短毛種の中でもっとも人気があるといわれるのが、ブリティッシュショートヘア。その秘密は温厚な性格とどっしりとした丸みのある体型です。体格のわりに短いあしも可愛らしい特徴のひとつでしょう。そんなブリティッシュショートヘアの歴史や特徴、飼い方、迎え方をご紹介します。
もくじ
ブリティッシュショートヘアとの生活を始める前に、この猫種にどのような特徴があるのか知っておきたいところ。猫と良い関係を築くためにも、性格や特徴を押さえておきましょう。
丸い顔が愛らしいブリティッシュショートヘア。全体的に大きく重量感があり、がっしりした丸みの強い体型です。
体重はオスで4~8㎏前後、メスで4~7㎏前後。成長は遅いため成猫の体重になるまでに4年ほどかかることがあります。
毛色はブリティッシュブルーと呼ばれる明るいグレーが最も古いカラーです。後にブラックやホワイト、クリームなどのバリエーションが誕生しました。
柄はハチワレが近年人気となり、キャラクターに使われることも。キャリコ(三毛猫)やタビー(しま模様)もそれに続いて人気があります。
ブリティッシュショートヘアの被毛はビロードのような手触りの短毛で、厚みのあるダブルコートが特徴です。近年インスタなどのSNSで話題のゴールデンカラーも人気が高まっています。
穏やかで優しい性格のブリティッシュショートヘア。ずんぐりとした体と優しく穏やかな性格から「優しい巨人」ともいわれています。
ですが構い過ぎがストレスになることも。触れ合い自体がNGではないので、猫が機嫌良く抱っこを求めてきたらスキンシップで構ってあげて、普段は程よい距離感で過ごすと良いでしょう。猫が寝室に入りたい様子であれば、一緒に寝ることもできます。
ブリティッシュショートヘアの歴史はかなり古く、2,000年以上も前に端を発します。この種は、ローマ帝国からイギリスに持ち込まれた記録上の最古の品種だといわれています。
当時はネズミ捕り用の猫として飼育されていました。船に乗りヨーロッパ全土に広まっていき、その後アメリカへ持ち込まれます。
メイフラワー号に乗って渡米後、ブリティッシュショートヘアをもとに作出されたのがアメリカンショートヘアだといわれており、その後の猫の歴史に大きな影響を与えました。
ブリティッシュショートは飼いやすい猫だと言われています。毎日ストレスなく楽しく健康に過ごすためにも、飼い方をマスターして良い関係を築きましょう。
見た目の丸さのとおり太りやすい猫種です。部屋の中でも上下運動ができる環境作りをしましょう。猫のためのスペースを広めにとり、キャットタワーを準備します。遊んであげる時間が少なくても自由に運動できるように設置しましょう。
褒められるととても喜ぶ性格であり、頭も良くすぐに覚えてくれるため、しつけの心配はいらないでしょう。叱られるとストレスを溜めやすくなりますので、できるだけ褒めて育てましょう。
触られることをあまり好まないことがあるため、小さい頃からブラッシングを習慣にしましょう。お手入れ嫌いではありませんが、時間をかけて慣らしてあげるとストレスになりません。
優しく穏やかな性格のブリティッシュショートヘア。どんな家族にもフレンドリーで、慣れてさえいれば犬や鳥など他の動物にも愛情深く接してくれます。
感情の波が緩やかで激しい運動も好まない物静かさがありますが、遊んでもらうのは大好きです。毎日短時間を集中して遊んであげると満足してくれるでしょう。
ブリティッシュショートヘアの寿命は長く、15~20年といわれます。そのため他の猫種にはいない長寿猫もいます。歴史の古い猫種であるため遺伝病が他より少ないことで長寿なのかもしれません。
ペットとして迎え入れるなら、猫のかかりやすい病気などはチェックしておきたいところ。ブリティッシュショートヘアの注意しておきたい病気について紹介します。
猫の心臓病の中ではポピュラーで、症状が重症化しないうちは分かりにくく、特に老猫に注意が必要です。運動を嫌がり疲れやすくなった場合は、高齢でなくても検査に行きましょう。
ブリティッシュショートヘアは、血液型がB型に偏っているため健康診断の時に予め検査をし、血液型を把握しておくと輸血時や出産時などのトラブルに備えることができるでしょう。
太りやすい体質ですから、普段からしっかり管理しましょう。肥満対策のメインはもちろん食生活です。おやつを与え過ぎないようにし、短時間の運動を毎日積み重ねます。おやつの与えすぎに気を付け、年齢にあったプレミアムフードを選びましょう。
体の細胞が糖を利用することができなくなり、血中に溢れ血糖値が上がってしまう病気です。猫の糖尿病では、ほとんどの場合、インスリンの効きが悪くなることから発症します。
猫の場合は食餌の好みが激しく療法食を嫌がったり、インスリンのコントロールがしにくかったりと、治療や管理が難しく飼い主さんが疲れてしまう場合も。早い段階から発症を抑えることが重要です。
尿石症とも呼ばれ、腎臓から尿道までの尿路のうちどこかで結石ができて症状を伴う病気です。猫は水分摂取量が少なく、尿の排出量も少なめであるため、結石が尿と一緒に出ていきにくい体質が症状を引き起こします。
尿のphをコントロールするための療法食や投薬で治療をしますが、再発しやすい病気の一つです。
ブリティッシュショートヘアの価格は、15~30万円程度(2024年7月現在)。定番のブルーが多くみられますが、ブルーポイントやダイリュートなど、珍しい毛色は高価になる傾向があります。また生後日数によっても価格が変わります。
ブリティッシュショートヘアを迎える方法、費用について具体的に紹介していきます。
ペット初心者でも迎えやすいのがペットショップです。ブリティッシュショートヘアが欲しい時、しつけで困った時にお店に行けば相談に応じてもらえるため、ペット初心者におすすめです。
月齢がある程度いった子猫ならばワクチン接種、簡単なしつけが済んでいるケースもあります。
ブリーダーは、全国各地に存在する猫の繁殖を専門とする人のこと。猫種の知識、飼育経験が豊富なブリーダーから猫を譲り受けることができるため、事前に飼い方、注意点を教わることができます。
猫の飼い方がわからないペット初心者でも安心して迎え入れることができるでしょう。また、実際に親猫の様子を事前に確認することができるため、成猫時のサイズ感などを予測する助けになります。
飼育環境などの質問にもきちんと答えてくれる、信頼できるブリーダーを見つけましょう。
里親制度は、保護団体、保健所などから猫を迎え入れて里親になる制度です。ペットショップ、ブリーダーと比べると費用が掛からないメリットがあります。
ただし、里親募集によっては譲渡、引取後も必要に応じて飼育状況の確認しなければならないケースもあります。
猫を迎え入れるまでに、準備しておきたいものは、以下の通りです。2~3万円ほどをみておくとよいでしょう。
【寝床の準備】
・ペットサークル
・クレート(ペット用キャリー)
・ベッド
【日用品の準備】
・キャットフード
・フードボウル
・水飲みボウル
【トイレ用品の準備】
・トイレトレー
・猫砂
・消臭シート
【ケア用品】
・ブラシ
・爪切り
・爪とぎ
・ペット用シャンプー
・歯磨きグッズ
【その他】
・首輪
事前に飼育環境を整えておく必要もあります。危険なもの、噛まれては困るものは片づけるなどしておきましょう。
夏場はクーラーなど空調設備のできるものも備えておくと安全です。余裕があれば、子猫が遊べるおもちゃなども買っておきましょう。
【関連リンク】
猫を迎える前に準備しておきたいもの
猫を迎える前に整えておきたい室内のポイント
猫をペットとして迎える時の心構え
ワクチン接種・健康診断の費用として1万円~1万5,000円ほどがかかります。
猫の平均的な飼育費用は、1カ月あたり7,000~1万円になります。
フードやおやつといった食費。価格はピンキリですが、平均すると1カ月で3,000~4,000円ほどかかります。
猫砂や消臭シートなどの日用品が1カ月で800~2,000円前後。
シャンプーなどのお手入れをトリミングサロンにお願いする場合は、その費用も必要になります。平均すると1回あたり、5,000~1万円ほどかかります。
フィラリアやノミ・ダニの予防薬なども含め、健康であっても医療費として年間で2万円ほど必要でしょう。1カ月にすると1,500円程度です。
初めて猫を飼う方の盲点となるのが、ペットの医療事情です。ペットには公的な健康保険がなく、治療費は全額自己負担となります。自由診療のため病院によって料金が異なる点が、人とは違います。
子猫は、異物誤飲や環境変化によるストレス性の軟便や下痢が多いです。
ただし、どちらも場合によっては10万円を越えるケースもあるため、住環境を整えるなど事前の予防や体調の変化に気を付けることが大切です。
お迎えしたばかりの頃は、環境変化によるストレスで軟便や風邪になりやすいので体調の変化にも気を付けてあげましょう。
*ペット&ファミリー損保調べ(2023年4月~2024年3月 保険金支払い実績をもとに算出)
ペットの年齢によって保険料は変わりますが、猫の1ヶ月の保険料は1,300~2,400円*ほど。0~3歳の間に加入するケースが多いです。
ペット保険は、健康でないと加入できず、加入可能年齢が「満7歳まで」のように制限のある場合がほとんど。人と同じように猫も年齢が上がれば病気のリスクも上がるため、早めに加入したいものです。
ペット保険はたくさんの種類があり、どれも同じように見えるかもしれませんが、各保険商品によって補償内容は大きく異なります。
保険料だけではなく、以下の補償内容をよく理解し、最もご自身に適した保険を選ぶようにしましょう。
参照:慢性疾患にも、高額治療にも対応したペット保険!ペット&ファミリー損害保険「げんきナンバーわんスリム プラン50」
家族になる前からたくさんのことを学ぶことで、快適な暮らしをスタートすることができます。お迎えする猫の特徴や費用などをよく知ってよきパートナーとして信頼関係を築いていってくださいね。