アビシニアンは、足が長くてスラッとした体格が特徴の猫。クールな見た目ではあるものの、活発で甘えん坊、人懐っこいところもあり、ペットとしても人気があります。これからアビシニアンをペットとして迎え入れたい人にとって、猫のしつけ方、特徴は気になるところ。本記事では、アビシニアンをペットとして迎え入れたいと考えている方向けに、アビシニアンの特徴、性格、しつけ方などを紹介していきます。
もくじ
アビシニアンの特徴や性格について紹介します。
アビシニアンは、すらっとした足、丸みのある顔、アーモンド形の瞳が特徴の猫です。目じりにあるアイラインの模様が、大きな瞳をさらに引き立てる美しい猫です。
アビシニアンの体高は40~60cm、体重は3~5kgほどの大きさになります。アビシニアンは、生後約1年で成猫になります。
※体高…四つ足をついて立ったときの、地面から背中までの高さのこと。
毛色は、ルディ(赤褐色)、フォーン(淡黄褐色)、ブルー、レッド、またはソレル(赤系の毛色)の4種類です。アビシニアンの毛には1本の毛に濃い色、薄い色が交互に入っており、この毛のことをティッキングと呼びます。
アビシニアンは温厚、従順で賢く、家族に愛情深い性格のため、ペットとしても飼いやすい猫種です。活発な性格で、部屋中を駆け回ったり、高いところから飛び降りたり。イタズラも大好きです。人懐っこい性格で遊びが大好きなので、積極的にコミュニケーションをとってあげましょう。
ただし、好奇心旺盛なため、興奮して家から脱走しないよう、ドアや窓を開けっぱなしにしないよう注意しましょう。
アビシニアンは、約4000年前の古代エジプト壁画に書かれた猫がモデルであるという説や、1868年にアビシニアからイギリスに持ち込まれた「ズーラ」という名前の猫が品種改良されたものだという説がありますが、いずれの説も明確な証拠はありません。
20世紀初めにイギリス国内で絶滅の危機に陥りましたが、アメリカやフランスの協力により1930年代に復活し、その後は短毛種との交配によって現在の姿に至っています。
次に、アビシニアンの飼い方のポイントについて紹介していきます。
アビシニアンはフレンドリーな性格なので、一緒に遊んでコミュニケーションを取るようにすると絆が深まり、しつけしやすくなります。少しでも時間を作って、自分も猫と一緒に運動してあげるとよいでしょう。
また、アビシニアンは猫種のなかでは珍しく水をあまり怖がらない品種のため、子猫のうちからシャワーに慣れさせておくとお風呂もスムーズです。
アビシニアンは非常に活動的な性格のため、家の中でほったらかしにしておくと部屋中駆け回る可能性が高いです。家の中でも充分運動できるように、部屋にキャットタワーなどを置いたり、動き回れる広さを確保したりしてあげるとよいでしょう。
アビシニアンが快適に過ごせるように、四季を通して過ごしやすい環境を整えてあげることが大切です。暑い夏、寒い冬など、季節に合わせて室温を適切に保ちましょう。夏場、冬場はエアコンで室温を調整すると便利です。
【関連記事】
猫にとっての「適温」とは?快適な猫生活を目指そう!
アビシニアンは、短毛ダブルコートの猫種です。長毛ではないため頻繁にブラッシングを行う必要はありませんが、飼い主さんとのコミュニケーションにもなるので、1日に1回は獣毛ブラッシングでブラッシングしてあげるとよいでしょう。
アビシニアンの平均寿命は10〜14歳です。猫全体の平均寿命は15歳なので、平均と比較すると少し短めです。長く元気でいてもらうためにも、日頃から愛情を持って接してあげましょう。
アビシニアンの注意しておきたい具体的な病気についてご介します。
慢性腎不全は腎臓がダメージを受けて、老廃物が上手く体内から排出できなくなる病気です。病気になると多飲多尿、食欲不振、体重減少、嘔吐やけいれんなどの症状がみられます。気になる症状を見かけたら、獣医師に相談しましょう。
拡張型心筋症は、心臓の筋肉が薄くなり、血液が体全体に行き渡らなくなってしまう病気です。口を開けて呼吸をする、よだれを垂らす、苦しそうな呼吸、血栓症などの症状がみられます。血栓症になると、足のむくみ、下半身が冷たくなる、後ろ足を引きずるなどの症状が現れます。
血栓症は緊急性の高い病気ですので症状に気付いたらすぐに病院へ行きましょう。
アミロイドーシスは、心臓、肝臓、腎臓、消化器、末梢神経などの臓器の動きが悪くなる病気です。とくにアビシニアンは、他の猫種より遺伝的にアミロイドの構造に変異があり、アミロイドーシスを発症しやすい猫種とされています。
病気になると食欲不振、痩せる、無気力になるなどの症状がみられるようになるので、気になったら病院で相談してみるといいでしょう。
ピルピン酸キナーゼは、赤血球上にあるピルピンキナーゼと呼ばれる酵素が欠損し、貧血、黄疸、脾腫(ひしゅ)などの症状がみられる病気です。診断方法は、血液検査や遺伝子検査などで確認します。貧血や黄疸が見られたら、ただちに病院で診てもらいましょう。
進行性網膜萎縮は、1977年スウェーデンにいたアビシニアンで確認された遺伝性疾患の一種です。病気を持ったアビシニアンが繁殖猫にされていたことから、疾患遺伝子が多くの子孫に受け継がれました。進行性網膜萎縮になると徐々に視力が低下し、最終的に失明に至ってしまう病気です。
見え方に異変を感じる、または声をかけても飼い主の方向にすぐ来なくなるなどの症状が見られたら病院に行って診てもらいましょう。
重症筋無力症は、神経から筋肉への指令が上手くいかなくなり、筋肉の疲労、脱力がおきる病気です。かかってしまうと、上手く歩けなくなって衰弱していく傾向があります。歩き方に異変が見られたら、病院で診てもらうようにしましょう。
アビシニアンの子猫の価格は、20万円前後(2024年7月現在)。ただし、値段は性別、血統、購入方法によって変動します。
ペット初心者でも迎えやすいのがペットショップです。アビシニアンが欲しい時、しつけで困った時にお店に行けば相談に応じてもらえるため、ペット初心者におすすめです。月齢がある程度いった子猫ならばワクチン接種、簡単なしつけが済んでいるケースもあります。
ただし、必ずしもアビシニアンとペットショップで出会えるとは限らないので、お迎えを検討している方は、事前に電話などで確認した方がよいでしょう。
ブリーダーは、全国各地に存在する猫の繁殖を専門とする人のこと。猫種の知識、飼育経験が豊富なブリーダーから猫を譲り受けることができるため、事前に飼い方、注意点を教わることができます。猫の飼い方がわからないペット初心者でも安心して迎え入れることができるでしょう。
また、実際に親猫の様子を事前に確認することができるため、成猫時のサイズ感などを予測する助けになります。飼育環境などの質問にもきちんと答えてくれる、信頼できるブリーダーを見つけましょう。
里親制度は、保護団体、保健所など引き取り手のいない猫、飼い主さんがいない猫を迎え入れて里親になる制度です。ペットショップ、ブリーダーと比べると費用が掛からないメリットがあります。
ただし、里親募集によっては譲渡、引取後も必要に応じて飼育状況の確認しなければならないケースもあります。
猫を迎え入れるまでに、準備しておきたいものは、以下の通りです。2~3万円ほどをみておくとよいでしょう。
【寝床の準備】
・ペットサークル
・クレート(ペット用キャリー)
・ベッド
【日用品の準備】
・キャットフード
・フードボウル
・水飲みボウル
【トイレ用品の準備】
・トイレトレー
・猫砂
・消臭シート
【ケア用品】
・ブラシ
・爪切り
・爪とぎ
・ペット用シャンプー
・歯磨きグッズ
【その他】
・首輪
事前に飼育環境を整えておく必要もあります。危険なもの、噛まれては困るものは片づけるなどしておきましょう。
夏場はクーラーなど空調設備のできるものも備えておくと安全です。余裕があれば、子猫が遊べるおもちゃなども買っておきましょう。
【関連リンク】
猫を迎える前に準備しておきたいもの
猫を迎える前に整えておきたい室内のポイント
猫をペットとして迎える時の心構え
ワクチン接種・健康診断の費用として1万円~1万5,000円ほどがかかります。
猫の平均的な飼育費用は、1カ月あたり7,000~1万円になります。
フードやおやつといった食費。価格はピンキリですが、平均すると1カ月で3,000~4,000円ほどかかります。
猫砂や消臭シートなどの日用品が1カ月で800~2,000円前後。
シャンプーなどのお手入れをトリミングサロンにお願いする場合は、その費用も必要になります。平均すると1回あたり、5,000~1万円ほどかかります。
フィラリアやノミ・ダニの予防薬なども含め、健康であっても医療費として年間で2万円ほど必要でしょう。1カ月にすると1,500円程度です。
初めて猫を飼う方の盲点となるのが、ペットの医療事情です。ペットには公的な健康保険がなく、治療費は全額自己負担となります。自由診療のため病院によって料金が異なる点が、人とは違います。
子猫は、異物誤飲や環境変化によるストレス性の軟便や下痢が多いです。
ただし、どちらも場合によっては10万円を越えるケースもあるため、住環境を整えるなど事前の予防や体調の変化に気を付けることが大切です。
お迎えしたばかりの頃は、環境変化によるストレスで軟便や風邪になりやすいので体調の変化にも気を付けてあげましょう。
*ペット&ファミリー損保調べ(2023年4月~2024年3月 保険金支払い実績をもとに算出)
ペットの年齢によって保険料は変わりますが、猫の1ヶ月の保険料は1,300~2,400円*ほど。0~3歳の間に加入するケースが多いです。
ペット保険は、健康でないと加入できず、加入可能年齢が「満7歳まで」のように制限のある場合がほとんど。人と同じように猫も年齢が上がれば病気のリスクも上がるため、早めに加入したいものです。
ペット保険はたくさんの種類があり、どれも同じように見えるかもしれませんが、各保険商品によって補償内容は大きく異なります。
保険料だけではなく、以下の補償内容をよく理解し、最もご自身に適した保険を選ぶようにしましょう。
参照:慢性疾患にも、高額治療にも対応したペット保険!ペット&ファミリー損害保険「げんきナンバーわんスリム プラン50」
家族になる前からたくさんのことを学ぶことで、快適な暮らしをスタートすることができます。お迎えする猫の特徴や費用などをよく知ってよきパートナーとして信頼関係を築いていってくださいね。