サバンナキャットは、野生猫であるサーバルキャットの遺伝子を引き継いだ猫。飼い猫と野生猫の交配によって誕生した野生味溢れるサバンナキャットは、日本でほとんどお目にかかることがない希少猫です。ワイルドな雰囲気と入手困難なことから、猫好きの間では「憧れの猫」である、サバンナキャットについて紹介します。
もくじ
サバンナキャットは、野生のサーバルキャットの遺伝子含有率によってF1~F7(第1~7世代)に分類されており、F1~F3は特に野生の血が色濃く残るといわれています。しかし、F5以降は野性味も薄れ家庭での飼育にも向いているといわれています。
そこで、希少なサバンナキャットの魅力を紹介します。
※2020年6月1日の動物愛護管理法の改定によりF1のサバンナキャットは特定動物となりペットとしての新たな飼育は禁止となりました。
逆三角形の頭にピンと立った大きな耳、きりりとしたアーモンド型の瞳が特徴的なサバンナキャットは、ベンガルと野生のサーバルキャットの交配によって生まれました。
交配された世代によって多少の違いはありますが、体重はF1~F3までは10kgを超える場合も少なくありませんが、F4以降は10kg以上の体重になることは少ないといわれています。
体長は50〜60cmです。メスよりもオスの方が若干大きく、堂々と歩く姿は野性味に溢れて魅力的です。
毛色はブラウンやシルバーでヒョウ柄に似たスポテッドタビー、ブラック、ブラックスモークなど独特の色合いを持っており、チーターのようなノーズラインが入っています。
ワイルドな見た目から、どことなく怖そうなイメージを持たれるサバンナキャットですが、実は人懐こく甘えん坊な性格をしています。社交的で子どもとも上手に遊ぶことができるでしょう。飼い主さんにも非常によく懐き、構ってもらえないとヤキモチを焼くこともあるほどです。
1986年にベンガルのブリーダーが、自分の飼い猫と野生のサーバルキャットを交配させたことで誕生したのがサバンナキャットです。当初は、希少な野生動物であるサーバルキャットの交配を、倫理面から問題にされることもありました。
しかし、研究が中断されることはなく、第二世代、第三世代と交配が重ねられ、10年後にはサバンナキャットのスタンダードが定まりました。この頃には交配だけでなく、飼育に関しても問題視されるようになり、熱心な話し合いがもたれたようです。
そしてついには2001年に正式な猫種として認められました。
野生的な姿と社交性を持ち合わせるサバンナキャットと一緒に暮らすなら、どんなことに気をつければよいのでしょうか。ポイントをチェックしてみましょう。
活発で豊富な運動量を必要とするサバンナキャットは、運動するための十分なスペースが必要となります。危険なものや触ってほしくないものは片付け、キャットタワーなどを利用して運動を楽しめるスペースを確保しましょう。
サバンナキャットは運動能力が高く、好奇心も旺盛な猫種です。窓や扉の閉め忘れなど、飼い主さんのうっかりが脱走へつながります。普段から出入り口の確認を怠らず、脱走対策はしっかりと行いましょう。
また、サバンなキャットは水を怖がらないことでも有名です。水回りでの事故が起こらないよう、水回りには特に注意しましょう。
賢く頭のいいサバンナキャットは、好奇心旺盛でいたずら好きです。時には蛇口を捻って水を出したり、扉を開けて中の物を出したりしてしまうこともあります。怒鳴ったり、体罰を行ったりはせず、根気よく「してはいけないこと」を教えましょう。
また、リードをつけて散歩に行くのが好きな子もいます。性格を見極め、色々なことに挑戦してみるとよいでしょう。
サバンナキャットの平均寿命は17~20歳といわれています。猫全体の平均寿命は15歳程度といわれているため、平均的な寿命よりもかなり長生きといえます。
日頃から運動量や食事に気をつけるなど健康管理をしっかりすれば、良きパートナーとしてより長い時間一緒に居られる可能性も上がるでしょう。
サバンナキャットの注意しておきたい病気について紹介します。
泌尿器系疾患は、尿を作って体外に排出する腎臓、尿管、膀胱、尿道に起こる疾患です。代表的な疾患は腎不全、尿石症、膀胱炎などで、猫が非常にかかりやすい病気です。
泌尿器に異常が現れると、排尿に異常が現れます。普段から尿の回数や色を観察し、異常があれば早めに受診するようにしましょう。
サバンナキャットは、交配された世代によって価格が変動します。第一世代(F1)に近いほど高価になり300万円を超えることもありますが、第五世代(F5)以下の子猫を迎え入れるのであれば、相場は25〜70万円(2022年2月時点)です。
日本のペットショップでサバンナキャットに出会えることは少ないでしょう。サバンナキャットを家族に迎えると決断したら、まずはブリーダーにコンタクトを取る必要があります。
ブリーダーは、全国各地に存在する猫の繁殖を専門とする人のこと。猫種の知識、飼育経験が豊富なブリーダーから猫を譲り受けることができるため、事前に飼い方、注意点を教わることができます。サバンナキャットの飼い方がわからない人でも、安心して迎え入れることができるでしょう。
また、実際に親猫の様子を事前に確認することができるため、成猫時のサイズ感などを予測する助けになります。飼育環境などの質問にもきちんと答えてくれる、信頼できるブリーダーを見つけましょう。
希少猫のため、血統書の確認も必須です。
猫を迎え入れるまでに、準備しておきたいものは、以下の通りです。2~3万円ほどをみておくとよいでしょう。
【寝床の準備】
・ペットサークル
・クレート(ペット用キャリー)
・ベッド
【日用品の準備】
・キャットフード
・フードボウル
・水飲みボウル
【トイレ用品の準備】
・トイレトレー
・猫砂
・消臭シート
【ケア用品】
・ブラシ
・爪切り
・爪とぎ
・ペット用シャンプー
・歯磨きグッズ
【その他】
・首輪
事前に飼育環境を整えておく必要もあります。危険なもの、噛まれては困るものは片づけるなどしておきましょう。
夏場はクーラーなど空調設備のできるものも備えておくと安全です。余裕があれば、子猫が遊べるおもちゃなども買っておきましょう。
【関連リンク】
猫を迎える前に準備しておきたいもの
猫を迎える前に整えておきたい室内のポイント
猫をペットとして迎える時の心構え
ワクチン接種・健康診断の費用として1万円~1万5,000円ほどがかかります。
猫の平均的な飼育費用は、1カ月あたり7,000~1万円になります。
フードやおやつといった食費。価格はピンキリですが、平均すると1カ月で3,000~4,000円ほどかかります。
猫砂や消臭シートなどの日用品が1カ月で800~2,000円前後。
シャンプーなどのお手入れをトリミングサロンにお願いする場合は、その費用も必要になります。平均すると1回あたり、5,000~1万円ほどかかります。
フィラリアやノミ・ダニの予防薬なども含め、健康であっても医療費として年間で2万円ほど必要でしょう。1カ月にすると1,500円程度です。
初めて猫を飼う方の盲点となるのが、ペットの医療事情です。ペットには公的な健康保険がなく、治療費は全額自己負担となります。自由診療のため病院によって料金が異なる点が、人とは違います。
子猫は、異物誤飲や環境変化によるストレス性の軟便や下痢が多いです。
ただし、どちらも場合によっては10万円を越えるケースもあるため、住環境を整えるなど事前の予防や体調の変化に気を付けることが大切です。
お迎えしたばかりの頃は、環境変化によるストレスで軟便や風邪になりやすいので体調の変化にも気を付けてあげましょう。
*ペット&ファミリー損保調べ(2023年4月~2024年3月 保険金支払い実績をもとに算出)
ペットの年齢によって保険料は変わりますが、猫の1ヶ月の保険料は1,300~2,400円*ほど。0~3歳の間に加入するケースが多いです。
ペット保険は、健康でないと加入できず、加入可能年齢が「満7歳まで」のように制限のある場合がほとんど。人と同じように猫も年齢が上がれば病気のリスクも上がるため、早めに加入したいものです。
ペット保険はたくさんの種類があり、どれも同じように見えるかもしれませんが、各保険商品によって補償内容は大きく異なります。
保険料だけではなく、以下の補償内容をよく理解し、最もご自身に適した保険を選ぶようにしましょう。
参照:慢性疾患にも、高額治療にも対応したペット保険!ペット&ファミリー損害保険「げんきナンバーわんスリム プラン50」
家族になる前からたくさんのことを学ぶことで、快適な暮らしをスタートすることができます。お迎えする猫の特徴や費用などをよく知ってよきパートナーとして信頼関係を築いていってくださいね。