人気の小型犬ジャック・ラッセル・テリアは、快活でよく遊ぶアクティブな犬種です。映画などでもおなじみとなり、人気の犬種といえるでしょう。そんなジャック・ラッセル・テリアの歴史や飼い方、性格の特徴、しつけなど、飼育に関するさまざまなポイントをご紹介します。
もくじ
まずは、ジャック・ラッセル・テリアとはどのような犬なのかをご紹介します。
小型犬とは思えないほどのパワフルさでみんなを笑顔にしてしまう、それがジャック・ラッセル・テリアです。活発さがトレードマークであり、人気犬種としてドラマや映画でも頻繁に見るようになりました。
ジャック・ラッセル・テリアの体高は25~38㎝、体重は6.5~8㎏程度。性差はあまりなく、小型化も進んでいることから、飼いやすい小型犬として人気があります。全体的に筋肉質で、垂れ耳もしくは半直立耳が特徴となっています。
※体高…四つ足をついて立ったときの、地面から背中までの高さのこと。
毛色はホワイト&タン(茶色)、ホワイト&ブラック、ホワイト、トライの4種類があります。トライとは、ホワイト・ブラック・タンの3色が混ざったカラーで、ホワイトをベースに、顔や体の一部にブラックとタンが入った色のことです。
毛質のタイプは、最も短いスムース・コート、縮れ毛のワイヤー・コート、短毛と長毛の両方が生えているブロークン・コートの3種類です。
ジャック・ラッセル・テリアの性格
とても活発でアクティブな性格です。明るく遊び好きで、小さな子供が家にいると、一緒になって遊んでくれます。散歩やスポーツが大好きで好奇心旺盛。家族みんなで運動を楽しめるでしょう。こうした性格は、元々が狩猟犬であった歴史が影響しています。
元気な一方で猟犬の持つ攻撃性も残っていますから、性格を活かして家庭犬としてのしつけが必要になります。
ジャック・ラッセル・テリアの歴史は19世紀、イギリス・オックスフォードの神学生ジャック・ラッセル氏から始まります。キツネ狩りの愛好家であった青年は、近所の牛乳屋が飼っていたメスのテリア犬“トランプ”をいたく気に入り、買い取ります。そしてトランプを連れて狩りに行っていました。
トランプはもともとの性格が勇敢で、キツネをどこまでも追いかけ、穴の中にまで果敢に入り込むタフさがありました。
やがてジャック・ラッセル氏は神学校を卒業し神父になった後、キツネ狩りを得意とする犬種を作り出すことに力を入れるようになります。トランプのような運動神経の持ち主で、巣穴からキツネを追い出すことに特化した犬種。それがジャック・ラッセル・テリアの始まりです。
20世紀後半には映画やドラマなどで出演し、現在でも上位人気種となっています。
ジャック・ラッセル・テリアの飼い方のポイントをご紹介します。
ジャック・ラッセル・テリアは猟犬としての素質に特化された犬種です。そのため吠えたり追いかけたり、獲物だと思ったものを咬む癖が潜在的に存在します。家庭犬として「吠えぐせ」「噛み癖」が出ないようきちんとしつけましょう。感情的で突発的な行動に走りやすいところがありますから、感情を抑制し指示によく従うように訓練します。
特に誤飲や電気事故の原因となる「噛み癖」は早めにしつけるようにしましょう。
タフで猟犬気質であることから、毎日の運動は必須となります。運動不足はストレスになりますので、日課の散歩の他にもドッグランなどで思い切り走れる時間をとって、エネルギーを発散させてあげましょう。
散歩は1日2回、1回1時間以上が理想的です。おもちゃを探し出すような、頭を使うゲームをさせるとより満足します。
室内の場合は、新しいアクションを覚えさせたり、目新しいおもちゃを使ったりすると、好奇心も満たされ上手に過ごすことができるでしょう。子供と遊ばせるのも良い発散方法です。
被毛は短い犬種ですが、抜け毛は少なくありませんので、毎日ブラッシングをおこないましょう。特に短い毛のスムースは他のコートより抜け毛が多くなります。
ブラシで抜け毛をまめに取り除きましょう。ブロークン・コートは肛門周辺や足先を短めにカットしておくと汚れも付きにくくなります。
トリミングの時にプラッキングという抜け毛を取り除くお手入れをしてもらうのも効果的です。また、家でのブラッシングはしつけにも役立ちます。全身を触らせることで信頼度も増しますので、ぜひ散歩の後に積極的にお手入れをしましょう。
ジャック・ラッセル・テリアは関節の病気にかかりやすい犬種です。そのため体重管理をしっかりおこない、脚に負担をかけないよう努めましょう。良質のフードはタンパク質量も十分に含まれ、運動向きで筋肉質な体を適切に保ちます。適度な運動とフードで毎日の体調管理をおこないましょう。
ジャック・ラッセル・テリアの寿命は12~15年程度で、遺伝的疾患が少ないため小型犬のなかでも長生きする犬種です。ただし、遺伝的疾患は少ない犬種とはいえ、暑さに弱いなどの体質、かかりやすい疾患もあるので、気になる症状がみられたらすぐ病院で相談しましょう。
長く一緒に暮らすために、ジャック・ラッセル・テリアがかかりやすい病気を知っておきましょう。
膝蓋骨という膝のお皿の骨がズレてしまう症状です。運動能力が高く激しく動くジャック・ラッセル・テリアは、それだけ関節に負担をかけやすいとも言えます。室内は特に滑りやすいため、床や階段に滑り止めの絨毯などを敷いて対策をしましょう。
骨盤とふとももの骨を連結する部分である大腿骨頭の壊死により、炎症が起こる症状です。痛みが出るため歩行異常が見られます。若齢期の小型犬に多く、発症した場合は外科手術や痛みを抑える安静治療が必要となります。
アレルギー性皮膚炎や脂漏症(しろうしょう)など、皮膚炎症状は少なくありません。フードが原因となる場合もあります。耳や肛門周辺、足先など、水分がたまりやすい部分は炎症も起きやすくなりますから、毎日の良質なフードとまめなお手入れが大切です。
副腎皮質ホルモンの過剰分泌により引き起こされるさまざまな症状のことを言います。特に中高齢の犬に多く発症します。初期症状は多飲多尿や多食など、普段の様子から変化が分かりにくいため見落とされることもあります。普段の様子をよく観察して早期発見に努めましょう。
インスリン分泌不足により血中の血糖値が上がり、さまざまな症状が出る病気です。初期症状は見た目で判断しにくく、症状が進んで白内障や腎疾患などが発症することで気づくケースがあります。
目の水晶体が一部分もしくはすべて白く濁ってしまう病気です。見た目の変化で病気に気づくことが多いですが、その原因は遺伝や年齢などさまざま。視野が狭くなり、視力の弱まりで物にぶつかるようになります。ジャック・ラッセル・テリアは運動を好む犬種ですから、外傷性にも気を付けましょう。
ジャック・ラッセル・テリアの子犬の価格は20~40万円程度(2024年7月時点)です。チャンピオン家系を除いては、オス・メスでの差はほとんどなく、柄の良さや、誕生日数によって価格が変動しています。日数の若い子犬のほうが高価になる傾向があります。
ジャック・ラッセル・テリアを迎える方法、費用について具体的に紹介しましょう。
ペット初心者でも迎えやすいのがペットショップです。ジャック・ラッセル・テリアが欲しい時、しつけで困った時にお店に行けば相談に応じてもらえるため、ペット初心者におすすめです。月齢がある程度いった子犬ならばワクチン接種、簡単なしつけが済んでいるケースもあります。
ブリーダーは、全国各地に存在する犬の繁殖を専門とする人のこと。犬種の知識、飼育経験が豊富なブリーダーから犬を譲り受けることができるため、事前に飼い方、注意点を教わることができます。犬の飼い方がわからないペット初心者でも安心して迎え入れることができるでしょう。
また、実際に親犬の様子を事前に確認することができるため、成犬時のサイズ感などを予測する助けになります。
劣悪な環境で繁殖している業者もいるため、飼育環境などの質問にもきちんと答えてくれる、信頼できるブリーダーを見つけましょう。
里親制度は、保護団体、保健所など引き取り手のいない犬、飼い主さんがいない犬を迎え入れて里親になる制度です。ペットショップ、ブリーダーと比べると費用が掛からないメリットがあります。ただし、里親募集によっては譲渡、引取後も必要に応じて飼育状況を確認しなければならないケースもあります。
また、ジャック・ラッセル・テリアは人気犬種なので、子犬に出会うには運やタイミングが必要です。
ジャック・ラッセル・テリアを迎え入れるまでに、準備しておきたいものは、以下の通りです。約4〜5万円ほどをみておくと良いでしょう。
【寝床の準備】
・ ペットサークル
・ クレート(ペット用キャリー)
・ ベッド
【日用品の準備】
・ ドッグフード
・ フードボウル
・ 水飲みボウル
【トイレ用品の準備】
・ トイレトレー
・ トイレシーツ
【ケア用品】
・ ブラシ
・ 爪切り
・ ペット用シャンプー
・ 歯磨きグッズ
【その他】
・ 首輪
・ リード
ジャック・ラッセル・テリアは元気で好奇心旺盛です。特に子犬は何にでも興味を示し誤飲する可能性もありますから、危険な物は犬の手の届かない場所に物を片付けておきましょう。
【関連リンク】
犬を迎える前に準備しておきたいもの
犬を迎える前に整えておきたい室内のポイント
犬をペットとして迎える時の心構え
役所への登録料や狂犬病ワクチン、混合ワクチンなどの接種、健康診断の費用として2〜3万円ほどがかかります。
小型犬の平均的な飼育費用は、1カ月あたり1~2万円になります。
フードやおやつといった食費。価格はピンキリですが、平均すると1カ月で3,000~5,000円ほどかかります。
トイレシーツなどの日用品が1カ月で1,000~3,000円前後。
シャンプーなどのお手入れをトリミングサロンにお願いする場合は、小型犬の場合1回3,000~1万円程度をみておきましょう。
フィラリアやノミ・ダニの予防薬なども含め、健康であっても医療費として年間で3~5万円ほど必要でしょう。1カ月にすると3,000円程度です。
初めて犬を飼う方の盲点となるのが、ペットの医療事情です。ペットには公的な健康保険がなく、治療費は全額自己負担となります。自由診療のため病院によって料金が異なる点が、人とは違います。
子犬は、骨折や異物誤飲が多いです。犬猫の骨折、異物誤飲の平均治療費は以下の通りです。
ただし、どちらも場合によっては20万円を越えるケースもあるため、住環境を整えるなど事前の予防が大切です。
お迎えしたばかりの頃は環境変化によるストレスで軟便や風邪にもなりやすいので体調の変化にも気を付けてあげましょう。
*ペット&ファミリー損保調べ(2023年4月~2024年3月 保険金支払い実績をもとに算出)
ペットの年齢によって保険料は変わりますが、小型犬の1ヶ月の保険料は1,500~4,400円*ほど。0~3歳の間に加入するケースが多いです。
ペット保険は、健康でないと加入できず、加入可能年齢が「満7歳まで」のように制限のある場合がほとんど。人と同じように犬も年齢が上がれば病気のリスクも上がるため、早めに加入したいものです。
ペット保険はたくさんの種類があり、どれも同じように見えるかもしれませんが、各保険商品によって補償内容は大きく異なります。
保険料だけではなく、以下の補償内容をよく理解し、最もご自身に適した保険を選ぶようにしましょう。
*参照:慢性疾患にも、高額治療にも対応したペット保険!ペット&ファミリー損害保険「げんきナンバーわんスリム プラン50」
* 犬の加入タイプ(小型犬・中型犬・大型犬・特大犬)は、ご加入時・ご継続時の体重で決まります。ただし、1歳未満の幼犬の場合「犬種分類表」を参考に、1歳時のおおよその予測体重で加入タイプが決まります。
家族になる前からたくさんのことを学ぶことで、快適な暮らしをスタートすることができます。お迎えする犬の特徴や費用などをよく知ってよきパートナーとして信頼関係を築いていってくださいね。