ヨークシャー・テリアは、つぶらな瞳、長く美しい毛質が特徴の小型犬です。成長するにつれゴールド、シルバーなど毛色が7回ほど変化していくため、成長と共に毛色を楽しむことができます。今回は、ヨークシャー・テリアをペットとして迎え入れたいと考えている方向けに、ヨークシャー・テリアの特徴、性格、飼い方、費用などについて紹介していきます。
もくじ
ヨークシャー・テリアをペットとして迎え入れる前に、性格、特徴はチェックしておきたいポイント。まずはヨークシャー・テリアの特徴や性格について紹介します。
ヨークシャー・テリアは、美しく長い被毛が特徴の小型犬。美しい毛質から「動く宝石」とも呼ばれ、世界中で人気のある犬種です。
愛称は、ヨーキーとも言われています。毛質は細くストレートで、リボンをつけて散歩している飼い主さんもいます。
ヨークシャー・テリアの子犬は体高15cm、体重2kgほど、成犬になると体高は18~23cm、体重は3.2kgほどの大きさになります。
※体高…四つ足をついて立ったときの、地面から背中までの高さのこと。
JKC(一般社団法人・ジャパンケネルクラブ)がスタンダードな毛色として認めているのはダーク・スチール・ブルー(青みが強い灰色)&タンの1種類のみですが、ヨークシャー・テリアの毛色は、生涯に渡り7回ほど変化します。
子犬のうちはブラック&タンで、成長とともに根元から色が変化していき、1才までにはダーク・スチール・ブルー(青みが強い灰色)に変わります。さらに、成長につれて徐々に毛先に向かってブラウン、ゴールド、シルバーなどの明るい色に変化していきます。
ヨークシャー・テリアは、活発で独立心の強い性格です。小柄で可愛いものの、もともとネズミを捕る犬で、好奇心旺盛。気が強く、用心深いなど気難しいところがあります。
また、一度甘やかしてしまうと吠え癖がつき、しつけが大変になるので小さいうちから主従関係を築いておくことが大切です。
ヨークシャー・テリアの先祖は、19世紀中盤に、イギリスのヨークシャー地方にてネズミを捕獲するために活躍していました。
1982年に「ブロークン・ヘアード・ヨークシャー・テリア」と命名されたものの、名前が長すぎたためヨークシャー・テリアと呼ばれるようになりました。古くから富裕層の愛玩犬として愛されてきました。
次にヨークシャー・テリアの飼い方のポイントについて紹介していきます。
また、ヨークシャー・テリアはシャンプー、ブラッシングなどお手入れを頻繁に行う必要のある犬種なので、小さいうちから体のいろいろなところを触られるなどのコミュニケーションに慣れさせておくことで、今後のしつけが行いやすくなります。
1日に2回、5~15分程度を行うのが望ましいです。活発な犬種ですが、膝の関節が弱く膝蓋骨脱臼になりやすいので、必要以上の運動には気を付けましょう。
ヨークシャー・テリアは暑さに弱いので、夏の照り返しには注意しましょう。散歩の際は、必ず気温を確認してからにしましょう。
6月初めから暑くなるため、初夏からクーラーを使い適温を保つよう心掛けてください。夏場に留守にする場合も、冷房で室内温度を保ちましょう。
ヨークシャー・テリアの美しい被毛を保つには、毎日まめにピンブラシとコームを使ってブラッシングする必要があります。また、月1回を目安にトリミングに行って綺麗に毛を整えるのも大切です。
ヨークシャー・テリアはカットによって見栄えが変わるので、好みのカット、その子に合うカットをチョイスしましょう。
ヨークシャー・テリアの特徴的なカットとして、被毛を地面ギリギリまで伸ばしてカットするショータイプの「フルコート」があります。毛の美しさを活かせるカットなので、毛並みが綺麗な子に最適です。
毛の量が多い子は、耳とお顔を分けてカットする「ミッキーカット」も顔の周りがさっぱりするので夏場におすすめです。
ヨークシャー・テリアの平均寿命は、14~16歳前後です。小型犬のなかでも長生きする傾向にあります。
ヨークシャー・テリアは活発に動き回るため、骨折や骨のずれによる病気、ケガをしやすい犬です。留守の時は、必ずサークル等に入れて事故、ケガを防ぎましょう。
膝蓋骨脱臼を防ぐために、フリーリングには滑り止め効果の高いワックスを使うのもおすすめです。
ヨークシャー・テリアは、膝の関節が弱く、膝のお皿の骨が正常な位置からずれてしまう膝蓋骨脱臼になりやすい犬です。好奇心旺盛で活発な犬のため、飛び降りによるけが、骨折にも注意しましょう。
肺に空気を送る気管がつぶれる病気で、咳が増えるようになります。重症化すると、呼吸困難などの症状がみられます。
消化管から肝臓に入るはずの門脈という血管に余分な血管(シャント)ができて、肝臓を迂回してしまう血管奇形の病気で、食欲不振、下痢、嘔吐などの症状がみられます。
通常肝臓を通るはずの栄養や無毒化されるべき有害物質が肝臓を通らないで全身を回ってしまうため、放置すると盲目、けいれん、肝機能障害などが起こり、場合によっては命を落とすこともあるので早期発見が重要です。
異常を感じたら、ただちに医師に診てもらいましょう。
腎臓、膀胱、尿管に石ができる病気です。膀胱炎、血尿、頻尿、排尿困難などの症状があらわれるようになります。尿に異常があらわれたら、ただちに病院で診てもらいましょう。
小型犬は、老齢になると心不全などの心臓病が起こりやすくなります。心臓病になると、咳が増えるなどの症状がみられます。早期発見につなげるために、老齢になったら定期的に検診で診てもらいましょう。
心臓病の一種で、心臓が収縮するときに血流逆流を防ぐ僧帽弁が閉じなくなる病気です。放置すると、肺に水が溜まる、咳が増えるなどの症状がみられます。主に老齢の小型犬に起こりやすい疾患です。
目の水晶体が白濁し、視力が失われていく病気です。ものにつまずく機会が増える、散歩を嫌がるようになったら病気の可能性があるので、気になる症状が見られたら病院でみてもらいましょう。
ヨークシャー・テリアの子犬の相場価格は、約15~50万円ほど(2024年7月現在)。
ただし、値段は性別、血統、購入方法によって変動します人気の高いチャンピオン犬の子となれば、非常に高額になることもあります。
ペット初心者でも迎えやすいのがペットショップです。ヨークシャー・テリアが欲しい時、しつけで困った時にお店に行けば相談に応じてもらえるため、ペット初心者におすすめです。
月齢がある程度いった子犬ならばワクチン接種、簡単なしつけが済んでいるケースもあります。
ブリーダーは、全国各地に存在する犬の繁殖を専門とする人のこと。犬種の知識、飼育経験が豊富なブリーダーから犬を譲り受けることができるため、事前に飼い方、注意点を教わることができます。
犬の飼い方がわからないペット初心者でも安心して迎え入れることができるでしょう。また、実際に親犬の様子を事前に確認することができるため、成犬時のサイズ感などを予測する助けになります。
飼育環境などの質問にもきちんと答えてくれる、信頼できるブリーダーを見つけましょう。
里親制度は、保護団体、保健所など引き取り手のいない犬、飼い主さんがいない犬を迎え入れて里親になる制度です。ペットショップ、ブリーダーと比べると費用が掛からないメリットがあります。
ただし、里親募集によっては譲渡、引取後も必要に応じて飼育状況の確認しなければならないケースもあります。また、ヨークシャー・テリアは人気犬種なので出会うには運やタイミングが必要です。
犬を迎え入れるまでに、準備しておきたいものは、以下の通りです。約4~5万円ほどをみておくとよいでしょう。
【寝床の準備】
・ペットサークル
・クレート(ペット用キャリー)
・ベッド
【日用品の準備】
・ドッグフード
・フードボウル
・水飲みボウル
【トイレ用品の準備】
・トイレトレー
・トイレシーツ
【ケア用品】
・ブラシ
・爪切り
・ペット用シャンプー
・歯磨きグッズ
【その他】
・首輪
・リード
事前に飼育環境を整えておく必要もあります。危険なもの、噛まれては困るものは片づけるなどしておきましょう。
夏場はクーラーなど空調設備のできるものも備えておくと安全です。余裕があれば、犬が遊べるおもちゃなども買っておきましょう。
【関連リンク】
犬を迎える前に準備しておきたいもの
犬を迎える前に整えておきたい室内のポイント
犬をペットとして迎える時の心構え
役所への登録料やワクチン接種・健康診断の費用として2万~3万円ほどがかかります。
小型犬の平均的な飼育費用は、1カ月あたり1~2万円になります。
フードやおやつといった食費。価格はピンキリですが、平均すると1カ月で3,000~5,000円ほどかかります。
トイレシーツなどの日用品が1カ月で1,000~3,000円前後。
シャンプーなどのお手入れをトリミングサロンにお願いする場合は、小型犬の場合1回3,000~1万円程度をみておきましょう。
フィラリアやノミ・ダニの予防薬なども含め、健康であっても医療費として年間で3~5万円ほど必要でしょう。1カ月にすると3,000円程度です。
初めて犬を飼う方の盲点となるのが、ペットの医療事情です。ペットには公的な健康保険がなく、治療費は全額自己負担となります。自由診療のため病院によって料金が異なる点が、人とは違います。
子犬は、骨折や異物誤飲が多いです。犬猫の骨折、異物誤飲の平均治療費は以下の通りです。
ただし、どちらも場合によっては20万円を越えるケースもあるため、住環境を整えるなど事前の予防が大切です。
お迎えしたばかりの頃は環境変化によるストレスで軟便や風邪にもなりやすいので体調の変化にも気を付けてあげましょう。
*ペット&ファミリー損保調べ(2023年4月~2024年3月 保険金支払い実績をもとに算出)
ペットの年齢によって保険料は変わりますが、小型犬の1ヶ月の保険料は1,500~4,400円*ほど。0~3歳の間に加入するケースが多いです。
ペット保険は、健康でないと加入できず、加入可能年齢が「満7歳まで」のように制限のある場合がほとんど。人と同じように犬も年齢が上がれば病気のリスクも上がるため、早めに加入したいものです。
ペット保険はたくさんの種類があり、どれも同じように見えるかもしれませんが、各保険商品によって補償内容は大きく異なります。
保険料だけではなく、以下の補償内容をよく理解し、最もご自身に適した保険を選ぶようにしましょう。
*参照:慢性疾患にも、高額治療にも対応したペット保険!ペット&ファミリー損害保険「げんきナンバーわんスリム プラン50」
* 犬の加入タイプ(小型犬・中型犬・大型犬・特大犬)は、ご加入時・ご継続時の体重で決まります。ただし、1歳未満の幼犬の場合「犬種分類表」を参考に、1歳時のおおよその予測体重で加入タイプが決まります。
家族になる前からたくさんのことを学ぶことで、快適な暮らしをスタートすることができます。お迎えする犬の特徴や費用などをよく知ってよきパートナーとして信頼関係を築いていってくださいね。
【関連記事】
トイ・プードルの性格とは?値段やおすすめのカットスタイルを紹介
ティーカッププードルの寿命は?飼い方・性格・病気について解説
人気の小型犬はどの犬種?不動の人気を誇る小型犬の飼い方や人気犬種をご紹介!