パテラ(膝蓋骨脱臼)は犬を飼う上でもっとも気をつけたい傷病の一つです。小型犬をはじめ、どの犬種でも発症するリスクがある上に、重症化すると手術が必要になり、高い治療費を支払わなければなりません。 ここでは、パテラ(膝蓋骨脱臼)はペット保険の補償対象になるかどうかをはじめ、症状や原因、治療法・治療事例、予防方法、ペット保険選びのポイントなどを解説します。
もくじ
パテラとは、日本語で「膝蓋骨脱臼(しつがいこつだっきゅう)」を意味します。動物のなかでも犬に多く、小型犬によく見られます。治療費が高額になりやすいため、犬を飼っている人は補償対象になっている保険を選ぶのがおすすめです。
パテラ(膝蓋骨脱臼)は多くのペット保険で支払い対象となっています。一方で、対象外としている保険会社もあるため加入の際は確認が必要です。
当社のペット保険『げんきナンバーわんスリム』の場合、パテラ(膝蓋骨脱臼)は補償対象内です。のちほど紹介しますが、数多くのパテラ(膝蓋骨脱臼)に関する支払い実績があります。
ただし、治療の一環でサプリメントなどの健康補助食品や医薬部外品が使用される場合、ほとんどの保険会社で支払対象外となっています。
ペット保険によってさまざまな条件があることにも注意しましょう。特に、以下の点はしっかりと確認するべきです。
パテラ(膝蓋骨脱臼)は高額な手術が必要になることもあります。例えば、両足発症した場合は手術の回数が2回となります。保険によっては、2回目の手術が補償されないというケースもあるので年間の手術可能な回数や条件は確認が必要です。
また、手術1回あたりの上限金額が設定されている場合もあるので、そちらも確認しておくと「高額な治療費が補償されなかった」というトラブルを避けられるでしょう。
愛犬の健康を考えるためには、「ペット保険の対象かどうか」とともに「どんな病気か」を把握しておくのも大切です。そこで、ここからは以下の2点について解説します。
パテラ(膝蓋骨脱臼)とは、後ろあしにある膝(ひざ)のお皿が正常な位置からずれてしまう状態のことです。
軽度な場合、無症状なことも少なくありません。ただし、悪化すると骨や靭帯にも影響がおよび、さまざまな症状を引き起こします。最悪のケースとして、膝の屈伸ができず、歩行が困難になることもあります。
さらに、治療が困難になり、治療費も高額になりかねません。軽度なうちからしっかり治療し、対策を立てるのが大切です。
症状の進行具合を判断する上で参考にしてほしいのがパテラ(膝蓋骨脱臼)のグレードです。パテラ(膝蓋骨脱臼)は主に4つのグレードに分けられます。
グレード | 症状 | 脱臼の状態 |
---|---|---|
グレード1 | ほとんど無症状。 たまにスキップするような動きを見せたり、後ろあしを上げて歩いたりする。 | ほとんど脱臼は見られない。 あったとしても、手で戻すことができる。 |
グレード2 | 足を引きずるなど、歩行に異常が見られる。 | 膝や後ろあしを曲げたときに脱臼を起こす。 指で押すと元に戻すこともできるが、グレード1より難しい。 |
グレード3 | 明らかに骨が変形し、腰をかがめたり、あからさまに足を引きずったりする。 | 普段から脱臼している。 手で戻してもすぐに脱臼してしまう。 |
グレード4 | 骨の変形が重症化し、膝の関節が動きにくくなったり足を曲げた状態でしか歩けなくなったりする。 | 常に脱臼している。 手で押しても戻らない。 |
パテラ(膝蓋骨脱臼)には大きく分けて、以下のような2つの原因があります。
愛犬が小型犬の場合、特に「先天的な原因」は必ず把握しておきましょう。
小型犬は生まれつきパテラ(膝蓋骨脱臼)になりやすいとされています。品種改良のなかでさまざまな犬種と交配を繰り返した結果、先天的に膝関節やその周辺に異常があるといわれているのです。
ただし、「どのような遺伝子がパテラ(膝蓋骨脱臼)になりやすいのか」など詳しいことは分かっていません。原因が先天的なものであることから、確実な対策や治療法も確立されていません。だからこそ、「パテラ(膝蓋骨脱臼)になったとき」の備えが大切なのです。
パテラ(膝蓋骨脱臼)は小型犬に限らず、すべての犬種に発症のリスクがあります。具体的には、次のような原因で発症する可能性があるため注意してください。
先天的な原因と違って、生活環境の改善や見直しによってある程度未然に防ぐことができます。ただし、「100%防げるわけではない」という点は変わりません。特に、歳を重ねると、足腰が弱くなってしまうことから、不意に滑ったり転んだりしてパテラ(膝蓋骨脱臼)を引き起こすケースもあります。
パテラ(膝蓋骨脱臼)は悪化すると手術が必要になる病気ですが、治療方法には主に以下の2種類があります。
それぞれの治療方法と治療事例を紹介します。
症状が軽度な場合は次のような治療が中心になります。
鎮痛剤で痛みを抑えながら体重管理することで対処できる場合もあります。手術をしない状態でも、入院や通院が必要になることが多いでしょう。
以下の事例は、膝蓋骨脱臼で片足ごとに2回入院したケースと膝蓋骨脱臼の疑いで通院検査を行ったケースです。
生後7カ月のときに右膝蓋骨脱臼で8日間の入院、1歳1カ月のときに左膝蓋骨脱臼で8日間入院し、合計で2回の手術と16日間の入院治療を行った。
入院16日間(手術2回)
治療費 | 45万0,286円(入院1回あたり約20万円) |
ペット&ファミリー損保のペット保険、「げんきナンバーわんスリム プラン70」に加入していた場合、自己負担額例は以下の通りです。
お支払い保険金 | 25万9,200円 |
自己負担額 | 19万1,086円 |
膝蓋骨脱臼の疑いでレントゲン検査や歩行検査を1日間の通院で行った。
通院1日
治療費 | 3万4,100円 |
ペット&ファミリー損保のペット保険、「げんきナンバーわんスリム プラン70」に加入していた場合、自己負担額例は以下の通りです。
お支払い保険金 | 2万0,370円 |
自己負担額 | 1万3,730円 |
グレード3やグレード4になると、手術が必要になるケースもあります。場合によっては数十万円という高額な治療費になることも少なくありません。
また、入院や手術の前後に検査通院が必要になる場合もあります。ペット保険によっては通院が保障されていないものもあります。十分な治療ができるよう通院が保障されるタイプのペット保険を選ぶと安心でしょう。
膝蓋骨脱臼の手術のため3日間入院し手術を行った。
入院3日間、手術1回
治療費 | 92万2,658円 |
ペット&ファミリー損保のペット保険、「げんきナンバーわんスリム プラン70」に加入していた場合、自己負担額例は以下の通りです。
お支払い保険金 | 63万5,361円 |
自己負担額 | 28万7,297円 |
パテラ(膝蓋骨脱臼)は、どのような犬でも発症する可能性がある病気です。ここでは発症のリスクを抑えるための予防方法を5つ紹介します。
パテラ(膝蓋骨脱臼)に限らず、体重管理は愛犬の健康を守る上で非常に大切です。人と違って、犬は自分で体重をコントロールできないからです。体重が増えれば膝にかかる負担が大きくなり、パテラ(膝蓋骨脱臼)のリスクも高くなってしまう点に注意してください。
体重管理の方法として大切なのが以下の2点です。
はじめに取り組むべきなのが食事量です。愛犬の理想体重に合った食事量を心がけてください。次に、散歩など定期的に運動させましょう。
「太り過ぎかもしれない」と感じた場合、以下の記事を参考にしてダイエットに取り組むのもおすすめです。
【関連記事】
【獣医師監修】犬や猫もダイエットが必要?肥満にならないようにカロリー計算をしよう|連載vol.2
室内を滑りにくい環境に整えてください。床の素材がフローリングやタイルなどの場合、膝に負担がかかってしまいます。
犬を飼い始めたら、以下の対策を講じるのがおすすめです。
サプリメントを摂取することで、足りない栄養素を摂取したり、関節・軟骨の健康をサポートしたりするという効果が期待できます。パテラ(膝蓋骨脱臼)に効果があるとされるサプリメントの成分は主に以下の通りです。
ただし、ペット保険では予防医療は補償対象外となり、サプリメントは治療目的であっても補償対象外とされているケースが一般的です。当社のペット保険『げんきナンバーわんスリム』でも補償対象外なので注意してください。
定期的に毛をカットしましょう。特に、足の裏が毛で覆われてしまうと転びやすくなってしまいます。被毛で肉球が覆われていないか、日常的にチェックすることが大切です。
後ろあしの筋肉を鍛えることも意識してみてください。鍛える方法は主に2つあります。
筋肉を鍛えることで膝関節を支える力が強くなり、血行促進にも役立ちます。ただし、無理な姿勢を取ったり運動をさせ過ぎたりするのは良くありません。逆効果になるどころか、椎間板ヘルニアなどほかの病気を引き起こす恐れがあるので十分注意してください。
パテラ(膝蓋骨脱臼)は小型犬に多い病気ですが、すべての犬種にリスクがあります。リスクに備える上で大切なのが保険選びです。保険は以下3つのポイントを基準に選びましょう。
保険は愛犬が元気で若いうちから加入を検討するのが大切です。若いうちでも病気の内容によっては、保険に加入できない場合や加入ができても、傷病を患っている部分は補償の対象外となる「特定部位不担保」での引き受けとなる場合があるからです。
例えば、パテラ(膝蓋骨脱臼)が補償対象となっている保険でも、補償期間が始まる前に発症していた場合、いわゆる「免責」になります。免責になると、膝関節炎などパテラ(膝蓋骨脱臼)の治療に起因すると思われる傷病が補償対象外となる可能性があるので注意してください。
保険金の支払い金額の上限についても確認しましょう。
入院・通院・手術を合わせて「年間最大補償額 200万円」など一見して補償が手厚いように見える保険でも、手術は1回「〇万円まで」、通院は1日「〇千円まで」など、入院、通院、手術それぞれに1日あたりの支払い限度額が設けられている場合、1日あたりの上限を超えた分はすべて自己負担になります。
<犬猫の1回あたりの平均治療費>
手術費 | (犬)20万0,515円 (猫)19万1,571円 |
入院費 | (犬)10万0,495円 (猫)10万1,397円 |
通院費 | (犬)1万3,739円 (猫)1万2,402円 |
犬猫の1回あたりの平均手術費は20万円前後、通院費は1万円以上である上に、平均よりも高い治療費が発生することも少なくありません。
万が一の高額治療に備えるなら、「1日あたりの保険金支払い額の上限がない保険」や「上限金額が十分にある保険」かの確認が大切です。
膝蓋骨脱臼の手術は、高額な治療費が発生することが多く、通院であっても数万円といった検査費用がかかる場合もあります。両足の手術であれば手術費用が2回分かかることもありますので、1日あたりの限度額と合わせて、手術や通院回数も十分にあるかを確認するようにしましょう。
加入時の保険料の安さだけで保険の良し悪しを判断するのはおすすめしません。ペット保険の保険料は年齢とともに上がるのが一般的です。加入時に「安いから」と安易に決めてしまうと、年齢を重ねるうちに保険料が負担になり、高齢になってから保険の入り直しや解約を余儀なくされたりしてしまいます。
ペット保険には加入可能な年齢に上限があるのが一般的です。ペット保険を乗り換えようと思った時の健康状態によっては、乗り換えが難しい場合もあるため、加入時に生涯続けられる保険料かの確認は必要です。
犬の平均寿命は14〜15歳、小型犬は特に長く16歳近くまで生きます。人と同じく高齢化するほど病気になるリスクが高まるため、生涯にわたって「払い続けられる保険料かどうか」を検討するのが大切です。
高額治療費の支払いに強いペット保険を選ぶならペット&ファミリー損保の『げんきナンバーわんスリム』がおすすめです。ペット&ファミリー損保は日本のペット保険会社の中で長い歴史を持つ会社の1つです。
『げんきナンバーわんスリム』には3つの特徴があります。
商品の詳細は、WEBサイトをご確認ください。
※1 補償期間中に受けた病気・ケガの治療に対し、保険金の年間限度額はプラン70の場合は70万円まで、プラン50の場合は50万円まで。また、1日あたり5,000円の免責金額(自己負担額)があります。
※2 保険金のお支払い対象とならない治療費がありますので、詳しくは、「補償内容ページ」「お支払い事例ページ」「重要事項説明書」等をご覧ください。
※3 今後の商品改定等により、保険料が変更となる場合があります。
1日に複数の検査を行うような通院、手術や入院の内容によっては、治療費が高額になるケースも少なくありません。
例えば、1日あたりの保険金支払い限度額が1万円の保険に加入していた場合、通院で10万円の治療が発生しても、1日あたりの限度額を超える9万円は自己負担となります。
しかし、『げんきナンバーわんスリム』には、1日あたりの限度額がないため、通院でも最大で70万円の保険金を受け取ることができます。
年間の利用回数にも上限がないので、慢性疾患で20回を超える通院が発生しても、年間の限度額内であれば何度でも保険金の請求が可能です。
ペット保険は人の保険と同様、年齢が高くなるほど保険料が高くなるのが一般的です。特にペットの年齢が10歳を超えると保険料が大きく値上がりする場合があります。
『げんきナンバーわんスリム』は月々1,560 円から*ご加入いただけ、生涯保険を続けられるように10歳以降の保険料は一律です。
契約更新時の審査はないため、契約時と同じ条件で終身での継続が可能。将来の経済的負担を気にすることなく、安心して万が一の備えが続けられます。
*プラン50(小型犬・初年度保険料1歳)の場合
『げんきナンバーわんスリム』は全国すべての動物病院に対応しています。通院、入院、手術はもちろん、時間外診療費にも対応。急な休日や夜間の診療でも安心です。
さらに、ペット保険で補償対象外となりがちな、歯科治療、膝蓋骨脱臼(パテラ)、椎間板ヘルニア、先天性・遺伝性疾患、猫エイズ(FIV)も補償対象となります。
先天性や遺伝性の病気が心配な0~3歳の若齢の犬猫も安心して加入いただけます。
犬や猫に多い以下の病気やケガの治療も幅広く補償します。
犬に多い病気・ケガ | 猫に多い病気・ケガ |
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●歯周病などの歯科疾患※4 ●椎間板ヘルニア ●異物誤飲 ●骨折 ●僧帽弁閉鎖不全症 ●ガン ≪先天性・遺伝性の可能性がある病気≫ ●膝蓋骨脱臼(パテラ) ●特発性てんかん ●若齢性白内障 ●進行性網膜萎縮症 | ●歯周病などの歯科疾患※4 ●異物誤飲 ●腎不全 ●尿路結石症 ●心筋症 ●ガン ≪先天性・遺伝性の可能性がある病気≫ ●多発性囊胞腎(のうほんじん)症 ●肥大型心筋症 ●骨軟骨異形成症 ●進行性網膜萎縮症 |
補償プランはご都合に合わせて、シンプルでわかりやすい2種類からお選びいただけます。
※ 補償期間中に受けた病気・ケガの治療に対し、保険金の年間限度額はプラン70の場合は70万円まで、プラン50の場合は50万円まで。また、1日あたり5,000円の免責金額(自己負担額)があります。
※ 保険金のお支払い対象とならない治療費がありますので、詳しくは、「補償内容ページ」「お支払い事例ページ」「重要事項説明書」等をご覧ください。
※今後の商品改定等により、保険料が変更となる場合があります。
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パテラ(膝蓋骨脱臼)は犬全体に多く、突発的な事故などによって発症することもあるため、完全に予防することは難しいでしょう。だからこそ、症状などをきちんと理解し、発症してしまったときのためにペット保険に加入して準備しておくのが大切です。
『げんきナンバーわんスリム』は、10歳以降の保険料は変わらない上に1日あたりの支払上限金額に制限もありません。愛犬に充実した補償を用意したい方は、ぜひ加入をご検討ください。