日本古来の犬、四国犬ってどんな犬?特徴や性格、飼い方をご紹介!
2022.06.07 作成

日本古来の犬、四国犬ってどんな犬?特徴や性格、飼い方をご紹介!

PNS編集部

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日本古来の犬種でありながら、現在はなかなかお目にかかれない四国犬。賢く精悍な出で立ちは、他にはない迫力を感じさせます。そんな四国犬は、実際にどんな犬種なのでしょう?四国犬の守り継がれてきた血統や、土着の犬種の歴史と共に、特有の性格や特徴など詳しく解説します。

もくじ

    四国犬ってどんな犬?

    日本古来の犬、四国犬ってどんな犬?特徴や性格、飼い方をご紹介!
    (PardoY/shutterstock)

    四国犬は歴史の長い犬種ですが、あまりペット化されておらず、あまり見かけることがありません。古来の面影が色濃く残る、四国犬の性格や特徴について解説します。

    四国犬特徴・大きさ・毛色

    特徴

    四国犬は柴犬に似た風貌で、珍しさから間違われることも多い犬種です。しかし、柴犬よりも精悍さが目立ち、頑固な性格の犬種だといわれています。

    四国犬は日本古来の犬種であり、山岳地帯に生息していたことから、特に山の中での猟に力を発揮します。猟のパートナーとして仕事をしていた歴史から、普段から飼い主さんの心を先読みして行動しようとするほど、とても忠実な犬種としても知られています。

    大きさ

    四国犬の体高は46~55cm。オスは大きめに育ち、メスは少し小さく、50cmに満たない場合もあるようです。体重は15~23kg程度。同じようにオスの方が大きく、メスは一回り小さい体格となります。

    ※体高…四つ足をついて立ったときの、地面から背中までの高さ

    毛色

    四国犬の被毛の色は、黒毛、赤毛の単色と、これらに白毛の混ざり合った胡麻色が主なカラーです。胡麻色はその中でも、黒が強い場合は「黒胡麻」、赤が強い場合は「赤胡麻」と呼ばれます。

    胡麻色はこの三色が複雑に混ざり合っているのが特徴で、好みの分かれるところでもあるでしょう。

    四国犬の性格

    四国犬は狩猟本能が強い犬種です。闘争心が強くフレンドリーさはありませんが、飼い主さんには忠実。ただし、これは家族全員に対してではなく、あくまでも主人と決めた一人にだけ懐くものです。頑固で家庭内での上下関係を意識するため、関係作りとしつけが重要となるでしょう。

    四国犬は、狂暴・噛むといった一面が取り沙汰されることがあります。しかし性格から考えても、誰にでも狂暴に振舞うというわけでなく、あくまでも飼い主さんとして認めるか否かで、四国犬の行動は違ってきます。

    また、とても冷静な性格なので遊びすぎて興奮するようなことは少ないでしょう。

    四国犬の歴史

    四国犬の祖先といわれる「ヤマイヌ」は、ニホンオオカミの末裔であるといわれています。そのため、がっしりとした筋肉をもち、山の中での猟に特化した犬種となりました。

    実際に20世紀には、四国犬の姿がニホンオオカミと間違われ話題となったことがあります。それほどに、姿かたちを変えず本来の風貌を色濃く残しているのでしょう。

    四国犬は昭和12年に「土佐犬」という名前で、天然記念物に指定されました。しかし、大型の「土佐闘犬」と名前が似ていて間違われやすいことから、日本犬保存会により、昭和14年頃に「四国犬」という新たな名前で呼ばれるようになっています。

     

    四国犬の飼い方のポイント

    四国犬の飼い方のポイント
    (Molica_an/shutterstock)

    猟犬としてのルーツがある四国犬。どのような点に気を付けてともに暮らせばよいのでしょうか。

    四国犬のしつけ方

    四国犬は、可愛がるだけの家庭犬として扱うには厳しいといわれています。飼う場合は、子犬の頃からしつけ訓練を徹底し、主従関係をはっきりさせておくことが重要です。

    噛む力が強いため、攻撃性や凶暴さを抑制し、思いのままにものを壊さないよう教えていくことから始めましょう。

    四国犬の散歩の仕方と運動量

    有能な猟犬としてつくられた四国犬は、運動量が多く力も強いです。毎日の散歩中も気を抜かずに管理し、引っ張られないように気をつけましょう。

    また、しっかりと運動時間を確保し、広い場所で走らせることができれば理想的です。散歩は1日2回、1回1時間以上は確保し、走る運動も加えて運動に対する欲求を発散させましょう。

    四国犬の平均寿命

    四国犬の平均寿命
    (SashaS Skvortcova/shutterstock)

    四国犬の平均寿命は10歳~12歳です。同じ日本犬の柴犬と比べてやや短い寿命です。

    四国犬の注意しておきたい病気

    四国犬の注意しておきたい病気
    (Anastasiia Cherniavskaia/shutterstock)

    四国犬の注意しておきたい病気について紹介します。

    アレルギー性皮膚炎

    アレルギーによって引き起こされる皮膚炎です。皮膚の強いかゆみが主な症状で、しきりに舐めたり噛んだりするようになります。皮膚に炎症や脱毛が見つかり、かゆがっているようであれば、獣医師の指導のもと食事や生活環境の調整が必要になります。

    角膜炎

    目の表面をおおっている角膜が炎症を起こす、角膜炎になりやすいです。目が赤くなる、目の表面が白く濁る、涙が流れるなどの症状があらわれたら動物病院を受診しましょう。

    急性腎不全

    腎前性、腎性、腎後性の3つある腎不全のどれかが原因となる、急性症状です。腎臓のろ過機能が急激に落ち、数時間から数日という短期間のうちに重篤な状態になります。命を落とす危険があるため、早急に処置が必要となります。

    副腎皮質機能低下症

    副腎皮質ホルモンであるコルチゾールの分泌が低下する病気です。アジソン病とも呼ばれます。発症は若齢期に多く、平均は4歳。特にメスに多いと言われています。

    認知症

    認知症は加齢によって認知力が低下することで行動に変化が起こる、高齢犬の病気です。異常な食欲や夜鳴き、徘徊、昼夜逆転など、さまざまな行動が起こるようになります。

    加齢によるものなので治療法はありませんが、サプリメントの服用や生活の中で上手に対処をしていくことが大切です。

     

    四国犬を家族に迎える方法と費用

    四国犬を家族に迎える方法と費用
    (Anastasiia Cherniavskaia/shutterstock)

    四国犬の生体価格は20万円前後(2024年7月時点)といわれていますが、毛色や血統の良し悪しで変動するでしょう。日本での飼育頭数は非常に少ないので、ブリーダーに尋ねるとともに、根気よく探す必要があるでしょう。

    四国犬を迎える方法について具体的に紹介していきます。

    ブリーダーからの紹介

    ペットショップで四国犬を取り扱っているケースはあまりありません。四国犬と柴犬のミックスがいる場合もありますが、ミックスであっても珍しい犬種なので、迎え入れる際は、ブリーダーを利用することになるでしょう。

    ブリーダーは、全国各地に存在する犬の繁殖を専門とする人のこと。犬種の知識、飼育経験が豊富なブリーダーから犬を譲り受けることができるため、事前に飼い方、注意点を教わることができます。犬の飼い方がわからないペット初心者でも安心して迎え入れることができるでしょう。

    また、実際に親犬の様子を事前に確認することができるため、成犬時のサイズ感などを予測する助けになります。飼育環境などの質問にもきちんと答えてくれる、信頼できるブリーダーを見つけましょう。

    里親になる

    里親制度は、保護団体、保健所など引き取り手のいない犬、飼い主さんがいない犬を迎え入れて里親になる制度です。ペットショップ、ブリーダーと比べると費用が掛からないメリットがあります。

    ただし、里親募集によっては譲渡、引取後も必要に応じて飼育状況の確認しなければならないケースもあります。また、四国犬は数が少ない犬種なので出会うには運やタイミングが必要です。

    家族に迎え入れるまでに準備したいもの

    犬を迎え入れるまでに、準備しておきたいものは、以下の通りです。約4~5万円ほどをみておくとよいでしょう。

    【寝床の準備】
    ・ペットサークル
    ・クレート(ペット用キャリー)
    ・ベッド

    【日用品の準備】
    ・ドッグフード
    ・フードボウル
    ・水飲みボウル

    【トイレ用品の準備】
    ・トイレトレー
    ・トイレシーツ

    【ケア用品】
    ・ブラシ
    ・爪切り
    ・ペット用シャンプー
    ・歯磨きグッズ

    【その他】
    ・首輪
    ・リード

    事前に飼育環境を整えておく必要もあります。危険なもの、噛まれては困るものは片づけるなどしておきましょう。

    夏場はクーラーなど空調設備のできるものも備えておくと安全です。余裕があれば、犬が遊べるおもちゃなども買っておきましょう。

    【関連リンク】
    犬を迎える前に準備しておきたいもの
    犬を迎える前に整えておきたい室内のポイント
    犬をペットとして迎える時の心構え

     その他の初期費用

    役所への登録料やワクチン接種・健康診断の費用として2万~3万円ほどがかかります。 

    1カ月にかかる飼育費用は?

    1カ月にかかる飼育費用は?
    (Anastasiia Cherniavskaia/shutterstock)

    中型犬の平均的な飼育費用は、1カ月あたり1万5,000~3万円になります。

    食費

    フードやおやつといった食費。価格はピンキリですが、平均すると1カ月で5,000~7,000円ほどかかります。

    日用品代

    トイレシーツなどの日用品が1カ月で2,000~6,000円前後。

    シャンプー・トリミング代

    シャンプーなどのお手入れをトリミングサロンにお願いする場合は、中型犬の場合1回3,000~1万円程度をみておきましょう。

    医療費

    フィラリアやノミ・ダニの予防薬なども含め、健康であっても医療費として年間で3~5万円ほど必要でしょう。1カ月にすると3,000円程度です。

    知っておきたい、ペットの医療事情

    初めて犬を飼う方の盲点となるのが、ペットの医療事情です。ペットには公的な健康保険がなく、治療費は全額自己負担となります。自由診療のため病院によって料金が異なる点が、人とは違います。

    子犬がかかりやすい病気・ケガ

    子犬は、骨折や異物誤飲が多いです。

    • 骨折の平均治療費:11万6,704円*
    • 異物誤飲の平均治療費:3万4,655円*

    ただし、どちらも場合によっては20万円を越えるケースもあるため、住環境を整えるなど事前の予防が大切です。

    お迎えしたばかりの頃は環境変化によるストレスで軟便や風邪にもなりやすいので体調の変化にも気を付けてあげましょう。

    *ペット&ファミリー損保調べ(2023年4月~2024年3月 保険金支払い実績をもとに算出)

    ペット保険

    ペットの年齢によって保険料は変わりますが、中型犬の1ヶ月の保険料は1,800~5,000円*ほど。0~3歳の間に加入するケースが多いです。

    ペット保険は、健康でないと加入できず、加入可能年齢が「満7歳まで」のように制限のある場合がほとんど。人と同じように犬も年齢が上がれば病気のリスクも上がるため、早めに加入したいものです。

    【ペット保険選びのポイント】

    ペット保険はたくさんの種類があり、どれも同じように見えるかもしれませんが、各保険商品によって補償内容は大きく異なります。

    保険料だけではなく、以下の補償内容をよく理解し、最もご自身に適した保険を選ぶようにしましょう。

    • その犬種が発症しやすい慢性疾患が補償されるか
    • 金銭的に負担の大きい高額な手術・入院に対応できているか
    • 1日あたりの支払い金額や年間の通院日数に上限がないか など

    *参照:慢性疾患にも、高額治療にも対応したペット保険!ペット&ファミリー損害保険「げんきナンバーわんスリム プラン50」
    *犬の加入タイプ(小型犬・中型犬・大型犬・特大犬)は、ご加入時・ご継続時の体重で決まります。ただし、1歳未満の幼犬の場合「犬種分類表」を参考に、1歳時のおおよその予測体重で加入タイプが決まります。
    *2024年7月時点の内容です。今後の商品改定や保険料率の見直し等により、変更となる場合があります。

    愛犬と楽しく暮らそう 

    家族になる前からたくさんのことを学ぶことで、快適な暮らしをスタートすることができます。お迎えする犬の特徴や費用などをよく知ってよきパートナーとして信頼関係を築いていってくださいね。

    著者・監修者

    PNS編集部

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