猫はもともと食欲にムラがありますが、愛猫が食欲不振になると「いつまで様子を見てよいのか」「病気なのか?好き嫌いなだけなのか」などと疑問に思ったり、不安になったりすることも多いかと思います。今回は、猫が食欲不振を起こす原因や病院受診の目安、対応策についてお伝えします。
もくじ
猫の食欲不振は、さまざまな原因で引き起こされます。病気が原因になっていることもあれば、病気以外が要因となっていることも多々あります。
食欲不振に加えて、体重の減少、元気がない、嘔吐や下痢といったほかの症状がみられる場合は、病気が関与している可能性が高いです。注意深く愛猫の様子を観察し、状況に応じて動物病院を受診しましょう。
食欲不振以外の症状がなく、元気もあっておやつを食べるようであれば、一時的な食欲不振の可能性も考えられます。
猫の食欲不振を引き起こす病気は数多くあり、代表的な疾患として次のようなものが挙げられます。
食欲不振の原因が消化器の病気とは限りません。また、ここに挙げた病気以外が原因となっている場合もあります。食欲不振以外にも何かしら症状がある場合も多いため、愛猫の様子を注意深く観察しましょう。
成猫の場合、
といった症状がある場合が、病院受診の目安となります。
また、高齢猫・子猫の場合は急な症状の悪化もみられるため、様子を見すぎず食欲不振が気になったら早めに受診しましょう。
猫でも、ストレスや好き嫌い、環境やライフステージの変化など、病気以外の要因で食欲不振になることもあります。
といったことがないかを振り返りつつ、愛猫の食欲不振の原因を探ってみましょう。
その他にも、高齢で運動量が減ると食べる量も少なくなる、発情中で食欲が低下しているといったこともあります。いつもと違う声で鳴いたり、鳴き続けたり、甘えてきたりする場合は、発情中で食欲が低下していると考えてよいでしょう。
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猫の嗅覚は大変優れているため、香りが立つことで食欲が刺激されることがあります。フードを温める際は、人肌に温めて熱くなりすぎないように注意しましょう。
好き嫌いや飽きてしまって食べないときは、フードを変えてみるのもよいでしょう。フードを変える際は、栄養の偏りがないよう総合栄養食を選び、少しずつ様子をみながら新しいものを与えます。フードは開封してから時間がたつと酸化するため、適切な容量のフードを選びましょう。
また、固形状のフードを受け付けない場合には、ミルクや液状の食事を与えてみるのも選択肢のひとつです。ミルクや液状フードなら、一緒に水分も摂取できる利点があります。与える際は年齢にあったものを選ぶようにしましょう。
ミルクを与える際は、必ず猫用ミルクを選び、食事の一部として与えてください。人用のミルクには乳糖が多く含まれているため、乳糖を上手く分解できず下痢を起こすことがあります。
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愛猫が安心して食事ができる環境を整えてあげましょう。
などの工夫をしてみてください。また、猫は柑橘系の匂いが苦手です。食器を洗う際には、柑橘系の洗剤は避けましょう。
猫用フェロモン製品とは、猫の頬から分泌されるフェイシャルホルモンのF3を人工的に作り出したもので、猫に安心感を与え落ち着かせる効果があるとされています。
効果に個体差はありますが、特にストレスや環境の変化から食欲不振になっている場合は、猫用フェロモン製品を使用することで猫が安心しストレスの緩和が期待できるかもしれません。
代表的なものとしては、ミルク由来の天然成分であるα‐カソゼピンを使用した、ペットが環境の変化にスムーズに対応するためのサプリメントなどがあります。
ただし、即効性のあるものではないため、注意深く愛猫の様子や変化を観察しましょう。また、使用や内服の際には、かかりつけ医と相談することをおすすめします。
愛猫の食欲不振にはさまざまな原因があります。病気の症状のこともあれば、そうではないこともあります。日頃から普段の愛猫の様子や体調を観察し、少しの変化やサインにも早めに気づいてあげるとよいでしょう。