まるでオオカミのような凛々しい風貌が魅力的なアラスカン・マラミュート。体も大きく堂々とした見た目に反して、性格はとても穏やかで優しく、遊ぶのが大好き。飼い主さんに対して愛情深く忠実な犬種です。今回はそんなアラスカン・マラミュートの特徴や性格、楽しく暮らすためのポイントについて紹介します。
もくじ
大きな体でソリを引くオオカミのような犬。日本ではなかなかお目にかかることができないアラスカン・マラミュートですが、実はとっても友好的な犬種です。まずはアラスカン・マラミュートの特徴や性格、歴史についてご紹介します。
アラスカン・マラミュートは非常に大きく逞しい体が最大の特徴です。よく似た姿のシベリアン・ハスキーよりもひとまわり大きく、筋肉質でしっかりとした四肢をもっています。近年ではオオカミに非常に近いDNAを持つことがわかっており、立耳で巻いたフサフサのしっぽは力強さを感じさせます。
オスは体高63.5cm前後・体重38kg前後、メスは58.5cm前後・34kg前後が最も良いとされています。
体高…四つ足をついて立ったときの、地面から背中までの高さのこと。
毛色は大きく分けると黒系と茶系の2つに分けられますが、バラエティ豊富。単色の場合は白のみが認められています。
大きな体のため怖い印象をもつ人も多いのですが、実は非常に穏やかで愛情深い犬種です。飼い主さんに従順で献身的、協調性もあるので指示にもよく従い、多頭飼いにも非常に向いています。
忍耐強くしつけや仕事に取り組むことができ、明るく遊び好きなのでアウトドアなどで一緒に遊ぶのにもぴったりです。家庭犬としての資質も十分ですが、独立心が強く頑固な一面も持ち合わせています。
アラスカン・マラミュートは、アラスカ北西部でソリを引く最古の犬種のひとつです。祖先はシベリア原産の犬と推測され、イヌイットのマラミュート族がソリを引かせていたという記録が残っています。
ゴールドラッシュに湧いた18世紀頃にアラスカに入植した白人によって、犬ぞりレースの犬として異種交配が盛んに行われました。しかし、犬ぞり愛好家たちによる保存活動が起こったことで、現在もその逞しい姿が守られています。
寒い場所で力仕事をしてくれるアラスカン・マラミュート。一緒に暮らすとなったら、どんなことに気をつければ良いのでしょうか。ポイントをチェックしてみましょう。
アラスカン・マラミュートはソリを引く犬として暮らしてきた犬であるため、運動量は他の犬種以上に必要になります。とにかく走ることが大好きなので、ドッグランやアジリティランなど、自由に走り回れる場所へ連れて行くなど、十分な運動が出来る工夫をしましょう。
運動不足が続くとストレスが溜まり、体調不良や問題行動の引き金になってしまうため、毎日1時間以上の散歩2回を基本にして、散歩時間をキープしてください。
見た目でわかるように、大きな体は大きなパワーを秘めています。基本的には温厚な犬ですが、何気ないことが事故につながってしまうこともあります。事故を防ぐためにも、小さな頃からしっかりとしつけを行い、主従関係をしっかりと築いておきましょう。
アラスカン・マラミュートは頭が良く、褒められることが好きなので、遊びの中にコマンドを取り入れ、褒めながらトレーニングする方法がおすすめです。
アラスカン・マラミュートは寒い地方で誕生した犬種です。ふかふかの被毛が全身を覆っているため、高温多湿は大の苦手。暑くなってきたらエアコンを活用して、快適な室温を保つように注意しましょう。
夏の運動は川や海で遊ぶと喜びますが、運動の前後は涼しい場所で十分に休めるようにするなど注意が必要です。
アラスカン・マラミュートの被毛はダブルコートで、換毛期には大量の抜け毛が発生します。こまめにブラッシングをして、毛を取り除くようにしましょう。
高い耐寒性をもつ密度が高い毛が生えているので、夏は熱がこもらないようにトリミングを行うのもおすすめです。
アラスカン・マラミュートの平均寿命は12歳前後で、大型犬としては平均的な寿命といえます。ただし高温多湿な日本は、アラスカン・マラミュートにとって体調を崩しやすい環境です。少しでも長い時間一緒にいたいと願うのであれば日頃から体調管理を徹底し、病気に気をつけてすごしましょう。
ペットとして迎え入れるなら、アラスカン・マラミュートがかかりやすい病気についてチェックしておきたいところです。アラスカン・マラミュートの注意しておきたい病気について紹介します。
股関節がうまく発育せず、関節に異常を起こす病気です。足を引きずって歩く、腰を左右に振って歩く、つまずく、運動を嫌がるなどの様子が見られたら、早めに獣医師に相談しましょう。
加齢に伴い起こりやすい目の病気で、水晶体が白く濁って視力が落ちてしまいます。目が白くなる、壁や物にぶつかるようになったら注意が必要です。
甲状腺ホルモンの分泌が減少することで元気がなくなり、脱毛、肥満、低体温など、様々体調不良が見られるようになります。
大型犬に見られる病気で、大量のガスによって胃が拡張したり、ねじれたりする病気です。症状がひどければ胃の周りの血管を圧迫するため、重篤な症状を引き起こします。落ち着きがなくなる、吐こうとしても吐けない、大量のよだれなどの症状があらわれたら胃拡張・胃捻転を疑ってみましょう。
またこの病気は緊急を要することがあるため、怪しいと思ったらすぐに動物病院へ連絡してください。
アラスカン・マラミュートは希少種なため、他の大型犬に比べると迎え入れるのに費用がかかります。平均価格は70~80万円前後(2024年7月時点)です。ただし、犬の値段は性別、血統、チャンピオン犬かどうか、購入方法によって変動します。
また、日本では珍しい犬種のため、海外から輸入することになれば、子犬の輸送費も別途必要になります。
日本のペットショップで、アラスカン・マラミュートを見かけることは少ないです。国内のブリーダーもそう多くはありませんが、まずはコンタクトを取ってみましょう。子犬が確実にいるとは限りませんが、実際に成犬に触れ合ったり、子犬の予約をしたりすることができるでしょう。
アラスカン・マラミュートを迎え入れるまでに、準備しておきたいものは、以下の通りです。おおよそ約4〜5万円ほどをみておくと良いでしょう。
【寝床の準備】
・ペットサークル
・クレート(ペット用キャリー)
・ベッド
【日用品の準備】
・ドッグフード
・フードボウル
・水飲みボウル
【トイレ用品の準備】
・トイレトレー
・トイレシーツ
【ケア用品】
・ブラシ
・爪切り
・ペット用シャンプー
・歯磨きグッズ
【その他】
・首輪
・リード
事前に飼育環境を整えておく必要もあります。危険なもの、噛まれては困るものは片づけるなどしておきましょう。
アラスカン・マラミュートは暑さにも弱いので、夏場はクーラーなど空調設備のできるものも備えておくと安全です。余裕があれば、犬が遊べるおもちゃなども買っておきましょう。
【関連リンク】
犬を迎える前に準備しておきたいもの
犬を迎える前に整えておきたい室内のポイント
犬をペットとして迎える時の心構え
役所への登録料やワクチン接種・健康診断の費用として2〜3万円ほどかかります
大型犬の平均的な飼育費用は、1カ月あたり2万~4万円になります。
フードやおやつといった食費。価格はピンキリですが、平均すると1カ月で5,000~1万2,000円ほどかかります。
トイレシーツなどの日用品が1カ月で5,000~1万4,000円前後。
シャンプーなどのお手入れをトリミングサロンにお願いする場合は、大型犬の場合1回1万円以上かかるでしょう。
フィラリアやノミ・ダニの予防薬なども含め、健康であっても医療費として年間で4~6万円ほど必要でしょう。1カ月にすると4,000円程度です。
初めて犬を飼う方の盲点となるのが、ペットの医療事情です。ペットには公的な健康保険がなく、治療費は全額自己負担となります。自由診療のため病院によって料金が異なる点が、人とは違います。
子犬は、骨折や異物誤飲が多いです。
ただし、どちらも場合によっては20万円を越えるケースもあるため、住環境を整えるなど事前の予防が大切です。
お迎えしたばかりの頃は環境変化によるストレスで軟便や風邪にもなりやすいので体調の変化にも気を付けてあげましょう。
*ペット&ファミリー損保調べ(2023年4月~2024年3月 保険金支払い実績をもとに算出)
ペットの年齢によって保険料は変わりますが、大型犬の1ヶ月の保険料は2,300~5,900円*ほど。0~3歳の間に加入するケースが多いです。
ペット保険は、健康でないと加入できず、加入可能年齢が「満7歳まで」のように制限のある場合がほとんど。人と同じように犬も年齢が上がれば病気のリスクも上がるため、早めに加入したいものです。
ペット保険はたくさんの種類があり、どれも同じように見えるかもしれませんが、各保険商品によって補償内容は大きく異なります。
保険料だけではなく、以下の補償内容をよく理解し、最もご自身に適した保険を選ぶようにしましょう。
*参照:慢性疾患にも、高額治療にも対応したペット保険!ペット&ファミリー損害保険「げんきナンバーわんスリム プラン50」
*犬の加入タイプ(小型犬・中型犬・大型犬・特大犬)は、ご加入時・ご継続時の体重で決まります。ただし、1歳未満の幼犬の場合「犬種分類表」を参考に、1歳時のおおよその予測体重で加入タイプが決まります。
家族になる前からたくさんのことを学ぶことで、快適な暮らしをスタートすることができます。お迎えする犬の特徴や費用などをよく知ってよきパートナーとして信頼関係を築いていってくださいね。