シャム猫(サイアミーズ)の美しいブルーの瞳に魅了される人も多いでしょう。スラリとした筋肉質のボディでありながら攻撃性はなく、人懐こく可愛らしい性格で、私たちの長年の人気を集めています。そんなシャム猫について、飼い方のポイントや入手方法などをご紹介します。
もくじ
まずは、シャム猫(サイアミーズ)がどのような猫なのかをご紹介します。
大きな耳や逆三角形のくさびがたの顔が特徴的なシャム猫。イメージの中でも大きな耳や長い尻尾、スラリとしたボディを思い描くのではないでしょうか。
スリムで引き締まった筋肉質な体に、細く長い手足やしっぽが優雅な美しい容姿。そして顔や足先など末端の黒いポイント模様。サファイヤブルーの目がシャム猫の条件とされています。
平均体重は3~5㎏で、オスがやや大きくなります。
※体高…四つ足をついて立ったときの、地面から背中までの高さ
シャム猫の毛色には白色はなく、クリームが基本。その他に、ブルーやシール、ライラック、チョコレートという4つのポイントカラーが入るバリエーションがあります。
ブルー・ポイント:青みがかった薄い灰色に、青みがかった濃い灰色のポイントが入る
シール・ポイント:クリーム色に、黒っぽい焦げ茶色のポイントが入る
ライラック・ポイント:ブルー・ポイントよりも薄い灰色のポイントカラーが入る
チョコレート・ポイント:シール・ポイントよりも色が薄めで、チョコレートのような色合い
シャム猫は、人と触れ合うことが大好き。飼い主さんの膝や肩にのることも珍しくありません。コミュニケーションをとることも得意で、話しかけるように鳴くことも多いため、「よく鳴く猫」といわれることも。
ただし、気難しい一面もあり、長時間ひとりで留守番をするのは苦手なようです。飼い主さんには忠実なので、要求にこたえてあげることで信頼関係を築きましょう。
シャム猫の正確な起源は不明なものの、500年以上前からタイ王室で飼われていたといわれています。1884年に初めて血統書付きのシャム猫がイギリスに渡り、アメリカを経て1940~50年代に世界中の人気をあつめました。
日本でも1950年代に人気が高まり、親しまれています。
続いて、シャム猫を飼う際のポイントをお伝えします。
日中は寝ていることが多いため、日中でも落ち着ける寝床を作ってあげましょう。また、起きている時はとても活発です。好きなように上下活動ができるよう、キャットウォークやキャットタワーを設置してあげましょう。高いところも運動も大好きなのでよく遊んであげるとストレス解消になります。
ただし、誤飲や怪我などに注意して、部屋を片付けてから遊ばせましょう。
タイ出身のシャム猫。寒さに弱いためか、人肌に触れているのが大好き。抱っこやべったりくっついたお昼寝など、甘えられたい人に向いている猫種です。
安心感を与えるためにも、家にいる時間を少し増やしてスキンシップタイムを頻繁に取ってあげると良いでしょう。
シャム猫はおしゃべりが大好きだといわれます。飼い主さんに対して話しかけるように鳴くことが多く、応じると喜びます。一緒に遊んであげる時間を取ってあげましょう。
どのシャム猫も賢く飼い主さんに忠実な性格です。あまりひとりぼっちにしないようにすると、いたずらなどの問題も起こりにくくなります。
シャム猫の寿命は12~15歳前後です。現在では他の猫と比べて比較的長寿だといわれています。
シャム猫がかかりやすいといわれている病気を紹介します。
シャム猫はもともと遺伝病が多いといわれており、その代表的な一つが拡張型心筋症です。心臓内の心筋が肥大し血流が滞ることで症状を起こします。
初期症状は発見が難しいですが、疲れやすい様子や運動を嫌がる様子、息切れなどがあればすみやかに検査をおこないましょう。
食道が拡張し、食べ物が逆流して未消化物が溜まってしまう病気です。胃まで食べ物が落ちないことが多く、そのため吐き戻しが増える症状に悩まされてしまいます。
理由は分かっておらず、猫の発症は珍しいとも言われます。もし発症した場合は放置せず、栄養状態など様々な検査を早めにおこないましょう。
黒目が顔の中央に寄ってしまい、視野が狭くなるなど視覚障害が起きる病気です。視力が落ち、物にぶつかって歩くようになります。遊んでいても反応が鈍くなり、不安感から飼い主さんにべったりになる猫も。
些細な変化を見逃さず、早期発見に努めましょう。
猫の場合、腎不全から尿石症を発症するケースが多くあります。特に尿道の狭いオスに多い病気です。猫はもともと水分摂取量が少なく、尿量を増やすことで結石を流すのは難しいことが多いです。ですが尿石症は療法食で緩やかに体質をコントロールすることで良くなりますので、子供の頃からのフード選びが重要です。
良質なプレミアムフードを与え病気になりにくい体質を目指しましょう。
気管支の慢性的な炎症が起こる病気です。気管支が発作的にむくんだり収縮したりして症状が出ます。
シャム猫は特にぜんそくになりやすい傾向があるといわれていますが、みずからの苦しみを主張できませんので、早めに気づけるかどうかで対処も変わってくるでしょう。
乳びという脂肪を含んだリンパ液が胸膜に溜まる病気です。症状は咳や呼吸困難など、呼吸器の病気に似ているため間違われやすく発見が困難といわれています。
不明点も多い病気ですから、早く気づいて様々な可能性を探ることが大切でしょう。
シャム猫を迎え入れる際の費用はおよそ20万円前後(2024年7月時点)です。入手経路や、迎え入れる際に準備しておきたいものについてご紹介しましょう。
ペット初心者でも迎えやすいのがペットショップです。シャム猫が欲しい時、しつけで困った時にお店に行けば相談に応じてもらえるため、ペット初心者におすすめです。
月齢がある程度いった子猫ならばワクチン接種、簡単なしつけが済んでいるケースもあります。ただし、シャム猫はペットショップにいることはまれなため、お店に予約を入れるなどして、根気よく探してみましょう。
ブリーダーは、全国各地に存在する猫の繁殖を専門とする人のこと。猫種の知識、飼育経験が豊富なブリーダーから猫を譲り受けることができるため、事前に飼い方、注意点を教わることができます。猫の飼い方がわからないペット初心者でも安心して迎え入れることができるでしょう。
また、実際に親猫の様子を事前に確認することができるため、成猫時のサイズ感などを予測する助けになります。飼育環境などの質問にもきちんと答えてくれる、信頼できるブリーダーを見つけましょう。
シャム猫の数が全体的に減っていることから、ペットショップと同様にブリーダー探しも時間がかかるかもしれません。近隣県にも範囲を広げ、インターネットなども使って気長に探してみましょう。
里親制度は、保護団体、保健所など引き取り手のいない猫、飼い主さんがいない猫を迎え入れて里親になる制度です。ペットショップ、ブリーダーと比べると費用が掛からないメリットがあります。
ただし、里親募集によっては譲渡、引取後も必要に応じて飼育状況の確認しなければならないケースもあります。
シャム猫の里親募集は少ないようです。純血種のシャム猫ではなくシャムのミックスだったり、子猫とは限らなかったりしますが、根気よく好みの猫を探してみましょう。
猫を迎え入れるまでに、準備しておきたいものは、以下の通りです。2~3万円ほどをみておくとよいでしょう。
【寝床の準備】
・ペットサークル
・クレート(ペット用キャリー)
・ベッド
【日用品の準備】
・キャットフード
・フードボウル
・水飲みボウル
【トイレ用品の準備】
・トイレトレー
・猫砂
・消臭シート
【ケア用品】
・ブラシ
・爪切り
・爪とぎ
・ペット用シャンプー
・歯磨きグッズ
【その他】
・首輪
事前に飼育環境を整えておく必要もあります。危険なもの、噛まれては困るものは片づけるなどしておきましょう。
夏場はクーラーなど空調設備のできるものも備えておくと安全です。余裕があれば、子猫が遊べるおもちゃなども買っておきましょう。
【関連リンク】
猫を迎える前に準備しておきたいもの
猫を迎える前に整えておきたい室内のポイント
猫をペットとして迎える時の心構え
ワクチン接種・健康診断の費用として1万円~1万5,000円ほどがかかります。
猫の平均的な飼育費用は、1カ月あたり7,000~1万円になります。
フードやおやつといった食費。価格はピンキリですが、平均すると1カ月で3,000~4,000円ほどかかります。
猫砂や消臭シートなどの日用品が1カ月で800~2,000円前後。
シャンプーなどのお手入れをトリミングサロンにお願いする場合は、その費用も必要になります。平均すると1回あたり、5,000~1万円ほどかかります。
フィラリアやノミ・ダニの予防薬なども含め、健康であっても医療費として年間で2万円ほど必要でしょう。1カ月にすると1,500円程度です。
初めて猫を飼う方の盲点となるのが、ペットの医療事情です。ペットには公的な健康保険がなく、治療費は全額自己負担となります。自由診療のため病院によって料金が異なる点が、人とは違います。
子猫は、異物誤飲や環境変化によるストレス性の軟便や下痢が多いです。
ただし、どちらも場合によっては10万円を越えるケースもあるため、住環境を整えるなど事前の予防や体調の変化に気を付けることが大切です。
お迎えしたばかりの頃は、環境変化によるストレスで軟便や風邪になりやすいので体調の変化にも気を付けてあげましょう。
*ペット&ファミリー損保調べ(2023年4月~2024年3月 保険金支払い実績をもとに算出)
ペットの年齢によって保険料は変わりますが、猫の1ヶ月の保険料は1,300~2,400円*ほど。0~3歳の間に加入するケースが多いです。
ペット保険は、健康でないと加入できず、加入可能年齢が「満7歳まで」のように制限のある場合がほとんど。人と同じように猫も年齢が上がれば病気のリスクも上がるため、早めに加入したいものです。
ペット保険はたくさんの種類があり、どれも同じように見えるかもしれませんが、各保険商品によって補償内容は大きく異なります。
保険料だけではなく、以下の補償内容をよく理解し、最もご自身に適した保険を選ぶようにしましょう。
参照:慢性疾患にも、高額治療にも対応したペット保険!ペット&ファミリー損害保険「げんきナンバーわんスリム プラン50」
家族になる前からたくさんのことを学ぶことで、快適な暮らしをスタートすることができます。お迎えする猫の特徴や費用などをよく知ってよきパートナーとして信頼関係を築いていってくださいね。