犬との暮らしに憧れていても、どうすれば自分にぴったりの犬が見つけられるのか分からない人は多いのではないでしょうか。一口に犬といってもたくさんの犬種があり、それぞれ性格や飼育に必要な環境も違います。自分のライフスタイルや犬と一緒にしたいことを考えて、自分にあった犬を選びましょう。
もくじ
犬を飼いたいと思ったとき、最初に悩むのが「本当に飼えるのか」ということです。街で見かける犬や愛犬家のブログ、書籍などでさまざまなイメージを膨らませていくのはとても楽しいことですが、その前にまずは自分のライフスタイルを振り返ってみることが大切。
ここでは、犬を飼えるか判断する際のポイントをお伝えしていきます。
まず、ペットと暮らす住環境について考えます。あなたが暮らしているのはマンションですか。それとも一戸建てですか。
マンションの場合はまず、規約によってペットが飼えるかどうかを確認することからスタートしましょう。また、ペット可であっても飼える頭数や犬の大きさに制限がある場合もありますので注意が必要です。一戸建ての場合は、家族の同意を得ることが大切です。
次に、ペットのための十分なスペースが確保できるかどうかを考えます。ワンルームマンションでも、あまり運動量が必要のない小型犬なら大丈夫。大型犬と暮らすのならもう少し広いところへの引越しを検討した方が良いかもしれません。
今住んでいる家が少し手狭かなと思っても、庭があったり十分に運動ができる公園やドッグランなどが近隣にあれば、話は変わってきます。毎日十分に運動できる環境があれば、運動量が豊富な大型犬との暮らしも夢ではないでしょう。
また、鳴き声や臭いなどへの配慮も必要です。近隣との距離が近い場合は、できれば無駄吠えが少なくおっとりした犬種や、鳴き声があまりうるさくない犬種を選んで、ご近所トラブルを起こさないように注意したいものです。
大型犬の飼育には広いスペースが必要になりますが、性格は穏やかで無駄吠えをしない犬種が多いと言われています。そのため、飼育スペースさえ確保できれば、鳴き声でトラブルになることは少ないかもしれません。
次に考えたいのは家族構成です。
あなたが一人暮らしなら、仕事中や外出中は犬が一人で留守番をすることになります。留守番が犬にとってストレスにならないよう、我慢強く穏やかな犬種を選びましょう。
家族がたくさんいていつも家に誰かがいるような家庭なら、甘えん坊の犬種でも大丈夫です。散歩などの世話を家族で分担すれば、みんなの愛情を受けて犬ものびのびと暮らすことができます。家族にたくさんの愛情を返してくれるでしょう。
小さな子どもがいる家庭なら、神経質だったり攻撃的な面を持っていたりする犬種は向いていません。犬種にとらわれず、子どもの年齢や性格に合わせて仲良くできる友達のような犬を選ぶよう心がけましょう。
体が小さいと安心な気がして小型犬に目がいきがちですが、すべての小型犬が子どもと暮らすのに向いているわけではありません。
シルバーの夫婦で暮らす家なら、運動量が豊富な犬種や力が強い犬種と暮らすのは大変かもしれません。自分たちの暮らしや体力をよく考え、お互いに無理のない暮らしができる犬種選びが大切です。
また、生涯飼育ができるよう成犬を迎え入れることを検討するのも良いかもしれません。
本来群れで暮らす犬は、ほとんどの犬種が一人きりで長時間過ごすことを好みません。そのため、一人で寂しく過ごす時間が長ければ犬はストレスをためてしまいます。
悲しく寂しい思いをさせないためにも、日々の生活の中で自分が犬にかけられる時間がどのくらいあるか、一度しっかりと考える必要があります。
犬と触れ合う時間をあまり取れないようであれば、長時間の散歩が必要な犬種や、毎日のお手入れに時間がかかる犬種と暮らすのは難しいでしょう。トレーニングに関しても外部に依頼するのでなければ、トレーニングが必要な犬種も選ばないほうが賢明です。
逆に長時間を割けるのであれば、選べる犬種の幅は広がります。住環境や家族構成に照らし合わせて、好きな犬種を選んでいきましょう。
犬と一緒にのんびり過ごしたいのか、さまざまなアクティビティを一緒に楽しみたいのか、おしゃれをして街に出かけたいのか…最後に、あなたが犬と一緒にしたいことについて考えましょう。
一度飼い始めたら、犬は10数年にわたって一緒に暮らすパートナーになります。犬は飼い主さんの良きパートナーとして、さまざまなシーンを一緒に過ごしてくれます。しかし、その犬の特性に合わない行動は怪我やストレスのもとになってしまいます。犬との暮らし方を色々と想像して、飼えるかどうかを判断しましょう。
犬との暮らしを思い描くことができるようになってきましたか。次は、迎え入れる犬を選ぶポイントをお伝えしましょう。
圧倒的に人気があるのは子犬です。小さく愛らしい姿は、見ているだけで癒されるという人も多いです。一緒によく遊べ、何よりも成長の過程を見守る楽しみがあります。ただし、その分成犬に比べると圧倒的に手がかかります。
しつけのためのトレーニングに時間がかかるだけでなく、月齢によっては授乳や排泄など数時間おきのお世話が必要になることもあります。体もまだ弱いため、細やかな健康管理も必要になります。静かにマイペースに暮らしたい人に子犬の世話は大変かもしれません。
留守がちな人、体力に自信がない人などは、すでに成長や体調が落ち着いている成犬のほうが気楽に暮らせるでしょう。
オスはメスに比べると筋肉や骨格が発達しており、体が大きい傾向があります。好奇心が強く、人懐っこい性格の子も多いと言われており、子犬の頃は特に活発に運動することが多いでしょう。
一方、メスはオスに比べるとおとなし目の子が多く落ち着いていて、自立心も高めです。縄張り意識も強くないので多頭飼いにも向いています。ただし、避妊手術をしなければ半年ごとに発情期がやってきます。1〜2週間ほどの間は出血の処置や去勢していない雄犬に対して注意が必要です。
繁殖を希望しない場合は、オス・メスともに手術が必要になりますが、メスの方が費用も時間もかかります。
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犬はもともと群れで暮らしているため、多頭飼育が向いていると考える人は多いですが、全ての犬に当てはまるわけではありません。
犬同士が仲良くなれば、一緒に遊ぶなど運動不足の解消にも役立ちますが、縄張り意識が強い犬の場合には同居犬の存在がストレスになることも。飼い主さんの愛情をめぐってやきもちを焼き、喧嘩することも少なくありません。
また、多頭飼育の場には飼育に必要な費用も頭数分かかります。いずれの場合にも、犬の性格をよく見極め、決断することが大切です。
どの犬を見ても可愛くて、選ぶのに困ってしまいますね。ここではそんな人のために、日本で人気の犬TOP5をご紹介いたします。
日本の住環境にぴったりのトイ・プードルは、街でもよく見かける大人気犬種です。抜け毛がなく匂いや無駄吠えも少なく、とても賢いですが、運動量はそれなりに必要です。
世界一小さな犬種であるチワワも日本で飼いやすい犬種と言えます。ただし、警戒心が強く勇敢なので、子犬の頃から社会化に関するしつけをしっかりする必要があります。
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日本の天然記念物にも指定されている犬種で、日本犬らしい自立心や警戒心を持ち合わせています。構われすぎるのは苦手で独立心が強い一面がありますが、飼い主さんと遊ぶことが大好きです。
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豆柴(柴犬)の性格と特徴から知る飼い方
長い胴と短い足がかわいいミニチュア・ダックスフンドは、明るく活発な犬種。運動することが大好きなので、しっかりと散歩の時間をとってストレスを発散させることが大切です。
ポメラニアンは、優雅さを感じさせる見た目と活発な性格で人気の犬種です。小さな体をしていますが毎日のお散歩は必須。無駄吠えしやすいため、しつけもしっかり行いましょう。
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犬を迎え入れるまでに、準備しておきたいものは、以下の通りです。約4~5万円ほどをみておくとよいでしょう。
【寝床の準備】
・ペットサークル
・クレート(ペット用キャリー)
・ベッド
【日用品の準備】
・ドッグフード
・フードボウル
・水飲みボウル
【トイレ用品の準備】
・トイレトレー
・トイレシーツ
【ケア用品】
・ブラシ
・爪切り
・ペット用シャンプー
・歯磨きグッズ
【その他】
・首輪
・リード
事前に飼育環境を整えておく必要もあります。危険なもの、噛まれては困るものは片づけるなどしておきましょう。
夏場はクーラーなど空調設備のできるものも備えておくと安全です。余裕があれば、犬が遊べるおもちゃなども買っておきましょう。
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犬をペットとして迎える時の心構え
役所への登録料やワクチン接種・健康診断の費用として2万~3万円ほどがかかります。
犬の平均的な飼育費用は、大きさによって変化します。日本で人気の小型犬は1カ月あたり1~2万円、中型犬は1万5,000~3万円、大型犬は2万5,000~3万5000円になります。
フードやおやつといった食費。こちらも価格はピンキリですが、平均すると1カ月で3,000~1万5,000円ほどかかります。
トイレシーツなどの日用品が1,000~1万2000円前後。
また、シャンプーなどのお手入れをトリミングサロンにお願いする場合は、その費用も必要になります。平均すると1回3,000~1万円ほどかかります。大型犬の場合は1万円を超えることもあります。
フィラリアやノミ・ダニの予防薬なども含め、健康であっても医療費として年間で3~6万円ほど必要でしょう。1カ月にすると3,000~4,000円程度です。
初めて犬を飼う方の盲点となるのが、ペットの医療事情です。ペットには公的な健康保険がなく、治療費は全額自己負担となります。自由診療のため病院によって料金が異なる点が、人間とは違います。
子犬は、骨折や異物誤飲が多いです。
・骨折の平均的な治療費:7万~15万円
・異物誤飲の平均的な治療費:1万5,000~3万円 ほど
ただし、どちらも場合によっては20万円を越えるケースもあるため、住環境を整えるなど事前の予防が大切です。
お迎えしたばかりの頃は環境変化によるストレスで軟便や風邪にもなりやすいので体調の変化にも気を付けてあげましょう。
犬の保険料は、犬の年齢と体重によって変わるため、1ヶ月の保険料は以下を参考にしてみてください。*1
ペット保険は、健康でないと加入できず、加入可能年齢が「満7歳まで」のように制限のある場合がほとんど。0~3歳の間に加入するケースが多いです。人と同じように犬も年齢が上がれば病気のリスクも上がるため、早めに加入したいものです。
ペット保険はたくさんの種類があり、どれも同じように見えるかもしれませんが、各保険商品によって補償内容は大きく異なります。
保険料だけではなく、以下の補償内容をよく理解し、最もご自身に適した保険を選ぶようにしましょう。
*1参照:慢性疾患にも、高額治療にも対応したペット保険!ペット&ファミリー損害保険「げんきナンバーわんスリム プラン50」
*2 犬の加入タイプ(小型犬・中型犬・大型犬・特大犬)は、ご加入時・ご継続時の体重で決まります。ただし、1歳未満の幼犬の場合「犬種分類表」を参考に、1歳時のおおよその予測体重で加入タイプが決まります。
家族になる前からたくさんのことを学ぶことで、快適な暮らしをスタートすることができます。お迎えする犬の特徴や費用などをよく知ってよきパートナーとして信頼関係を築いていってくださいね。