カニンヘンダックスフンドは、ミニチュア・ダックスフンドよりも小さな体をした超小型犬です。もともとはウサギを狩る猟犬だったことから、小さな体でも好奇心旺盛、行動力が高い特徴があります。これからペットとして迎え入れたい人にとって、しつけ方、特徴は気になるところ。本記事では、カニンヘンダックスフンドをペットとして迎え入れたいと考えている方向けに、カニンヘンダックスフンドの特徴、性格、しつけ方などを紹介していきます。
もくじ
カニンヘンダックスフンドをペットとして迎え入れる前に、性格、特徴はチェックしておきたいポイント。まずは、カニンヘンダックスフンドの特徴や性格について紹介します。
カニンヘンダックスフンドは、体高より体長が長く、胴長短足で垂れ耳が特徴の小型犬です。もともとウサギ狩りのために作られた犬種のため、小さな穴に入ることができるように体は大変小さいです。被毛は短いスムース、ロングヘアー、硬毛で長いワイアーヘアーの3種類となっています。
カニンヘンダックスフンドの子犬の大きさは、体高 13cm、体重2.5kgほど。成犬になると体高21cm、体重4kgほどの大きさになります。
※体高…四つ足をついて立ったときの、地面から背中までの高さ
カニンヘンダックスフンドの毛色は、単色はレッド、やや黄味を帯びたレディッシュ・イエロー、イエローなど。2色のバイカラーであれば、ブラック&タン、ブラウン&タン、ブラック&イエローなどがあります。他にも、まだら模様のダップル、黒をベースに白や茶色などが混じったタイガーブリンドルなどの混色もあります。
カニンヘンダックスフンドはもともと狩猟犬だったことから、活発でやんちゃ、好奇心旺盛な性格です。遊ぶことが大好きなので、一緒に遊んであげると喜びます。
カニンヘンダックスフンドの元であるダックスフンドは、中世の頃にドイツでアナグマ狩りのために作出された犬種といわれています。カニンヘンダックスフンドは、小さい獲物を狩るためにより小さく改良されて作られました。
ドイツでは、小さいウサギを狩るために作られたことから「ラピット(ラビット)ダックス」とも呼ばれています。
さらに、1910年頃からミニチュア・ダックスフンドとカニンヘンダックスフンドの改良を目的として、一時的に他犬種による交配が行われ、さらに毛色、毛の長さなどの特徴が増えるようになりました。
次に、カニンヘンダックスフンドの飼い方のポイントについて紹介していきます。
カニンヘンダックスフンドは、我慢強く頑固な面もありますが、飼い主さんには従順な性格で賢いことから、しつけをしやすい犬と言われています。子犬のうちから、しつけをしっかり行っておきましょう。
とくに、カニンヘンダックスフンドはもともと猟犬だった性質から吠えることも多く、他の犬などに対して無駄吠えすることもあるため、子犬のうちからトレーニングをするとよいでしょう。
カニンヘンダックスフンドは、活発で動くのが大好きです。散歩の回数は、1日に1~2回、1日の散歩は合計1時間ほど散歩をしてあげると良いでしょう。
もし悪天候などで散歩が難しい時は、室内でおもちゃなどを使って一緒に遊んであげましょう。天気のいい日は、ドッグランや公園に連れ出してあげるのもおすすめです。
カニンヘンダックスフンドは、もともと冬の寒さが厳しいドイツ生まれの犬種のため寒さに強いですが、被毛が長いロングヘアー、ワイアーヘアーは暑さに弱い傾向があるので、室温管理は大切です。
暑い日はエアコンなどで温度管理して、カニンヘンダックスフンドが過ごしやすい室内環境を整えておきましょう。
カニンヘンダックスフンドは体臭の強い犬種ではないため、月に2回を目安にシャンプーしてあげましょう。小柄なため、浴室ではなく洗面所でもシャンプーが可能です。
カニンヘンダックスフンドは換毛期の抜け毛が少ないとされている犬種ではありますが、美しい毛並みを保つために2、3日ごとにコームなどでブラッシングをしてあげると良いでしょう。
カニンヘンダックスフンドの平均寿命は15歳です。犬全体の平均寿命は14歳。小型犬の平均寿命は14~15歳と言われているので、カニンヘンダックスフンドの寿命はやや長め。
長く元気でいてもらうためにも、日頃から愛情を持って接してあげましょう。
カニンヘンダックスフンドの注意しておきたい具体的な病気について紹介します。
背骨と背骨の間にある椎間板が飛び出してしまい、背骨の上にある脊髄神経を圧迫してしまうことで神経症状になってしまうのが椎間板ヘルニアです。
椎間板ヘルニアになると、痛みから動けない、立ち上がれない、震えるなどの症状が見られます。気になる症状がみられたら、すぐに病院で診てもらいましょう。
耳の入口から鼓膜までの外耳の箇所に赤みやかゆみが出ることを、外耳炎といいます。カニンヘンダックスフンドのような耳が垂れた犬種では耳の通気性が悪いことから、耳の中が高温多湿になりやすく、外耳炎発症のリスクが上がりやすいとされています。
重症化すると痛みが出る可能性もあるため、気になる症状が見られたらすぐ病院で診てもらいましょう。
進行性網膜萎縮症は、徐々に視力が低下していき、最終的には失明してしまう遺伝性の網膜疾患です。遺伝性網膜変性症や遺伝性網膜症と呼ばれることもあります。
カニンヘンダックスフンドの進行性網膜萎縮症は、2歳未満で眼底に変化が出てくる早発型が多いとされています。視力に異常を感じたら、ただちに病院で診てもらいましょう。
カニンヘンダックスフンドは寒いドイツの犬種であるため、暑さに弱いです。夏場は熱中症にならないよう、暑い時は室内でなるべく過ごすようにしてあげるといいでしょう。脱水症状、ぐったりした症状がみられたら、すぐ病院で診てもらうことが大切です。
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糖尿病になると、インスリンが少なくなり血糖値が高くなります。合併症などを引き起こしやすくなり、最悪死に至るケースも少なくはありません。
ダックスフンドは食欲が旺盛で肥満になりやすく、糖尿病にかかりやすい犬種とされています。普段から、餌の食べ過ぎなどに注意してあげましょう。水を飲む量が増えてきたなどの症状がみられたら、病院に相談しましょう。
カニンヘンダックスフンドの子犬の価格は、15~35万円ほど(2024年7月現在)。ただし、値段は性別、血統、購入方法によって変動します。
カニンヘンダックスフンドを迎える具体的な方法は以下の通りです。
ペットショップはカニンヘンダックスフンドが欲しい時、しつけで困った時にお店に行けば相談に応じてもらえるため、ペット初心者におすすめです。月齢がある程度いった子犬ならばワクチン接種、簡単なしつけが済んでいるケースもあります。
ただし、必ずしも希望のカニンヘンダックスフンドとペットショップで出会えるとは限らないので、購入を検討している方は、事前に電話などで確認した方が良いでしょう。
ブリーダーは、全国各地に存在する犬の繁殖を専門とする人のことです。犬種の知識、飼育経験が豊富なブリーダーから犬を譲り受けることができるため、事前に飼い方、注意点を教わることができます。犬の飼い方がわからないペット初心者でも安心して迎え入れることができるでしょう。
また、実際に親犬の様子を事前に確認することができるため、成犬時のサイズ感などを予測する助けになります。飼育環境などの質問にもきちんと答えてくれる、信頼できるブリーダーを見つけましょう。
里親制度は、保護団体、保健所など引き取り手のいない犬、飼い主さんがいない犬を迎え入れて里親になる制度です。ペットショップ、ブリーダーと比べると費用が掛からないメリットがあります。ただし、里親募集によっては譲渡、引取後も必要に応じて飼育状況の確認しなければならないケースもあります。
犬を迎え入れるまでに、準備しておきたいものは、以下の通りです。約4~5万円ほどをみておくとよいでしょう。
【寝床の準備】
・ペットサークル
・クレート(ペット用キャリー)
・ベッド
【日用品の準備】
・ドッグフード
・フードボウル
・水飲みボウル
【トイレ用品の準備】
・トイレトレー
・トイレシーツ
【ケア用品】
・ブラシ
・爪切り
・ペット用シャンプー
・歯磨きグッズ
【その他】
・首輪
・リード
事前に飼育環境を整えておく必要もあります。危険なもの、噛まれては困るものは片づけるなどしておきましょう。
夏場はクーラーなど空調設備のできるものも備えておくと安全です。余裕があれば、犬が遊べるおもちゃなども買っておきましょう。
【関連リンク】
犬を迎える前に準備しておきたいもの
犬を迎える前に整えておきたい室内のポイント
犬をペットとして迎える時の心構え
役所への登録料やワクチン接種・健康診断の費用として2万~3万円ほどがかかります。
小型犬の平均的な飼育費用は、1カ月あたり1~2万円になります。
フードやおやつといった食費。価格はピンキリですが、平均すると1カ月で3,000~5,000円ほどかかります。
トイレシーツなどの日用品が1カ月で1,000~3,000円前後。
シャンプーなどのお手入れをトリミングサロンにお願いする場合は、小型犬の場合1回3,000~1万円程度をみておきましょう。
フィラリアやノミ・ダニの予防薬なども含め、健康であっても医療費として年間で3~5万円ほど必要でしょう。1カ月にすると3,000円程度です。
初めて犬を飼う方の盲点となるのが、ペットの医療事情です。ペットには公的な健康保険がなく、治療費は全額自己負担となります。自由診療のため病院によって料金が異なる点が、人とは違います。
子犬は、骨折や異物誤飲が多いです。犬猫の骨折、異物誤飲の平均治療費は以下の通りです。
ただし、どちらも場合によっては20万円を越えるケースもあるため、住環境を整えるなど事前の予防が大切です。
お迎えしたばかりの頃は環境変化によるストレスで軟便や風邪にもなりやすいので体調の変化にも気を付けてあげましょう。
*ペット&ファミリー損保調べ(2023年4月~2024年3月 保険金支払い実績をもとに算出)
ペットの年齢によって保険料は変わりますが、小型犬の1ヶ月の保険料は1,500~4,400円*ほど。0~3歳の間に加入するケースが多いです。
ペット保険は、健康でないと加入できず、加入可能年齢が「満7歳まで」のように制限のある場合がほとんど。人と同じように犬も年齢が上がれば病気のリスクも上がるため、早めに加入したいものです。
ペット保険はたくさんの種類があり、どれも同じように見えるかもしれませんが、各保険商品によって補償内容は大きく異なります。
保険料だけではなく、以下の補償内容をよく理解し、最もご自身に適した保険を選ぶようにしましょう。
*参照:慢性疾患にも、高額治療にも対応したペット保険!ペット&ファミリー損害保険「げんきナンバーわんスリム プラン50」
* 犬の加入タイプ(小型犬・中型犬・大型犬・特大犬)は、ご加入時・ご継続時の体重で決まります。ただし、1歳未満の幼犬の場合「犬種分類表」を参考に、1歳時のおおよその予測体重で加入タイプが決まります。
家族になる前からたくさんのことを学ぶことで、快適な暮らしをスタートすることができます。お迎えする犬の特徴や費用などをよく知ってよきパートナーとして信頼関係を築いていってくださいね。