猫のトイレを片付けようとしたとき、そこに赤い便が残っていると「血便かな…もしかしたら病気かも…」と、とても不安になりますよね。この記事では、猫が血便をしたときの原因や危険度、おうちでできる対処法などを解説しています。いくつかの注意点を意識しながら飼育することで、体に生じた異常をできるだけ早く見つけ、適切な治療につなげましょう。愛猫に、健康に過ごしてもらえるよう願います。
もくじ
血便とは消化管からの出血を反映するものですが、一口に血便といっても様々な種類があります。血便を発見したら、まずは便の様子をチェックしましょう。
といった便であれば、「便が赤い=血便である」と判断することは容易でしょう。
血便が全て赤いとは限りません。食道や胃などのいわゆる上部消化管からの出血であれば、便の色は黒色に変化します。これは血液が消化管を通過するにつれて消化液などの影響を受けた結果です。すなわち、黒色便も血便であると考えることができます。
このように、赤色あるいは黒色の便は消化管からの出血=血便であると考えたほうがよいでしょう。
血便を起こす病気はその原因によっていくつかに分類されます。
中でも比較的多いのは、回虫や条虫(じょうちゅう/サナダムシ)などといった消化管寄生虫によるものです。これらは、虫そのものが肛門から出てくることもあります。通常は駆虫薬で治療でき、比較的予後のいい原因です。
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若齢の猫に発症し、その致死率はほぼ100%とされています。治療法も確立されておらず、とても恐ろしい病気です。
※猫コロナウイルスは人の新型コロナウイルスとは異なる病気で、人には感染しません。
消化管のリンパ腫などの腫瘍性疾患や炎症性腸疾患といった、高齢の猫に多い病気です。これらは治療が長期に及ぶこともしばしばあり、場合によっては予後に期待することができないこともあるでしょう。
食べ物でないものの誤食や、中毒を起こすものの異食も血便の原因になることがあります。
では猫が血便をしたときにすべきことは何でしょう。
それはずばり、動物病院に行くことです。場合によっては命にも関わることがあるため、血便を発見したらできるだけ速やかに動物病院を受診してください。
動物病院を受診する際には、血便そのものも持参しましょう。便を持参すれば、動物病院で糞便検査ができ、診断が早まることがあります。
ただし、半日以上放置した便は検査にあまりふさわしくない場合があります。持参する便は、できるだけ新しいものがよいでしょう。
血便を起こす前の様子や、血便以外の症状をできるだけ詳細に獣医師に伝えてください。
血便を発見する前に何を食べたのか、環境の変化などがあったのかといったことも、診断への重要なヒントになります。
上で述べたように、血便を起こす可能性のある猫の病気の中には重症なものもいくつかあります。血便を発見したらできるだけ早く動物病院で診察を受けるようにしてください。