましょう。
※食費(主食、おやつ)、トイレシーツ、シャンプー・トリミング、1歳以降の医療費(ワクチン、ノミ・ダニ・フィラリア予防(8カ月)、ペット保険の費用の概算値。当社調べ
犬を選ぶ時間は大きな楽しみのひとつ。見た目のかわいさだけでなく、次のポイントをおさえて自分にあった犬をじっくり検討しましょう。
犬は室内飼育が基本です。大型犬を飼うなら広さに余裕のある戸建、マンションやアパートなどの集合住宅で飼うなら小型犬など、自宅の広さにあった大きさの犬を選びましょう。
犬の活動量に見合ったスペースを確保できるかも重要です。活発な犬種は、自由に動き回れる環境が確保できないと、ストレスをためてしまう可能性があります。
自分や家族の生活リズムをふまえて犬種を選ぶことも大切です。
たとえば、「仕事などでプライベートな時間がとりにくい」「家を留守にする時間が長い」なら独立心が強いタイプの犬種、運動量が少なく短時間の散歩で満足してくれる小型犬がおすすめです。
甘えん坊の犬種や活動量の多い犬、頻繁に被毛のケアが必要な長毛犬などは向いていないでしょう。
お迎えしたい犬種がイメージできたら、実際に会いに行ってみましょう。犬と出会う方法として、次の3つが挙げられます。
ペットショップでは、その場でさまざまな犬を見て、実際に触れながら犬を選ぶことができます。
お世話に必要なアイテムもまとめて揃えられるため、犬を迎える準備をスムーズに進められます。衛生的で飼育の相談がしやすいペットショップを選ぶと安心です。
欲しい犬種が決まっているならブリーダーに相談するとよいでしょう。
特定の犬種を繁殖するプロフェッショナルで専門知識が豊富なので、犬種の特徴や飼い方のコツだけでなく、個別の子犬に関する具体的な情報も教えてくれることがあります。
ブリーダーの元へ足を運び、自分の目で犬の健康状態を確認した上で家族に迎え入れましょう。
里親制度は、身寄りのない犬を引き取り里親になる方法です。地域の動物愛護センターや保護団体などに相談することで、里親を探している犬を紹介してもらえます。
里親になることは、行き場がなく殺処分される犬を減らすことにつながります。譲渡対象となる保護犬は成犬の場合が多いので、子犬から育てることにこだわらない場合は一度検討してみるとよいでしょう。
犬をお迎えするために、必要な準備を挙げてみましょう。
犬を迎え入れる前に、最低限準備したいアイテムを6つ紹介します。
ドッグフードは、いち早く準備したいアイテムです。犬に必要な栄養素をバランスよく摂取できるように作られた「総合栄養食」を選びます。
さまざまな種類があり、好んで食べてくれるかは与えてみないとわかりません。できれば、お迎えする以前に食べていたフードと同じものを用意しましょう。
新しいフードを選ぶ場合は体調の変化に気を付け、子犬用、成犬用、シニア犬用など、犬の年齢に合ったものを選びましょう。
ドッグフード用と飲み水用の2種類を用意します。手入れがしやすく安定感のあるもの、少し重みのある陶器やスタンドとボウルが一体になったタイプの食器がよいでしょう。
飲み水はケージなどに取り付けられる給水器でもあげられますが、うまく飲めるようになるまでコツが必要です。最初はボウルを用意し、徐々に給水器にも慣れさせるとよいでしょう。
トイレトレーにトイレシーツを敷き詰めトイレを作ります。犬の体がギリギリ入るジャストサイズを選ぶと、おしっこが周囲に飛び散る恐れがあるため、余裕のあるサイズを選びましょう。
トレーを使わずシーツのみで対応することも可能です。その際は、犬がシーツを噛みちぎったり、口に入れたりしないよう十分注意してください。また、トイレを使用した後はトイレシーツを交換して清潔に保ちましょう。
トイレは、屋外でも室内でも排泄ができるようにしておくと、いざというときに困らないでしょう。
ケージやサークルは犬と人の生活空間を仕切る柵や囲いのことです。犬の活動範囲を限定することで飼い主さんは犬を管理しやすくなり、犬も落ち着ける空間を得られます。
ケージは天井のついた箱型タイプが多く犬の隔離性に優れています。お手入れやお世話をしやすいものを選ぶとよいでしょう。
天井のない柵型のサークルは設置が簡単ですが、天井がない分犬が飛び出すリスクがあります。犬の特徴や飼い主さんの使い勝手に合った商品を選びましょう。
クレートは犬を持ち運ぶためのキャリーケースです。動物病院への通院や飼い主さんとのお出かけに欠かせません。移動用だけでなく、お部屋の隠れ場所やベッドとしても活用可能です。
万が一災害が起きたときも、クレートを使えば速やかに避難できます。
クレートはハードタイプやソフトタイプ、キャスター付きなど、さまざまな種類があります。犬の大きさや運びやすさを考慮して使いやすいものを選びましょう。
犬と飼い主さんのコミュニケーションツールとして、またしつけの一環として、おもちゃも用意しておくとよいでしょう。
実際に遊ぶまでどんなおもちゃに興味をもつかはわからないため、タイプの違うものを複数用意してみてください。
壊れたおもちゃの破片や部品は誤飲しやすいため、噛んでくわえても簡単に壊れない材質・設計で、できるだけ丈夫なおもちゃを準備すると安心です。
このほか首輪やリード、グルーミンググッズなども、できるだけ早い段階から準備しておきましょう。ペット用品を一通り揃えるのに費用は4〜5万円ほどかかります。
犬が落ち着ける場所にケージやサークルを設置し、犬のためのスペースを用意します。エアコンの直風や直射日光を避け、飼い主さんの目が届きやすいリビングの一角などがよいでしょう。
トイレは寝床から離れた場所に作ってください。フローリングの床は、足腰への負担を軽減するためカーペットやマットを敷くと安心です。
犬が誤飲すると危険な薬や電池、洗剤などは犬の目線に置かないようにしましょう。
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犬の鳴き声などが原因で、しばしば近隣住民とトラブルになることもあります。周囲の理解と信頼を得るために、まずは挨拶を済ませておきましょう。
犬を飼うことを報告し、犬に対して気になることや不安なことがないか一声かけておくと親切です。
家族で犬を飼う場合は、散歩や食事の準備などをいつ誰がやるのか決めておきましょう。
役割や仕事が曖昧になると、「誰かがやってくれるだろう」と他人まかせになりがち。家族全員が他力本願になると犬のお世話がうまく回らず、長く飼い続けることも困難になる可能性があります。
また、指示にバリエーションがあると犬は混乱してしまうため、犬の呼び方や指示の方法は家族間で統一しておきます。
愛犬ができるだけ早く家族に溶け込めるよう、家族一丸となって準備を進めましょう。
犬と暮らし始めたら、犬の健康づくりに取り組みましょう。
犬の健康について気軽に相談できるかかりつけの動物病院を見つけておきましょう。
犬は自分の体調を言葉で訴えることができません。飼い主さんは「いつもと様子が違う」と感じても、どのように対応すべきか迷うこともあるでしょう。
相談しやすい動物病院が身近にあれば、いざというときも安心。休診を心配せずに受診できるよう、かかりつけ動物病院は2つ以上あるとよいでしょう。
愛犬を感染症から守るための予防接種には、狂犬病の予防接種と複数の感染症を防ぐ混合ワクチンがあります。
狂犬病は治療法がなく、発症すると命を落とす重大な病気で、人に感染することもあります。年1回の狂犬病予防接種は義務となるため、飼い主さんは早めにスケジュールに入れておきましょう。
動物病院のほか、市区町村が実施する集団接種で受けることができます。
混合ワクチンは任意接種となりますが、致死率の高い犬ジステンパーや人にも感染するレプトスピラ症などを予防できるため接種することをおすすめします。
ワクチンの組み合わせ方で予防できる感染症や接種費用は変わります。まずは動物病院でどのワクチンを接種するべきか相談してみましょう。
避妊・去勢手術は、メスの子宮と卵巣、またはオスの精巣を摘出する手術です。手術を行うことで、望まない妊娠や生殖器に関係する病気を防げます。
オスのマウンティングやマーキングなど、生殖本能による問題行動を抑える効果も期待できます。
手術は生後6ヶ月以降に行う傾向にあります。成犬になってからの手術は、病気や問題行動の予防効果が下がる場合もあるので、手術はできるだけ早期に検討するとよいでしょう。
飼い主さんは犬の様子を観察するクセをつけましょう。活動の様子はもちろん、食事の量、おしっこや便の状態なども重要な健康のバロメーターになります。
さらに、かかりつけの病院で定期的に健康診断を受けておきましょう。特に年齢を重ねた犬の場合は、健康診断で隠れた病気を早期発見することが大切です。
ペットには公的な健康保険はないため、動物病院での治療費は全額自己負担です。また、自由診療となるため動物病院によって治療費は異なります。
入院や手術などを伴う病気の治療には、10~50万円以上の費用がかかることもあります。
ペット保険では、健康診断などの予防医療や避妊去勢などの「治療に該当しない費用」は補償の対象外となることが一般的。
ですが、保険に加入していれば、病気やケガの治療費の自己負担額を減らすことができます。突然の治療費に対応できるよう、日頃から貯蓄と保険の両方で備えておくとよいでしょう。
また、持病があると加入が難しくなるため、若く健康なうちからペット保険に加入することをおすすめします。
高額治療費の支払いに強いペット保険を選ぶならペット&ファミリー損保の『げんきナンバーわんスリム』がおすすめです。
『げんきナンバーわんスリム』の特徴は以下のとおりです。
1日に複数の検査を行うような通院、手術や入院の内容によっては、治療費が高額になるケースも少なくありません。
『げんきナンバーわんスリム』には、1日あたりの限度額がないため、通院でも最大で70万円の保険金を受け取ることができます。
年間の利用回数にも上限がないので、慢性疾患で20回を超える通院が発生しても年間の限度額内であれば何度でも保険金の請求が可能です。
ペット保険は人の保険と同様、年齢が高くなるほど保険料が高くなるのが一般的です。『げんきナンバーわんスリム』はペットの長寿化を見据えて10歳以上の保険料は一律です。
通院、入院、手術はもちろん、時間外診療費にも対応。突然の休日や夜間の診療でも安心です。
さらに、ペット保険で補償対象外となりがちな、歯科疾患※4、膝蓋骨脱臼(パテラ)、椎間板ヘルニア、先天性・遺伝性疾患、猫エイズ(猫免疫不全ウィルス(FIV)も補償対象。
先天性や遺伝性の病気が心配な、0~3歳の若齢の犬猫も安心して加入いただけます。
※1 補償期間中に受けた病気・ケガの治療に対し、保険金の年間限度額はプラン70の場合は70万円まで、プラン50の場合は50万円まで。また、1日あたり5,000円の免責金額(自己負担額)があります。
※2 保険金のお支払い対象とならない治療費がありますので、詳しくは、「補償内容ページ」「お支払い事例ページ」「重要事項説明書」等をご覧ください。
※3 今後の商品改定等により、保険料が変更となる場合があります。
※4 乳歯遺残(不正咬合を含みます)、歯列矯正などケガ・病気にあたらないもの、治療に該当しないものは保険金のお支払い対象外となります。
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犬を飼うためにはさまざまな準備が必要です。逆に言えば、軽い気持ちで犬を飼うことはできません。はじめて犬を飼うなら、飼い主さんとしての心構えを身につけることから始め、計画的に準備を進めましょう。