日本犬として有名な柴犬。一昔前には、庭先で飼われていることも多かったため、暑さに強いイメージを持たれていることも多いですが、高温多湿の日本の夏は柴犬にも危険です。平均気温が大幅に上昇している今、ちょっとした油断は命取りになりってしまいます。熱中症の症状や予防と対策、適切な対処法や治療費について詳しく確認しておきましょう。
もくじ
全身で汗をかくことができない犬は、口を開けてハァハァと呼吸することで体温を調節しています。しかし、気温や湿度が高すぎたり、体になんらかの異常が生じたりすると体温を下げることができません。
体温が高い状態が続くと、脱水や、脳や臓器の異常が起こります。「動物病院を受診したら医療費が10万円以上かかった」「悪化して命に危険が及んでしまった」などの危険性もあります。
基本的に犬は暑さに弱く、日本生まれの柴犬も例外ではありません。日本の四季に順応しており、頑丈で病気になりにくいイメージのある柴犬ですが、近年の厳しすぎる暑さはほかの犬と同様に得意ではありません。炎天下の中を散歩したりしていると、取り返しがつかないことになってしまう可能性があります。
また、次のような特徴を持つ犬種は熱中症のリスクが高まります。愛犬の柴犬が当てはまる場合には、特に注意をし、熱中症から守りましょう。
体の機能が未発達な子犬や体力がない高齢犬は、体温の調整がうまくできないため熱中症になりやすいだけでなく、重症化のリスクも高まります。
散歩などの外出時だけでなく、室内で過ごす際にも涼しい環境を整え、いつでも綺麗な水をたっぷり飲めるようにしておきましょう。
皮下脂肪が厚い肥満の犬も注意が必要です。脂肪は熱を蓄えるとなかなか熱を逃すことができず、体への負担が増加します。クーラーが効いている部屋でも暑がっている様子が見られたら、水浴びをするなど、体を冷やす工夫をしましょう。保冷剤を布などにくるみ首の周りの冷やすのも有効です。
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呼吸器の病気や心臓病を患っている犬も、呼吸機能や循環機能がうまく働かず熱中症を起こしやすいです。また、熱中症になった場合には重症化のリスクも高く危険です。疲れている時や、療養中には特に注意しましょう。
「愛犬の様子がおかしいな?」と感じたら、それは熱中症の初期症状かもしれません。慌てず落ち着いて、適切な対処をとるようにしましょう。
熱中症の初期症状として、次のものが挙げられます。
これらの症状が見られたら、日陰に移動して体を冷やし、うちわなどで仰いで重症化を防ぎましょう。ちょっとした変化を見逃さないよう、普段から愛犬の様子をチェックしてあげてください。
暑い環境にいて次の症状があらわれた場合、熱中症が進行している可能性があります。
このような症状が見られたら、涼しい場所でワキや首元など太い血管のあつまる部分を冷やしつつ、できるだけ早く動物病院を受診しましょう。
愛犬に熱中症の症状が見られたときの対処法や治療法について、詳しくはこちらをご覧ください。
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熱中症予防として、次の点を心がけましょう。
暑い季節は、愛犬を暑い環境にさらさないことが大切です。
忍耐強く、運動が大好きな柴犬ですが、夏の散歩には注意が必要です。散歩の際は気温が高い日中を避け、早朝や夜など涼しい時間を選んで出かけるようにしましょう。
また、人にとって涼しさを感じる時間帯でも、太陽に熱されたアスファルトの上を歩く柴犬には、過酷な場合も。散歩の前には、アスファルトを触って温度を確かめておくと安心です。土や草の上、日陰を選んで歩くようにすれば、熱中症だけでなく火傷の心配も減るでしょう。
柴犬は基本的にはトリミングの必要はなく、毛の生え変わりによって季節に合わせた被毛へと変化します。
しかし、だからと言ってお手入れの必要がないわけではありません。換毛期には大量の被毛が抜けますが、適切に取り除かなければ熱を溜め込んだり、暑さによる蒸れ、皮膚トラブルを起こしたりする原因になります。
換毛期の訪れを感じたら、スリッカーブラシやラバーブラシなどで余分な毛を取り除き、通気性を保ち、熱中症や暑さによる皮膚トラブルも防ぎましょう。
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熱中症は、早期発見し症状が軽い段階で適切な処置ができるかどうかで治療内容や治療費にも大きな差が出ます。ここでは、柴犬と同じ中型犬の熱中症の治療費の事例を紹介します。
8月に熱中症になり、1日間入院し治療を行いました。
入院1日間
治療総額 | 17万7,210円 |
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