猫が呼吸をしているときにスピスピと鼻が鳴っていたり、くしゃみをしたり鼻水を出していたりする場合、鼻詰まりを起こしているかもしれません。猫にとって鼻で呼吸をすることは健康の上でも非常に大事です。鼻詰まりを放置すれば大病につながってしまうかもしれません。猫の鼻詰まりの予防方法、鼻詰まりの症状などを知ることでできる限り早い対応をして猫の健康を守りましょう。
もくじ
愛猫がハァハァと口で呼吸していた場合は、それだけで危険な状態のサインになります。猫の呼吸は基本的に鼻呼吸であり、健康な猫であれば口呼吸をほとんどしていません。
極端に興奮した場合や、匂いなどに反応して一時的に口呼吸になることはありますが、口を開けてハァハァと、開口呼吸と呼ばれる呼吸をしていた場合は、すぐに動物病院で診てもらいましょう。
猫の鼻詰まりの症状として、次のものが挙げられます。
これらの症状があったら、動物病院へ相談しましょう。
鼻詰まりの原因として代表的なものは、炎症、腫瘍、異物です。鼻の中にできものやガンができたり炎症で腫れたりすることで、鼻の穴がふさがれてしまいます。また、枝や毛玉、細かい何かが鼻の中に入ることで鼻詰まりを起こす場合もあります。
鼻詰まりを引き起こす炎症の原因としてあげられるものは次のとおりです。
目や歯、口の中の病気が、鼻詰まりを引き起こすこともあります。鼻の症状だからといって鼻だけを診ていると、根本的な治療ができません。歯の根元や目の問題が原因となっていないかを動物病院で確認し、適切な治療をしてもらいましょう。
目の周りの汚れを定期的にとってあげたり、口の中を観察したりといった日々のケアは、変化をいち早く知ることができ、病気の早期発見にとってとても重要です。ぜひ、愛猫とのスキンシップとして毎日の生活に取り入れてあげてください。
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アメリカンショートヘア
ブリティッシュショートヘア
エキゾチックショートヘア
スコティッシュフォールド
ペルシャ(チンチラ)
ヒマラヤン など
短頭種と呼ばれる猫種は、鼻のトラブルを起こしやすいといわれています。鼻の作りがぺちゃんとしている猫の場合は、鼻詰まりに注意しましょう。
猫の鼻詰まりを予防するには、刺激となるものを減らしてあげることが大切です。
といったことに注意しましょう。
アルコール消毒は、乾燥する前に猫が舐めてしまうと、鼻づまりの原因となるだけでなく、アルコール中毒の可能性があるため注意が必要です。
また、トイレ掃除やお風呂掃除などで使用されることのある塩素系の消毒薬は、皮膚の炎症や重大な呼吸器疾患を引き起こす原因にもなるため特に注意が必要です。
目と鼻は密接に関係しているため、目の周りを清潔に保つことも大切です。特に短頭種の子たちは、日頃のケアが必要になることがあります。溝状になりやすい目の周りを拭いてあげてください。
最も重要なことは、愛猫の異常に飼い主さんが早く気づき、すぐに動物病院へ相談することです。早期発見早期治療に勝るものはありません。
動物病院では「目で見る視診」、「触れて診る触診」、「聴いて診る聴診」を基本として、レントゲン検査や分泌物を顕微鏡で見たり、培養してみたり、ウイルスの検査をしたり、疑われる症状に合わせて検査を行います。
鼻は複雑な構造をしているために、場合によっては高度医療であるCTや気管支鏡検査などが場合もあります。「鼻の病気なのに全身の検査を行うの?」と疑問に思われるかもしれませんが、場合によっては病気の原因が思わぬ場所に潜んでいることもあるためです。
原因に合わせて次のような治療方法が選択されます。
場合によっては、外科的な方法や放射線療法といった高度な治療まで行うこともあります。
猫にとって鼻呼吸は大切です。鼻詰まりで鼻呼吸がうまくできないと、生活の質を大きく落としてしまいます。飼い主さんが異変に早く気づき、早く動物病院へ診せることが大病へ繋げない一番の方法になります。早期発見、早期治療で愛猫との幸せな生活を守っていきましょう。