手のひらにすっぽり収まるほど小さく、愛くるしい容姿。おまけに人懐っこい性格で、世界中で人気のティーカッププードル。まるでぬいぐるみのような可愛さですが、実はとっても賢く好奇心旺盛です。今回はそんなティーカッププードルの特徴や性格、楽しく暮らすためのポイントについて紹介します。
もくじ
つぶらな瞳と小さな体で人気大爆発のティーカッププードル。都会の住宅事情でも買いやすく、多くの人が憧れる犬ですが、どんな特徴があるのでしょうか。まずはティーカッププードルの特徴や性格、歴史についてお話ししましょう。
ティーカッププードルはその名の通りプードルの一種です。体が小さいだけで基本はプードルなので、特徴はプードルに準じます。クリクリした黒い目とファッショナブルな見た目の愛らしさはもちろん、他の犬に比べると抜け毛や体臭が少ないのも人気の理由です。
プードルにはスタンダード、ミディアム、ミニチュア、トイという4サイズが存在しており、トイの中で成犬でも体高が25cm以下、2kg未満の特別に小さな個体をティーカッププードルと俗称しています。
ティーカッププードルという名をよく聞くようになりましたが、実は犬種としては認められていません。
各プードルの大きさや特徴についてはこちらをご覧ください。
プードルの種類と価格相場
※体高…四つ足をついて立ったときの、地面から背中までの高さ
クリクリの被毛はシングルコートで、毛色はブラック、ホワイト、ブラウンの3色をベースにさまざまな毛色が存在します。成長とともに毛色が淡い色に変わっていくことも多く、ブラックだと思っていたらシルバーに成長したという例もあります
ティーカッププードルは明るく好奇心旺盛でとても賢い犬。遊ぶことも大好きで飼い主さんともよく遊びます。素直な性格なのでしつけも苦労することも少なく、初めて犬を飼う人にもおすすめの犬といえるでしょう。
とてもフレンドリーなので、他の犬や子どもとも上手に遊びます。ただし、甘えん坊な性格ゆえ飼い主さんへの依存が高くなる場合もあり、分離不安などを起こしやすい側面もあります。
ティーカッププードルのもととなるプードルの歴史はとても古く、16世紀頃のフランスが原産といわれています。
フランスの上流階級の婦人たちに人気を博したプードルは、プードルの可愛さそのままに小型へと改良されて、1700年代にはすでにトイプードルが誕生していたといわれています。
2000年代になるとアメリカでさらに小さなティーカッププードルが誕生し、現在ではティーカッププードルよりもさらに小さなタイニープードルと呼ばれる極小のプードルも誕生しています。
ティーカッププードルと安心して暮らすためには、いくつか注意するポイントがあります。ここでは日々の暮らしの中で注意したいポイントについて紹介します。
ティーカッププードルはとても賢いため、比較的しつけをしやすい犬ですが、甘えん坊で小さく可愛らしいティーカッププードルを、ついつい甘やかしてしまう飼い主さんは多いです。
可愛いからとしつけを行わなければ、無駄吠えや噛むなど問題行動を起こしてしまうことになりかねません。小さな頃からしつけを行うことで社会化を図り、信頼関係を構築しましょう。
好奇心旺盛で遊び好きのティーカッププードルは、その小さな体に似合わずよく動きます。何時間もの散歩は必要ありませんが、20~30分ほどの散歩を1日に1~2回行いましょう。散歩は段差などに気をつけ、怪我をすることがないように注意してください。
さまざまな場所に出かければ、多くの人や動物に出会うこともでき、社会化にも役立ちます。また、雨の日や体調がすぐれない日は無理をせず、家の中で一緒に遊んであげるとよいでしょう。
小さな体のティーカッププードルは、その誕生の経緯から虚弱体質や臆病な面があるといわれています。もちろん個体差がありますが、大きな犬たちに比べれば疲れやすいといえます。
疲れたり驚いたりした時に、ゆっくり安心して休むことができる場所を確保し、体力面や精神面で安定して過ごせるように工夫しましょう。
ティーカッププードルはシングルコートのため、抜け毛や体臭が少ない犬です。しかし、クリクリの毛を放っておけば、あっという間に絡まって毛玉になってしまいます。そうならないためにも、毎日のブラッシングを欠かさないようにしましょう。
また、ティーカッププードルには定期的なトリミングが必須です。カットのスタイルは非常に豊富で、人気のテディベアカットはまるでぬいぐるみのような可愛らしさ。他にもさまざまなカットがあり、色々と楽しめるのもティーカッププードルの魅力の一つです。
ティーカッププードルは誕生して間もない犬のため正確な平均寿命はわかりませんが、平均寿命は12~15年といわれています。小型犬としては平均的といわれる寿命です。
ただし、未熟児として生まれた虚弱体質や無理な交配による疾病のリスクのある個体が出回っていることもあります。ティーカッププードルを迎え入れる際には、健康かどうかを確認し、体調不良のサインを見逃さないようにしましょう。
ペットとして迎え入れるなら、ティーカッププードルのかかりやすい病気などはチェックしておきたいところ。ティーカッププードルの注意しておきたい病気について紹介します。
体の小さなティーカッププードルは、ソファやベッドから飛び降りたり、道路の小さな段差につまずくだけで骨折することがあります。ソファやベッドには体の大きさにあったステップなどを設置し、高いところから飛び降りない工夫をしましょう。
小型犬は生まれつき骨の溝が浅く、膝の骨が内側、外側に外れやすい特徴があります。膝を曲げ伸ばす時に痛みが出てきて、歩きたがらない、または歩きづらくなるといった症状が起こります。
犬の免疫機構に異常が起こることで、自分の赤血球を破壊することによって貧血を起こしてしまう病気です。オスよりもメスに好発し、食欲不振や運動を嫌がるなどの様子が見られるようになります。治療として免疫抑制療法を行いますが、重症度に応じて輸血が必要になる場合もあります。
腎臓のそばにある副腎からコルチゾールというホルモンが過剰に分泌され、多飲多尿や皮膚症状などが起こる病気です。筋力の低下や腹部の膨満、呼吸が浅くなるなどの症状が現れます。早期の診断で、内科療法による管理を行い、生活の質の向上を目指した治療を行いましょう。
目の奥にある網膜が変性し、視力が徐々に低下して失明する遺伝性疾患です。多くの犬種で見られ、残念ながらこの疾患に関する治療法はありません。
ティーカッププードルの子犬の価格は20~60万円ほど。珍しい毛色やよい血統なら100万円を超える個体も少なくありません(2024年7月時点)。正式な犬種でないティーカッププードルは「育ってみたら想像より大きかった」「病気を持っていた」という場合も少なからずあるため、納得のいく方法でじっくり探しましょう。
ティーカッププードルを迎え入れる方法や費用について詳しくご紹介します。
日本のペットショップで、ティーカッププードルを見かけることは少ないです。国内のブリーダーもそう多くはありませんが、ティーカッププードルを迎えたいと思ったらブリーダーからの紹介が主な方法となるでしょう。
ブリーダーは、全国各地に存在する犬の繁殖を専門とする人のこと。犬種の知識、飼育経験が豊富なブリーダーから犬を譲り受けることができるため、事前に飼い方、注意点を教わることができます。犬の飼い方がわからないペット初心者でも安心して迎え入れることができるでしょう。
また、実際に親犬の様子を事前に確認することができるため、成犬時のサイズ感などを予測する助けになります。
飼育環境などの質問にもきちんと答えてくれる、信頼できるブリーダーを見つけましょう。
犬を迎え入れるまでに、準備しておきたいものは、以下の通りです。約4~5万円ほどをみておくとよいでしょう。
【寝床の準備】
・ペットサークル
・クレート(ペット用キャリー)
・ベッド
【日用品の準備】
・ドッグフード
・フードボウル
・水飲みボウル
【トイレ用品の準備】
・トイレトレー
・トイレシーツ
【ケア用品】
・ブラシ
・爪切り
・ペット用シャンプー
・歯磨きグッズ
【その他】
・首輪
・リード
事前に飼育環境を整えておく必要もあります。危険なもの、噛まれては困るものは片づけるなどしておきましょう。
夏場はクーラーなど空調設備のできるものも備えておくと安全です。余裕があれば、犬が遊べるおもちゃなども買っておきましょう。
【関連リンク】
犬を迎える前に準備しておきたいもの
犬を迎える前に整えておきたい室内のポイント
犬をペットとして迎える時の心構え
役所への登録料やワクチン接種・健康診断の費用として2万~3万円ほどがかかります。
小型犬の平均的な飼育費用は、1カ月あたり1~2万円になります。
フードやおやつといった食費。価格はピンキリですが、平均すると1カ月で3,000~5,000円ほどかかります。
トイレシーツなどの日用品が1カ月で1,000~3,000円前後。
シャンプーなどのお手入れをトリミングサロンにお願いする場合は、小型犬の場合1回3,000~1万円程度をみておきましょう。
フィラリアやノミ・ダニの予防薬なども含め、健康であっても医療費として年間で3~5万円ほど必要でしょう。1カ月にすると3,000円程度です。
初めて犬を飼う方の盲点となるのが、ペットの医療事情です。ペットには公的な健康保険がなく、治療費は全額自己負担となります。自由診療のため病院によって料金が異なる点が、人とは違います。
子犬は、骨折や異物誤飲が多いです。犬猫の骨折、異物誤飲の平均治療費は以下の通りです。
ただし、どちらも場合によっては20万円を越えるケースもあるため、住環境を整えるなど事前の予防が大切です。
お迎えしたばかりの頃は環境変化によるストレスで軟便や風邪にもなりやすいので体調の変化にも気を付けてあげましょう。
*ペット&ファミリー損保調べ(2023年4月~2024年3月 保険金支払い実績をもとに算出)
ペットの年齢によって保険料は変わりますが、小型犬の1ヶ月の保険料は1,500~4,400円*ほど。0~3歳の間に加入するケースが多いです。
ペット保険は、健康でないと加入できず、加入可能年齢が「満7歳まで」のように制限のある場合がほとんど。人と同じように犬も年齢が上がれば病気のリスクも上がるため、早めに加入したいものです。
ペット保険はたくさんの種類があり、どれも同じように見えるかもしれませんが、各保険商品によって補償内容は大きく異なります。
保険料だけではなく、以下の補償内容をよく理解し、最もご自身に適した保険を選ぶようにしましょう。
*参照:慢性疾患にも、高額治療にも対応したペット保険!ペット&ファミリー損害保険「げんきナンバーわんスリム プラン50」
* 犬の加入タイプ(小型犬・中型犬・大型犬・特大犬)は、ご加入時・ご継続時の体重で決まります。ただし、1歳未満の幼犬の場合「犬種分類表」を参考に、1歳時のおおよその予測体重で加入タイプが決まります。
家族になる前からたくさんのことを学ぶことで、快適な暮らしをスタートすることができます。お迎えする犬の特徴や費用などをよく知ってよきパートナーとして信頼関係を築いていってくださいね。