プードルの中でも最も大きいサイズのスタンダード・プードル。一目でそれと分かる可愛らしさと堂々とした姿に、虜になる人も多いはず。動く大きなぬいぐるみといわれる、年齢問わず愛されるスタンダード・プードルの、特徴や飼い方、性格などを総合的に紹介します。
もくじ
ふわふわして愛らしい雰囲気のスタンダード・プードル。プードルの中でも大型犬であることから、小型のプードルよりも珍しいといえます。どんな特徴があるのでしょうか、その魅力を紹介します。
プードル種の中で一番大きいサイズのスタンダード・プードル。大型犬の部類にあり、現在では数が少ないですが、実は16世紀から長年愛されている歴史ある犬種です。この頃から小型化の改良がされてきました。
プードルすべてのサイズにスタンダードが定められている、歴史ある犬種であることからドッグショーでも、とても人気があります。プードルはウォータードッグの歴史があることから、水中を泳ぎやすいよう、後ろ足の毛を刈る独特なカットスタイルになりました。
体高は「大きなぬいぐるみ」といわれるほど大きく、45~60cm程度。ふわふわの巻き毛は濡れても乾きやすい特徴があり、空気を含みやすいことから足先を丸く残して「浮き」としての役割もありました。体重は10~20㎏が適正体重とされています。10㎏も幅があるのは、オス・メスの違いではなく、それだけ個体差があるためです。体重の数字よりも、バランス良く筋肉がついているかで判断をします。
また、プードルは大きさによって4種類に分かれます。それぞれの種類や大きさについて詳しくはこちらをご覧ください。
プードルの種類と価格相場は?
※体高…四つ足をついて立ったときの、地面から背中までの高さ
他のサイズのプードルと同様に、毛色にはブラック、ホワイト、レッド、アプリコット、クリーム、シルバーなど11種類もの毛色が存在します。またすべて単一色となっています。
プードルはどのサイズも忠実で賢い性格です。人に対してフレンドリーで温和な面が家庭犬として愛されています。特に子犬の頃には活発で、好奇心旺盛で遊び好きな面が目立つでしょう。
歴史上猟犬だったことから、時々見せる警戒心もありますが、賢く聡明なためにこのように見えることがあります。オスよりもメスのほうが穏やかで物静かな傾向があります。
フランス原産といわれるスタンダード・プードルですが、各地にプードルに似た犬種が存在していたため、作出ルートははっきりしていません。カモ猟のパートナーとして働いていた歴史のある犬種で、水に入ることも多く、被毛が空気を含みやすい巻き毛であることもここから来ています。
可愛らしい見た目と賢さをあわせ持つスタンダード・プードル。では具体的な飼育ポイントをご紹介します。
スタンダード・プードルは賢く飼いやすい性格です。しかし、力の強い大型犬であるため、その制御やしつけに苦労することがあるでしょう。やってはいけないことを教えないと、実際の生活では暮らしにくくなってしまいます。
猟犬特有の警戒心もあるため、普段からマイナス部分を出さないようしつけ、吠え癖をつけないように教える必要があります。スタンダード・プードルは好奇心をくすぐると言葉をたくさんおぼえてくれます。遊びながら教えていくのが良いでしょう。訓練に出すのも良いしつけ方です。
運動量が多い大型犬なので、毎日1時間以上は運動させるようにしましょう。そして日常生活はゆとりを持って暮らし、ストレスをためさせないように配慮してあげると調子よく過ごせます。普段からドッグランに慣れると、他の犬ともフレンドリーに接するようになり、良いしつけの一環になります。
大型犬は関節障害になることが多いため、床や階段などはすべらないようカーペットを敷きましょう。ペット用の滑り止めも販売されています。家の中でも大型犬は骨折や股関節脱臼が多く発生しますから、環境作りには特に配慮が必要です。
スタンダード・プードルの平均寿命は12~15歳前後といわれています。プードルの中では一番短く、大型犬特有の短命さがあります。
スタンダード・プードルの注意しておきたい病気について紹介します。
副腎という器官が分泌するコルチゾールというホルモンが低下することにより、様々な症状が発生する病気です。4歳頃から見られることが多く、メスに多い傾向があります。多飲多尿や食欲不振、下痢など、初期段階では他の病気との区別はつかない状態ですが、早期発見が鍵となりますので、定期的な検査が大切です。
アジソン病とは反対に、コルチゾールが過剰分泌されることで引き起こされる病気です。同様に多飲多尿があるほか、多食、腹部膨満などがあることから、よく食べるがゆえの肥満だと思われ発見が遅れる場合が多くあります。こちらも定期的な検査によって早期発見が鍵となります。
胃腸が拡張することでソーセージのように捻じれてしまい、胃や周辺の血流が悪くなることで起こる病気です。ショック症状に陥るため、緊急措置が必要となる恐ろしい症状です。大型犬に特に多いとされ、食後すぐの激しい運動で引き起こされることが多くあります。一度起こると再発しやすくなるため、子犬頃から気を付けて過ごさせましょう。
トイプードル特有の皮膚炎といわれています。免疫の異常が原因で起こる症状で、皮膚が極度に乾燥し、がさがさになります。脱毛が激しく、すかすかの被毛になりますが、脱毛以外は起こりません。
場合によっては脱毛部分の毛が生えてこないこともあるといわれています。治療方法は、投薬と良質なドッグフードで内部から、皮膚のお手入れで外部から、これら両方の治療を同時に進めていくことになります。
スタンダード・プードルの子犬の価格は15~30万円前後(2024年7月時点)。色によって大きく変動します。ホワイトやブラックは比較的安価になりますが、アプリコットは人気のため高価になる傾向があります。
日本のペットショップで、スタンダード・プードルを見かけることは少ないです。国内のブリーダーもそう多くはありませんが、スタンダード・プードルを迎えたいと思ったらブリーダーからの紹介が主な方法となるでしょう。
ブリーダーは、全国各地に存在する犬の繁殖を専門とする人のこと。犬種の知識、飼育経験が豊富なブリーダーから犬を譲り受けることができるため、事前に飼い方、注意点を教わることができます。犬の飼い方がわからないペット初心者でも安心して迎え入れることができるでしょう。
また、実際に親犬の様子を事前に確認することができるため、成犬時のサイズ感などを予測する助けになります。劣悪な環境で繁殖している業者もいるため、飼育環境などの質問にもきちんと答えてくれる、信頼できるブリーダーを見つけましょう。
里親制度は、保護団体、保健所など引き取り手のいない犬、飼い主さんがいない犬を迎え入れて里親になる制度です。ペットショップ、ブリーダーと比べると費用が掛からないメリットがあります。
ただし、里親募集によっては譲渡、引取後も必要に応じて飼育状況の確認しなければならないケースもあります。また、スタンダード・プードルは数が少ない上、人気犬種なので出会うには運やタイミングが必要です。
犬を迎え入れるまでに、準備しておきたいものは、以下の通りです。約4~5万円ほどをみておくとよいでしょう。
【寝床の準備】
・ペットサークル
・クレート(ペット用キャリー)
・ベッド
【日用品の準備】
・ドッグフード
・フードボウル
・水飲みボウル
【トイレ用品の準備】
・トイレトレー
・トイレシーツ
【ケア用品】
・ブラシ
・爪切り
・ペット用シャンプー
・歯磨きグッズ
【その他】
・首輪
・リード
事前に飼育環境を整えておく必要もあります。危険なもの、噛まれては困るものは片づけるなどしておきましょう。
夏場はクーラーなど空調設備のできるものも備えておくと安全です。余裕があれば、犬が遊べるおもちゃなども買っておきましょう。
【関連リンク】
犬を迎える前に準備しておきたいもの
犬を迎える前に整えておきたい室内のポイント
犬をペットとして迎える時の心構え
役所への登録料やワクチン接種・健康診断の費用として2万~3万円ほどがかかります。
大型犬の平均的な飼育費用は、1カ月あたり2万~4万円になります。
フードやおやつといった食費。価格はピンキリですが、平均すると1カ月で5,000~1万2,000円ほどかかります。
トイレシーツなどの日用品が1カ月で5,000~1万4,000円前後。
シャンプーなどのお手入れをトリミングサロンにお願いする場合は、大型犬の場合1回1万円以上かかるでしょう。
フィラリアやノミ・ダニの予防薬なども含め、健康であっても医療費として年間で4~6万円ほど必要でしょう。1カ月にすると4,000円程度です。
初めて犬を飼う方の盲点となるのが、ペットの医療事情です。ペットには公的な健康保険がなく、治療費は全額自己負担となります。自由診療のため病院によって料金が異なる点が、人とは違います。
子犬は、骨折や異物誤飲が多いです。
ただし、どちらも場合によっては20万円を越えるケースもあるため、住環境を整えるなど事前の予防が大切です。
お迎えしたばかりの頃は環境変化によるストレスで軟便や風邪にもなりやすいので体調の変化にも気を付けてあげましょう。
*ペット&ファミリー損保調べ(2023年4月~2024年3月 保険金支払い実績をもとに算出)
ペットの年齢によって保険料は変わりますが、大型犬の1ヶ月の保険料は2,300~5,900円*ほど。0~3歳の間に加入するケースが多いです。
ペット保険は、健康でないと加入できず、加入可能年齢が「満7歳まで」のように制限のある場合がほとんど。人と同じように犬も年齢が上がれば病気のリスクも上がるため、早めに加入したいものです。
ペット保険はたくさんの種類があり、どれも同じように見えるかもしれませんが、各保険商品によって補償内容は大きく異なります。
保険料だけではなく、以下の補償内容をよく理解し、最もご自身に適した保険を選ぶようにしましょう。
*参照:慢性疾患にも、高額治療にも対応したペット保険!ペット&ファミリー損害保険「げんきナンバーわんスリム プラン50」
*犬の加入タイプ(小型犬・中型犬・大型犬・特大犬)は、ご加入時・ご継続時の体重で決まります。ただし、1歳未満の幼犬の場合「犬種分類表」を参考に、1歳時のおおよその予測体重で加入タイプが決まります。
家族になる前からたくさんのことを学ぶことで、快適な暮らしをスタートすることができます。お迎えする犬の特徴や費用などをよく知ってよきパートナーとして信頼関係を築いていってくださいね。