大人になっても体重2kgほどしかないシンガプーラは、公認猫種の中で最小の猫です。小さいながらも筋肉質で、その姿は野生みさえ感じさせるほどですが、実は人懐っこく、コミュニケーションが大好きな甘えん坊です。今回はそんなシンガプーラの魅力と、楽しく暮らすためのポイントについて紹介します。
もくじ
一緒に暮らす家族として人気が高まる猫。様々な種類の猫がそれぞれの魅力で多くの人を魅了しています。今回は、その小ささと明るい性格に人気が高まっているシンガプーラについて紹介します。
大きな瞳とピンと立った大きな耳が愛らしいシンガプーラは、目頭から鼻の両側に伸びたチーターラインが野生的な雰囲気を醸し出す猫です。子猫はキトンブルーといわれる青い瞳をしていますが、生後9週齢ほどでグリーン、イエロー、ヘーゼルへと変化し定着します。
体高は25cmほどで、体重はオス・メスともに2〜3kgととても小さく、公認猫種の中で最小といわれています。
※体高…四つ足をついて立ったときの、地面から背中までの高さ
毛色は茶色で1本の声に濃淡があるのが特徴です。腹部は淡い色で薄く、しっぽの先端は黒に近いほど濃い色なっています。前あしの内側には濃い色の横しまが入っています。
小さな体のシンガプーラは、その愛らしい姿そのままに、甘えん坊で優しい猫です。とてもおとなしく、大きな声で泣くこともありません。
好奇心旺盛で明るい面もありますが、ヤキモチ焼きで神経質。多頭飼いよりも飼い主さんとじっくり暮らす方が向いているでしょう。飼い主さんや家族をとても大事にし、とても愛情深く接してくれます。
1974年、アメリカ人夫婦が発見した、シンガポールの下水溝で暮らす土着の小さな猫が起源とされています。この小さな猫をアメリカに連れ帰った夫婦は、「シンガプーラ」と名付けて繁殖を始めました。
妖精のような愛らしさから瞬く間に人気となりましたが、夫婦がアビシニアンを飼っていたことから「作為的に作ったのではないか」と疑われ議論にもなりました。しかし、調査の結果純血種として認められ、現在は世界中で愛されています。
小さな妖精と呼ばれるシンガプーラと一緒に暮らすとなったら、どんなことに気をつければよいのでしょうか。ポイントをチェックしてみましょう。
高い場所が好きなシンガプーラは、棚やタンスの上に登ことが大好きです。また、体が小さいため狭い場所にも入り込んでしまいます。
シンガプーラが過ごす場所に危険なものはないか、危ない場所に入り込む隙間はないかなど十分に確認し、安全に配慮した対策を行いましょう。
寂しがりやで甘えん坊のシンガプーラですが、猫らしい神経質な一面も持ち合わせています。来客時や疲れている時など、1人でゆっくりと落ち着ける環境を用意しておきましょう。
シンガプーラはシンガポールで生息していたため、寒さは大の苦手です。室内飼いを徹底し、冬は室温に注意して暖かく過ごせるように配慮しましょう。また、ベッドには毛布など、潜り込んで暖かく過ごせる場所を用意するのもおすすめです。
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シンガプーラの平均寿命は10~15歳。猫全体の平均寿命が15歳程度なので、平均的な寿命といえます。
日頃から運動量や食事に気をつけるなど健康管理をしっかりすれば、よきパートナーとしてより長い時間一緒に居られる可能性も上がるでしょう。
シンガプーラの注意しておきたい病気について紹介します。
遺伝性の疾患で、ピルビン酸キナーゼという酵素が欠損症し、赤血球が破壊され貧血を起こす病気です。生後2~3ヵ月齢以降に慢性的な貧血が現れますが無症状な場合も多く、有効な治療法はまだ見つかっていません。命に関わることは稀といわれています。
代表的な心疾患です。原因は遺伝性が疑われていますが、詳しくは不明とされています。
心臓の筋肉が肥大し、心室が狭くなることで血液をうまく送れなくなるため、運動をしたがらなくなったり、呼吸困難や身体の麻痺が起こったりする場合もあります。早期発見のために症状が出なくても、定期的に検査を受けるとよいでしょう。
日本の高温多湿の気候は、皮膚炎の原因となります。普段のお手入れの際には毛の下に隠れている皮膚の状態をよく観察し、脱毛や出血がないかしっかりと確認しましょう。
体をかゆがっている様子がみられたり、体を地面に擦り付けていたりする場合には特に注意が必要です
シンガプーラの子猫の相場は30万円前後(2024年7月時点)ほど。性別や色柄、血統によってはさらに高い値段が付けられることもあります。
ペット初心者でも迎えやすいのがペットショップです。シンガプーラが欲しい時、しつけで困った時にお店に行けば相談に応じてもらえるため、ペット初心者におすすめです。
月齢がある程度いった子猫ならばワクチン接種、簡単なしつけが済んでいるケースもあります。
ペットショップでシンガプーラを取り扱っているケースはあまりありません。迎え入れる際は、ブリーダーを利用しましょう。
ブリーダーは、全国各地に存在する猫の繁殖を専門とする人のこと。猫種の知識、飼育経験が豊富なブリーダーから猫を譲り受けることができるため、事前に飼い方、注意点を教わることができます。猫の飼い方がわからないペット初心者でも安心して迎え入れることができるでしょう。
また、実際に親猫の様子を事前に確認することができるため、成猫時のサイズ感などを予測する助けになります。飼育環境などの質問にもきちんと答えてくれる、信頼できるブリーダーを見つけましょう。
里親制度は、保護団体、保健所など引き取り手のいない猫、飼い主さんがいない猫を迎え入れて里親になる制度です。ペットショップ、ブリーダーと比べると費用が掛からないメリットがあります。
ただし、里親募集によっては譲渡、引取後も必要に応じて飼育状況の確認しなければならないケースもあります。また、シンガプーラは数が少ない上、人気猫種なので出会うには運やタイミングが必要です。
猫を迎え入れるまでに、準備しておきたいものは、以下の通りです。2~3万円ほどをみておくとよいでしょう。
【寝床の準備】
・ペットサークル
・クレート(ペット用キャリー)
・ベッド
【日用品の準備】
・キャットフード
・フードボウル
・水飲みボウル
【トイレ用品の準備】
・トイレトレー
・猫砂
・消臭シート
【ケア用品】
・ブラシ
・爪切り
・爪とぎ
・ペット用シャンプー
・歯磨きグッズ
【その他】
・首輪
事前に飼育環境を整えておく必要もあります。危険なもの、噛まれては困るものは片づけるなどしておきましょう。
夏場はクーラーなど空調設備のできるものも備えておくと安全です。余裕があれば、子猫が遊べるおもちゃなども買っておきましょう。
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猫を迎える前に整えておきたい室内のポイント
猫をペットとして迎える時の心構え
ワクチン接種・健康診断の費用として1万円~1万5,000円ほどがかかります。
猫の平均的な飼育費用は、1カ月あたり7,000~1万円になります。
フードやおやつといった食費。価格はピンキリですが、平均すると1カ月で3,000~4,000円ほどかかります。
猫砂や消臭シートなどの日用品が1カ月で800~2,000円前後。
シャンプーなどのお手入れをトリミングサロンにお願いする場合は、その費用も必要になります。平均すると1回あたり、5,000~1万円ほどかかります。
フィラリアやノミ・ダニの予防薬なども含め、健康であっても医療費として年間で2万円ほど必要でしょう。1カ月にすると1,500円程度です。
初めて猫を飼う方の盲点となるのが、ペットの医療事情です。ペットには公的な健康保険がなく、治療費は全額自己負担となります。自由診療のため病院によって料金が異なる点が、人とは違います。
子猫は、異物誤飲や環境変化によるストレス性の軟便や下痢が多いです。
ただし、どちらも場合によっては10万円を越えるケースもあるため、住環境を整えるなど事前の予防や体調の変化に気を付けることが大切です。
お迎えしたばかりの頃は、環境変化によるストレスで軟便や風邪になりやすいので体調の変化にも気を付けてあげましょう。
*ペット&ファミリー損保調べ(2023年4月~2024年3月 保険金支払い実績をもとに算出)
ペットの年齢によって保険料は変わりますが、猫の1ヶ月の保険料は1,300~2,400円*ほど。0~3歳の間に加入するケースが多いです。
ペット保険は、健康でないと加入できず、加入可能年齢が「満7歳まで」のように制限のある場合がほとんど。人と同じように猫も年齢が上がれば病気のリスクも上がるため、早めに加入したいものです。
ペット保険はたくさんの種類があり、どれも同じように見えるかもしれませんが、各保険商品によって補償内容は大きく異なります。
保険料だけではなく、以下の補償内容をよく理解し、最もご自身に適した保険を選ぶようにしましょう。
参照:慢性疾患にも、高額治療にも対応したペット保険!ペット&ファミリー損害保険「げんきナンバーわんスリム プラン50」
家族になる前からたくさんのことを学ぶことで、快適な暮らしをスタートすることができます。お迎えする猫の特徴や費用などをよく知ってよきパートナーとして信頼関係を築いていってくださいね。