アーモンド型の瞳が美しいソマリは、人気の高いアビシニアンの長毛種です。ふわふわの毛や鈴の音に例えられる可愛らしい声が特徴で、野生的な雰囲気と優雅さを兼ね備えています。実は人懐っこく、コミュニケーションが大好きな甘えん坊のソマリ。今回はそんなソマリの魅力と、楽しく暮らすためのポイントについて紹介します。
もくじ
一緒に暮らす家族として人気が高まる猫。様々な種類の猫がそれぞれの魅力で多くの人を魅了しています。今回は、ワイルドでゴージャスな姿で人気が高まっているソマリについて紹介します。
ソマリは筋肉質で野性味あふれる体に美しい長毛を持つ猫です。丸みのある三角形の顔をしており、大きくピンと立った耳の内側には飾り毛があります。目は大きなアーモンド型で、目尻と額から頬にかけて濃い模様が入ります。
体長は40cm前後、体重は2.6kg~4.7kgと引き締まったスリムな体型をしており、つま先立ちをしているように見える足が上品な印象です。
毛は長いダブルコートで密生しており、毛色はルディ(赤褐色)、レッドまたはソレル(赤系の毛色)、フォーン(淡黄褐色の毛色)、ブルーの4種類です。どの毛色も濃淡によってさまざまな色に見え、見る角度によって印象が変わるユニークな毛を持っています。
ソマリは犬のように人懐っこく社交的な性格をしています。活発で遊び好き、人にもよく甘え、中でも飼い主さんのことが大好きです。常に寄り添って一緒に過ごしてくれるので、いつでも猫と一緒に過ごしたい愛猫家にぴったりの性格といえるでしょう。
ただし、寂しさがつのるとストレスを溜め、凶暴化することもあるため注意が必要です。
ソマリのルーツは、1940年代にイギリスのブリーダーが各地に輸出したアビシニアンの中に突然変異で生まれた長毛種だと言われています。1960年代にキャットショーに初登場すると、当初はアビシニアンの純血種の育成を邪魔すると否定的な意見もみられました。
しかし、その美しさに引かれたブリーダーも多く、アメリカやカナダで本格的な繁殖がスタートし、1978年に初めて新しい猫種として認められました。
甘えん坊で遊び好きのソマリと一緒に暮らすとなったら、どんなことに気をつければよいのでしょうか。ポイントをチェックしてみましょう。
ソマリは活発で、運動が好きな猫です。室内で十分な運動ができるようキャットタワーやキャットウォークを設置するなど、上下に移動しながら遊べる環境を整えましょう。
また、おもちゃを使って一緒に遊ぶ時間を作ると、飼い主さんが大好きなソマリはとても喜びます。留守番が長時間になってしまった時などは、時間をとってしっかり遊んであげましょう。
ソマリは活発で好奇心旺盛、猫の中では珍しく水をあまり怖がりません。遊びに夢中になっていれば、水の中に飛び込んでしまうこともあるため、留守番の際はもちろん、普段から水回りの安全には充分に注意しておきましょう。
浴室やトイレへ繋がる扉の開閉や、浴槽やトイレの蓋を閉めておくだけでも落下の危険を防ぐことができます。子猫時代から水回りの安全チェックを怠らないようにすることが大切です。
長毛種のソマリですが、シルクのような毛はあまり絡まることがありません。多くの長毛種に比べると手入れに神経質になることはありませんが、コミュニケーションを兼ねて手入れを習慣にすると良いでしょう。
甘えん坊で寂しがりやのソマリは、飼い主さんの愛情を何よりも欲しがります。寂しくなるとストレスを溜め、問題行動を起こすため飼いにくいといわれることもあります。
毎日のブラッシングで抜け毛を取り除きながら、愛情を確かめ合う時間として楽しむことが大切です。
ソマリの平均寿命は10~15歳と言われています。猫全体の平均寿命が15歳程度と考えられるので、平均的な寿命といえます。日頃から運動量や食事に気をつけるなど健康管理をしっかりすれば、良きパートナーとしてより長い時間一緒に居られるでしょう。
ソマリの注意しておきたい病気について紹介します。
遺伝性の疾患で、ピルビン酸キナーゼという酵素が欠損し、赤血球が破壊され貧血を起こす病気です。生後2~3ヵ月齢以降に慢性的な貧血が現れますが無症状な場合も多く、有効な治療法はまだ見つかっていませんが、命に関わることは稀と言われています。
尿の中に結晶や結石ができ、膀胱や尿道の粘膜を傷つけて炎症を起こす病気です。頻尿や血尿が初期症状で、悪化すれば尿が出なくなってしまいます。普段から尿の回数や色を観察し、気を配るようにしましょう。
目の奥にある網膜が萎縮し、視力が徐々に低下して失明する遺伝性疾患です。多くの猫種で見られ、残念ながらこの疾患に関する治療法はありません。
老齢期に発症することが多く、腎臓の機能が低下することで老廃物を体外に出すことができなくなる病気です。初期は多飲多尿といった変化が現れますが、進行すると食欲不振や体重の極端な減少など全身に症状が現れます。ゆっくりと進行することがほとんどで症状に気が付きにくく、老猫の死因の第一位とも言われています。
神経から筋肉への伝達がうまくいかなくなり、筋力が低下していく病気です。先天性の場合と後天性の場合があり、後天性の場合には、免疫介在性疾患や腫瘍によって引き起こされることもあります。いつもぐったりしている、歩き方がおかしい、声が変わったなど「おかしいな?」と思ったら、早期に検査・治療をスタートすることが大切です。
ソマリの子猫の価格は20〜30万円(2024年7月時点)で、性別や色柄、血統によってはさらに高い値段が付けられています。
ペット初心者でも迎えやすいのがペットショップです。ソマリが欲しい時、しつけで困った時にお店に行けば相談に応じてもらえるため、ペット初心者におすすめです。
月齢がある程度いった子猫ならばワクチン接種、簡単なしつけが済んでいるケースもあります。
ブリーダーは、全国各地に存在する猫の繁殖を専門とする人のこと。猫種の知識、飼育経験が豊富なブリーダーから猫を譲り受けることができるため、事前に飼い方、注意点を教わることができます。猫の飼い方がわからないペット初心者でも安心して迎え入れることができるでしょう。
また、実際に親猫の様子を事前に確認することができるため、成猫時のサイズ感などを予測する助けになります。飼育環境などの質問にもきちんと答えてくれる、信頼できるブリーダーを見つけましょう。
里親制度は、保護団体、保健所など引き取り手のいない猫、飼い主さんがいない猫を迎え入れて里親になる制度です。ペットショップ、ブリーダーと比べると費用が掛からないメリットがあります。
ただし、里親募集によっては譲渡、引取後も必要に応じて飼育状況の確認しなければならないケースもあります。また、ソマリは数が少ない上、人気猫種なので出会うには運やタイミングが必要です。
猫を迎え入れるまでに、準備しておきたいものは、以下の通りです。2~3万円ほどをみておくとよいでしょう。
【寝床の準備】
・ペットサークル
・クレート(ペット用キャリー)
・ベッド
【日用品の準備】
・キャットフード
・フードボウル
・水飲みボウル
【トイレ用品の準備】
・トイレトレー
・猫砂
・消臭シート
【ケア用品】
・ブラシ
・爪切り
・爪とぎ
・ペット用シャンプー
・歯磨きグッズ
【その他】
・首輪
事前に飼育環境を整えておく必要もあります。危険なもの、噛まれては困るものは片づけるなどしておきましょう。
夏場はクーラーなど空調設備のできるものも備えておくと安全です。余裕があれば、子猫が遊べるおもちゃなども買っておきましょう。
【関連リンク】
猫を迎える前に準備しておきたいもの
猫を迎える前に整えておきたい室内のポイント
猫をペットとして迎える時の心構え
ワクチン接種・健康診断の費用として1万円~1万5,000円ほどがかかります。
猫の平均的な飼育費用は、1カ月あたり7,000~1万円になります。
フードやおやつといった食費。価格はピンキリですが、平均すると1カ月で3,000~4,000円ほどかかります。
猫砂や消臭シートなどの日用品が1カ月で800~2,000円前後。
シャンプーなどのお手入れをトリミングサロンにお願いする場合は、その費用も必要になります。平均すると1回あたり、5,000~1万円ほどかかります。
フィラリアやノミ・ダニの予防薬なども含め、健康であっても医療費として年間で2万円ほど必要でしょう。1カ月にすると1,500円程度です。
初めて猫を飼う方の盲点となるのが、ペットの医療事情です。ペットには公的な健康保険がなく、治療費は全額自己負担となります。自由診療のため病院によって料金が異なる点が、人とは違います。
子猫は、異物誤飲や環境変化によるストレス性の軟便や下痢が多いです。
ただし、どちらも場合によっては10万円を越えるケースもあるため、住環境を整えるなど事前の予防や体調の変化に気を付けることが大切です。
お迎えしたばかりの頃は、環境変化によるストレスで軟便や風邪になりやすいので体調の変化にも気を付けてあげましょう。
*ペット&ファミリー損保調べ(2023年4月~2024年3月 保険金支払い実績をもとに算出)
ペットの年齢によって保険料は変わりますが、猫の1ヶ月の保険料は1,300~2,400円*ほど。0~3歳の間に加入するケースが多いです。
ペット保険は、健康でないと加入できず、加入可能年齢が「満7歳まで」のように制限のある場合がほとんど。人と同じように猫も年齢が上がれば病気のリスクも上がるため、早めに加入したいものです。
ペット保険はたくさんの種類があり、どれも同じように見えるかもしれませんが、各保険商品によって補償内容は大きく異なります。
保険料だけではなく、以下の補償内容をよく理解し、最もご自身に適した保険を選ぶようにしましょう。
参照:慢性疾患にも、高額治療にも対応したペット保険!ペット&ファミリー損害保険「げんきナンバーわんスリム プラン50」
家族になる前からたくさんのことを学ぶことで、快適な暮らしをスタートすることができます。お迎えする猫の特徴や費用などをよく知ってよきパートナーとして信頼関係を築いていってくださいね。