白猫に多いオッドアイ。原因や生まれる確率・寿命は?飼うときの注意点も
2021.12.08 作成

白猫に多いオッドアイ。原因や生まれる確率・寿命は?飼うときの注意点も

PNS編集部

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右目と左目の色が違う猫のことを「オッドアイ」といいます。オッドアイは白猫に多く、神秘性ある外見から人気が高まり、オッドアイを選んで欲しがる人もいるほど。オッドアイの猫が生まれる原因や、オッドアイの猫が生まれる確率、その特性による健康状態への影響、短命と言われている理由などを紹介します。オッドアイの猫を飼うときに注意する点を把握しておきましょう。

もくじ

    左右の目の色が違うオッドアイは虹彩の違いによる

    白猫に多いオッドアイ。原因や生まれる確率・寿命は?飼うときの注意点も
    (Khalilah Mohd Nor/shutterstock)

    猫の目の色が左右で異なることをオッドアイと言います。虹彩異色症(こうさいいしょくしょう)とも呼ばれるこの状態は、人や多くの動物にも見られますが、特に猫に多く見られます。

    宝石のような猫の目は、ブルー、グリーン、ヘーゼル、アンバー(琥珀色)、カッパー(銅色)の5色を基本としており、この目の色の違いは瞳の前面にある虹彩の違いによって発生します。

    虹彩の色はメラニン色素の量で決まっており、色素が少なければブルーに近づき、多ければカッパーに近づきます。通常は、左右の虹彩のメラニン色素の量は同じですが、何らかの原因で左右のメラニン色素の量が違えばオッドアイになるのです。

    完全に左右の目の色が違うだけでなく、片方の虹彩の一部だけが変化する例や、一つの目に2色が混じる例もオッドアイに含まれます。

     

    オッドアイの猫はなぜ誕生するのか?その原因

    オッドアイの猫はなぜ誕生するのか?その原因
    (Christina Desitriviantie/shutterstock)

    オッドアイになる原因として考えられているのは、猫の目の色を確定する遺伝子の突然変異です。

    そもそも生まれたばかりの猫の目は、猫の種類にかかわらずキトンブルーと呼ばれるグレーがかった青色をしています。それが成長していくに従って、両親から受け継いだ遺伝子情報をもとに、それぞれの個体の色へと変化していきます。

    その時、片方の目に色素の遺伝子情報が載っていなければ、その子猫はオッドアイになるというわけです。理論的にはどの猫にも起こる可能性がありますが、色素細胞が少ない白猫に特に多く発生します。

    また、後天的に病気や怪我、事故によって瞳の虹彩が損傷したことで、オッドアイになるケースもあります。

    この場合は、瞳がその他のダメージを受けていることも多いため、視力などに何らかの影響が出ることも考えられます。特に成猫になってから急にオッドアイに変化した場合には、何らかの疾患の可能性がありますので、なるべく早く獣医師に相談しましょう。

    オッドアイとして生まれてくる確率

    オッドアイとして生まれてくる確率
    (jlm59/shutterstock)

    人間がオッドアイに生まれるのはとても珍しいことです。一方、猫がオッドアイとして生まれてくる確率は高く、中でも白猫は確率が高く約25%がオッドアイと言われています。他にもターキッシュアンゴラ、ターキッシュバン、ジャパニーズボブテイルなどにも好発します。

    オッドアイはなぜ短命と言われているか

    オッドアイはなぜ短命と言われているか
    (Khalilah Mohd Nor/shutterstock)

    オッドアイが短命であるという詳細なデータがあるわけではありませんが、オッドアイの猫の飼い主さんが「他の猫に比べて短命」という印象を持っていることは多いです。そのため、オッドアイが短命だと言われているのでしょう。

    また、オッドアイだからと言って視覚に先天的な障害があることはほとんどないものの、オッドアイの猫は聴覚障害を持っている確率が高いです。その確率は30~40%とも言われ、特に白猫のオッドアイはブルーの瞳を持つ側の耳に異常が発生することがわかっています。

    現代の猫たちは家庭猫として保護されながら暮らしているので、聴覚障害が寿命に大きな影響を与えることは考えにくいのですが、野生の猫たちにとっては外敵から身を守る上で大きなハンデとなるでしょう。また、オッドアイは遺伝子の突然変異から起こるとされているため、他の部分にも何らかの先天的な異常を抱えている可能性もあります。

    オッドアイの猫を飼う際にはより細やかな健康観察を行うことが大切です。

    オッドアイの猫を飼う時の注意点は?

    オッドアイの猫を飼う時の注意点は?
    (Sara Petersson/shutterstock)

    特別な魅力を持つオッドアイの猫たち。そんなオッドアイと暮らすためにはいくつかの注意点があります。オッドアイの猫たちが快適に暮らすためにも以下の点に注意しましょう。

    紫外線に注意して瞳を守ろう

    オッドアイのブルーの瞳はメラニン色素が少ないため、紫外線には注意が必要です。

    強い紫外線は瞳にダメージを与え、白内障や緑内障などの目の病気につながることもあります。室内だからと油断せず、猫がお気に入りの場所があれば確認し、直射日光が当たりすぎていないかをチェックしましょう。

    猫が長い時間を過ごすベッド周辺は特に注意が必要です。もしも直射日光が当たりすぎていると感じたら、適切な位置へと移動しましょう。ベッドの設置場所を動かせない場合には、時間帯に合わせてカーテンやブラインドで対策する事が大切です。

    聴覚障害がある場合は、脱走に注意しよう

    聴覚障害がある猫は一見、あまり不自由がないように暮らしています。しかし、それは危険の少ない家の中だから。万が一、脱走などで外の世界に出てしまえば話は別です。家の外には車や他の動物など危険がいっぱいです。

    猫を飼う際の脱走対策は当然のことですが、悲しい結末を迎えないためにも、聴覚障害がある場合は特に脱走対策を念入りに行いましょう。

    ストレスがたまらない環境を整えよう

    目や耳に障害を抱えている猫は、身を守るために警戒心が強くなりがちです。騒がしく落ち着けない環境の中では、常にストレスにさらされることになり、ゆったりと過ごすことができません。

    見えにくい目の方から急に近づいたり、聞こえにくいからと大きな音を出したりすることは避け、できるだけ安心できる環境を整えてあげてください。

    オッドアイの猫を家族に迎える方法と費用

    オッドアイの猫を家族に迎える方法と費用
    (Lux Blue/shutterstock)

    オッドアイの猫だからといって、普通の猫と比べて特別に値段が高いかというと実はそんなことはありません。白猫や黒猫、オッドアイが誕生しやすい猫の場合は、ブリーダーだけでなく、ペットショップや里親募集などで出会うこともできるでしょう。

    ただし、入手経路や血統、オッドアイが誕生する確率が低い猫種や、もともと高価な猫種の場合には驚くほどに高価になることも。

    その場合は、ブリーダーを訪ねるなど、専門的に探す必要があるかもしれません。猫種にこだわらず、オッドアイにこだわるのであれば、気長に探してみるとよいでしょう。

     

    オッドアイの猫を飼う前に知っておきたい猫の医療事情

    オッドアイの猫を飼う前に知っておきたい猫の医療事情
    (ffdead/shutterstock)

    初めて猫を飼う方の盲点となるのが、ペットの医療事情です。ペットには公的な健康保険がなく、治療費は全額自己負担となります。自由診療のため病院によって料金が異なる点が、人とは違います。

    そのため、「オッドアイの猫なら聴覚障害なりやすい」など、迎え入れる猫が発症しやすい病気を事前に知って、事前に備えておくことも大切です。近年はペット保険に加入する人も増えています。

    猫の保険料ってどのくらい?

    猫の年齢によって保険料は変わりますが、猫の場合、1カ月1,300~2,400円*ほど。0~3歳の間に加入するケースが多いです。

    ペット保険は、健康でないと加入できず、加入可能年齢が「満7歳まで」のように制限のある場合がほとんど。人と同じように猫も年齢が上がれば病気のリスクも上がるため、早めに加入したいものです。

    ペット保険はたくさんの種類があり、どれも同じように見えるかもしれませんが、各保険商品によって補償内容は大きく異なります。

    保険料だけではなく、補償内容をよく理解し、最もご自身に適した保険を選ぶようにしましょう。

    【補償内容のチェックポイント】

    • ご自身が飼う猫種が発症しやすい慢性疾患に対応しているか
    • 金銭的に負担の大きい高額な手術・入院に対応しているか
    • 1日あたりの支払い金額や年間の通院日数に制限がないか など

    *参照:慢性疾患にも、高額治療にも対応したペット保険!ペット&ファミリー損害保険「げんきナンバーわんスリム プラン50」
    *2024年7月時点の内容です。今後の商品改定や保険料率の見直し等により、変更となる場合があります。

    オッドアイと楽しく暮らそう

    神秘的な瞳のオッドアイは、幸運を招く猫とも言われています。一緒に暮らすには注意も必要ですが、それでも美しい瞳に見つめられる幸せはまた格別。運良く家族に迎えることができたら、その幸せが1日も長く続くように大切に守ってあげたいものです。

    著者・監修者

    PNS編集部

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