さまざまな病気から愛犬を守ってくれる予防接種ですが、どのような種類があるのでしょうか。また、何歳から何歳まで接種を続ければよいのでしょうか。犬の予防接種のスケジュール、時期、注意点などを説明します。
もくじ
犬の予防接種には、大きく分けて「狂犬病ワクチン」と「混合ワクチン」の2つがあります。
狂犬病ワクチンは、年に一度の接種が法律で義務付けられています。
混合ワクチンは義務ではありません。しかし、トリミングサロンやドッグランなどの多くの犬が集まる場所では、接種証明書が求められることもあります。
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狂犬病ワクチンは12週齢から、混合ワクチンは、6~8週齢から接種することが推奨されています。
どちらのワクチンも、生涯にわたり定期的に接種することがすすめられていますが、ワクチン接種後に体調が悪くなったなど健康上の理由で接種を中断することもあります。
予防接種後に愛犬の調子が悪くなった場合は必ず動物病院に相談し、飼い主さんだけで接種を続けるか中断するかを判断しないようにしましょう。
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WSAVA(世界小動物獣医師会)のワクチネーションガイドラインでは、狂犬病ワクチンは12週齢で1回接種し、生後1年で再接種、以降は1年に一回接種することがすすめられています。
子犬の接種スケジュールにはいくつかの考え方があります。ガイドラインでは6~8週齢で最初のワクチン接種を行い、16週齢以降まで2~4週間隔で接種することを推奨しています。
子犬が初年度に何回ワクチンの接種を受けるかは、ワクチネーション開始時の年齢と接種間隔により変わりますので、かかりつけの先生と相談しましょう。
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混合ワクチンは「コアワクチン」と「ノンコアワクチン」により構成されており、コアワクチンは全ての犬に推奨されます。ノンコアワクチンは住んでいる地域やライフスタイルにより接種が考慮されます。
子犬の時期にしっかり免疫を獲得できていれば、成犬になってからは、コアワクチンは3年に1回とする場合もありますが、ノンコアワクチンは1年に1回の接種が推奨されています。
しかし、日本国内ではノンコアワクチンのみを追加接種できる病院は多くありません。そのため、かかりつけの先生と相談し、その子その子に合った接種スケジュールを組んでいく必要があります。
その犬が元気でワクチン接種のリスクが極めて低いと判断されれば、年に1度混合ワクチンを接種している病院もあります。
これらの感染症はコアワクチンの対象となります。
犬ジステンパーウイルス感染症、犬パルボウイルス感染症、犬伝染性肝炎の3つは、特異的な治療法がなく、重篤化して死に至ることもある恐ろしい感染症です。
犬アデノウイルス2型感染症は、単独での病原性は弱いですが、ほかの細菌やウイルスと混合感染を起こして重篤化することがあります。
これらの感染症はノンコアワクチンの対象となります。犬パラインフルエンザウイルス感染症は、犬アデノウイルス2型感染症と同様に、単独での病原性は弱いですが、ほかの細菌やウイルスと混合感染を起こして重篤化することもあります。
レプトスピラは、犬だけでなく人を含めたほぼ全ての哺乳類に感染する可能性のある細菌で、特にネズミなどのげっ歯類は生涯にわたって排菌し感染源となります。感染動物の尿に汚染された水や土壌に接触することでほかの動物に感染していきます。
犬のレプトスピラ症の国内発生状況には地域差があるため、ワクチン接種が必要かどうかはかかりつけの先生と相談しましょう。
狂犬病予防法に基づき、毎年4月1日~6月30日の期間に接種することとされていますが、新型コロナウイルス感染症の拡大を受けて狂犬病予防法施行規則の一部が改正されました。
令和4年度は、新型コロナウイルス感染症の発生または、まん延の影響によるやむを得ない事情により、上記の期間内に狂犬病ワクチンを接種させることができなかった場合でも、12月31日までの間に狂犬病ワクチンを接種させれば、期間内に注射を受けさせたものとみなすこととなりました。
令和5年度以降どうなるかは未定のため、詳しくはお住まいの自治体のホームページをチェックしてみて下さい。
混合ワクチンの接種時期は特に決まっておらず、愛犬の体調などを踏まえて、かかりつけの先生と相談して決めることになります。ただし、狂犬病ワクチンと同時に接種させるのは避けましょう。
また、万が一ワクチン接種後に愛犬の体調に変化を感じた場合、かかりつけの動物病院を受診できるように、ワクチン接種は午前中に済ませることをおすすめします。
ワクチン接種の期間が空いたときの対応は、どの種類のワクチン接種が、どのくらいの期間空いてしまったのかにもよります。気がついたらかかりつけの先生に相談してみましょう。
さまざまな感染症から愛犬を守るために欠かせない予防接種ですが、受けさせ方はいろいろあります。かかりつけの先生とよく話し合いながら、愛犬1匹1匹に合わせたワクチネーションプログラムを組んでいきましょう。
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