賢く穏やかな性格のゴールデン・レトリーバー。体が大きく丈夫なイメージがある一方、大型犬であることから、病気やケガの治療費は高額になる傾向があります。 ペットと暮らす毎日をより安心して過ごすためには、ペット保険で万が一の治療費に備えておくことが大切です。そこで、今回はペット保険の選び方やゴールデン・レトリーバーがかかりやすい病気・ケガ、治療事例などを詳しく紹介します。
もくじ
ゴールデン・レトリーバーなど、大型犬にかかる医療費は小型犬より3~4割ほど高くなる傾向があります。
<1回あたりの平均通院費>
小型犬 | 1万3,180円 |
中型犬 | 1万4,856円 |
大型犬 | 1万6,826円 |
猫 | 1万2,402円 |
フィラリアなどの予防薬や予防に関わる費用も体が大きい分、小型犬よりも2~3割高くなることが多いです。
ペット保険への加入は義務ではないものの、ペットの治療費はすべて自己負担。万が一大病を患い手術などの治療が必要になった際、場合によっては数十万の治療費が必要になることもあります。実際に、1回あたりの平均的な手術費は小型・中型犬で約20万円、大型・特大犬で約28万円(※)でした。
治療費を用意できなければ十分な治療を受けさせてあげられない可能性もあるため、そのような事態を避けるためにも、ペット保険で備えておくことが大切です。
また、犬は体が大きいほど成長が早く、老化や寿命を迎える時期も早いといわれています。そのため、ゴールデン・レトリーバーを家族に迎える場合には、ペット保険の加入を早めに検討することをおすすめします。
※当社調べ。2023年4月から2024年3月の保険金請求データより算出
愛犬の万が一の備えにはペット保険への加入がおすすめですが、補償内容は加入するペット保険によって異なります。ペット保険を選ぶ際には、まずゴールデン・レトリーバーの特徴を理解した上で比較・検討することが大切です。ここでは、ゴールデン・レトリーバーの歴史や体型、性格を解説します。
その起源には不明な部分が多いといわれるゴールデン・レトリーバー。しかし、一般的には19世紀のスコットランドで、狩猟犬を作るためにさまざまな犬種が交配された結果生まれたとされています。被毛が黄色いことから「イエロー・レトリーバー」と呼ばれていましたが、1920年にゴールデン・レトリーバーと正式に命名されました。
ゴールデン・レトリーバーは、かつて鳥の捕獲を目的として飼育されていたものの、時代が進むにつれ、ペットとして人気が集まるようになります。そして、現在では日本を含めたくさんの国で飼育され、警察犬や災害救助犬としても活躍しています。
ゴールデン・レトリーバーの体型は以下の通りです。
オス | メス | |
体高 | 56〜61cm | 51〜56cm |
体重 | 29〜34kg | 25〜29kg |
ペット保険では、基本的に犬種ではなく体重で保険料が決まります。当社の場合、19.8kg超〜39.6kg以下は大型犬、39.6kg超は超大型犬に分類されます。
したがって、ゴールデン・レトリーバーは大型犬に分類されることが多いでしょう。
ゴールデン・レトリーバーは飼い主さんに忠実で素直な犬種のため、初めて犬を飼う人でも比較的安心して一緒に暮らせるでしょう。
穏やかな性格であることから、人にもほかの動物にも友好的に接することができます。人に懐きやすいため番犬には向かないものの、頭の良さや運動能力の高さから、盲導犬や介助犬、警察犬などのサービスドッグとしても多く活躍しています。
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ゴールデン・レトリーバーと健やかな毎日を過ごすために、ゴールデン・レトリーバーを飼うときのポイントも理解しておきましょう。ここからは、ゴールデン・レトリーバーの運動やしつけ、ケアについて紹介します。
ゴールデン・レトリーバーは人と遊んだり運動することを好み、運動不足は欲求不満や肥満の原因にもなるため、十分な運動量の確保が求められます。1日2回、1〜2時間程度の散歩を心がけましょう。泳いだりドッグランで思いっきり走らせることもおすすめです。
特に肥満は病気の引き金になりかねないため注意が必要です。運動だけではなく、総合栄養食の基準を満たした良質なタンパク質を含むバランスのとれた食事で大きく筋肉質な体を維持しましょう。
ゴールデン・レトリーバーは穏やかで社交的な犬種であるため、飼い主さんとの信頼関係さえ築ければしつけで困ることは比較的少ないでしょう。一方、体が大きいことから、きちんとしつけしなければ事故につながる恐れがあります。
また、子犬の頃に社会性が身につけられなかった場合、臆病かつ攻撃的な犬になる可能性もあります。ワクチン接種の状況と合わせて獣医師に相談しながら、生後8週間頃から積極的に散歩に出かけるなどし、ほかの犬との触れ合いやさまざまな経験をさせ、社会との関わりを持たせましょう。
ゴールデン・レトリーバーはダブルコートと呼ばれる二層構造の被毛で、年2回の換毛期にはたくさんの毛が抜けます。ブラシやコームを使って毎日ブラッシングしましょう。
月1~2回程度はシャンプーも行いましょう。シャンプー後は、ドライヤーを使って毛をしっかりと乾かします。湿気が残っていると蒸れによって皮膚病を引き起こす可能性があるためです。
ゴールデン・レトリーバーの特徴のひとつである垂れた耳も湿気がこもりやすい部分です。こまめな掃除を心がけましょう。
ゴールデン・レトリーバーを飼う際は、あらかじめかかりやすい病気やケガを把握し、リスクに備えておくことが大切です。ここでは「成犬の頃」と「子犬の頃」、それぞれの時期に注意したい病気・ケガを6つ紹介します。
ゴールデン・レトリーバーは大型犬に分類され、1年6ヵ月程度で成犬となります。成犬の頃は、特に以下の病気に注意しましょう。
以下では、それぞれの概要や症状を解説します。
リンパ腫とは、「血液のガン」の一種で、血液の中のリンパ球が増殖する悪性腫瘍のことを指します。発症の可能性はすべての犬種で考えられますが、ゴールデン・レトリーバーは比較的発症リスクが高いといわれています。幅広い年齢で発症し、特に多いのは5〜10歳頃です。
リンパ腫は基本的に進行が早く、無治療の場合は1ヵ月程度で死につながることもあります。
このような症状がみられた場合は早急に動物病院を受診しましょう。
大型犬に多い病気で胃が膨張し、胃がねじれる胃拡張・胃捻転(いねんてん)も命に関わりかねない病気です。胃だけではなく胃の周りの臓器が圧迫されたりねじれたりすることで血液の循環を妨げられるため、早急に処置をしなければ短時間で死につながる恐れがあります。
胃拡張・胃捻転の明確な原因はわかっていませんが、食事を早く食べ過ぎたり、食後すぐの運動などが原因の一つであると考えられています。
このような症状がみられる場合はすぐに動物病院を受診しましょう。
甲状腺機能低下症とは、甲状腺ホルモンの分泌が少なくなることで起きる病気です。甲状腺機能低下症では、次のような症状がみられることがあります。
人の場合、甲状腺の病気は女性がかかりやすいとされていますが、犬の場合は性差がありません。甲状腺機能低下症の詳しい原因や予防法は明らかになっていないため、定期的に健康診断を受け、早期発見・早期治療することが大切です。
生後1年6ヵ月頃までの子犬の頃に注意すべきは以下の病気・ケガです。
以下では、それぞれの概要や症状を解説します。
外耳炎には、耳の内側と通り道が赤く腫れ、症状が急激に悪化する急性外耳炎と、少しずつ耳介(耳のうち外に飛び出している部分)が黒っぽくなり 、耳の通り道が狭くなる慢性外耳炎があります。
ゴールデン・レトリーバーのような垂れ耳の犬は、耳の中で炎症が起こりやすいとされています。外耳炎は命に関わる病気ではありませんが、再発を繰り返す可能性があり、早期発見・早期治療が重要です。
このような症状がみられる場合は外耳炎の可能性があります。動物病院を受診しましょう。
ゴールデン・レトリーバーは比較的皮膚炎になることの多い犬種です。炎症や色素沈着、脱毛などの症状がみられ、ダニや花粉などのアレルゲン(抗原)に対する過剰な免疫反応が原因とされています。
多くの場合、2歳を過ぎた頃に皮膚炎の原因がわかり、アレルギー性皮膚炎やアトピー性皮膚炎といった傷病名がつく傾向にあります。いずれも完治は難しく、場合によっては生涯にわたって病気と付き合う必要もあるため、通院補償のあるペット保険がおすすめです。
ゴールデン・レトリーバーは穏やかな性格ですが、子犬の頃はわんぱくで遊び好きな一面をのぞかせることも多いでしょう。「ゴールデン・レトリーバーはおとなしい性格だから」と考えていると、思いもよらぬケガをするかもしれません。
小さなケガならあまり問題はありませんが、骨折など大きなケガの場合、治療費が高額になる可能性があります。ゴールデン・レトリーバーを飼うことが決まったら、子犬の頃からペット保険の加入を検討しましょう。
ここでは実際にあったゴールデン・レトリーバーの治療事例をいくつか紹介します。
前あしの骨折の治療のため、1日間の通院と2日間の入院・手術を行いました。
通院1日間、入院2日間、手術1回
治療費 | 21万6,304円 |
ペット&ファミリー損保のペット保険、「げんきナンバーわんスリム プラン70」に加入していた場合、自己負担額例は以下の通りです。
お支払い保険金 | 14万0,913円 |
自己負担額 | 7万5,391円 |