真っ白で柔らかな毛と、「サモエドスマイル」と呼ばれる柔和な表情が人気のサモエド。その大きな体と飼い主さんを見つめる愛らしい真っ黒の瞳に虜になってしまう人は少なくありません。この記事では、そんなサモエドの魅力やサモエドとの暮らしを楽しむためのポイントをお話しします。
もくじ
サモエドと一緒に暮らす前に、どんな犬なのかをよく知っておきたいもの。まずはサモエドの特徴や性格、歴史について紹介します。
サモエドは真っ黒なアーモンド型の目と鼻、口の両端が上がった「サモエドスマイル」と呼ばれる愛嬌あふれる表情が最大の特徴です。
使役犬として働いてきたため、とてもタフな犬種で、立ち耳でしっぽは長い飾り毛があり背の上に巻いています。
体は筋肉質でしっかりしており、オスの体高が54〜60cm、メスは50〜56cm、体重は16~30kgほどの大型犬です。体高よりも体長がやや長いのも特徴の一つです。
※体高…四つ足をついて立ったときの、地面から背中までの高さのこと。
全身は真っ白の豊かなダブルコートで覆われおり、サモエドの美しさを引き立てています。ただし抜け毛が非常に多いため、換毛期にはこまめな手入れが必要です。
サモエドは極寒のロシアで人間と密接に暮らしていたため、人懐っこくとても温厚な性格です。遊び好きで人見知りもせず、あまり神経質ではないため、他の犬はもちろん小さな子どもとも仲良くできるでしょう。
大きな体をしていますが、人を信頼しているためしつけもしやすく、家庭犬として飼いやすい犬種だと言えます。
サモエドは古くから人とともに暮らしてきた犬で、その起源は紀元前数百年までさかのぼると言われるほど。もともとはシベリアの遊牧民であるサモエド族が、ソリを引く犬として、また番犬や猟犬、時には暖をとる犬として家族のように大切にしてきました。
19世紀後半~20世紀初頭は、北極・南極大陸遠征の使役犬(職業犬)としても活躍。当時は被毛に黒やタンが混じっていましたが、冒険家がイギリスに連れて帰り、イギリスで改良されたことによって真っ白の今の姿になったとされています。
温厚で優しく、フレンドリーな性格で世界中に愛されているサモエド。実際に一緒に暮らすとなったらどんなことに気をつければよいのでしょうか。
サモエドは活発な犬種。毎日2回を基本に1回30分〜1時間程度の散歩が必要になります。散歩の時間にトレーニングを取り入れるなどの工夫をし、遊びながら社会性を身につければ、ドッグランなどでも他の犬たちの人気者になってくれるでしょう。
サモエドの魅力の一つはその真っ白でふわふわの被毛。ダブルコートの犬種なので抜け毛が多く、特に換毛期には大量の毛が抜けます。日頃からこまめにブラッシングをしなければ、毛玉ができてしまうだけでなく、皮膚病になってしまうことも少なくありません。高温多湿の日本では皮膚が蒸れやすく、皮膚病の発症リスクが上がります。
毎日のブラッシングや定期的なシャンプーを習慣にしましょう。
シベリアで暮らしていたサモエドは、夏の暑さが大の苦手です。人間に例えるならば、年中脱げないコートを着て暮らしているようなもの。一般的な犬種よりもさらに暑さ対策には注意が必要です。
対策を怠れば熱中症の危険もあります。常に室温には気を配り、20〜22度程度の室温をキープするようにしましょう。暑くなり始めたら散歩の時間にも注意をし、早朝や夜などの涼しい時間に運動するようにしてください。水遊びも大好きなので、夏場は川や海でも水遊びもおすすめです。
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使役犬として活躍してきたサモエドは、とてもしつけやすい犬種です。温厚な性格ですが、体が大きく力も強いので、ささいなことが事故につながることもあります。良きパートナーとして暮らしていくためにも、根気よくしつけることで問題行動を防ぎましょう。
平均寿命は12歳前後で、大型犬としては平均的。サモエドは純血種ですが遺伝性疾患が比較的少なく、病気に強い犬種と言われています。日頃から運動量や食事に気をつけけるなど健康管理によっては、良きパートナーとしてより長い時間一緒に居られるでしょう。
遺伝性疾患の少ないサモエドですが、実際に暮らすとなれば、健康に関することも心配になるでしょう。そこでサモエドのかかりやすい病気について紹介します。
暑さに弱いサモエドは、熱中症に注意が必要です。夏場は特に気を配り、散歩や運動の時間に気をつけるだけでなく、適切な温度管理をして予防しましょう。
日本の高温多湿の気候は、皮膚炎の原因となります。普段のお手入れの際には毛の下に隠れている皮膚の状態をよく観察し、脱毛や出血がないかしっかりと確認しましょう。体をかゆがっている様子が見られる、体を地面に擦り付けている場合には特に注意が必要です。
関節に炎症が起こり、悪化した状態を関節炎といいます。老犬におこりやすく、常に痛みが出るため、歩行や運動に支障が出ます。一度発症すると完治は難しいですが、適切なケアをすることで痛みを軽減することができます。
大量のガスによって胃がねじれる病気です。症状がひどければ胃の周りの血管を圧迫するため、重篤な症状を引き起こします。落ち着きがなくなる、吐こうとしても吐けない、大量のよだれなどの症状があらわれたら胃拡張・胃捻転を疑ってみましょう。
またこの病気は緊急を要することがあるため、怪しいと思ったらすぐに動物病院へ連絡してください。
糖尿病は、糖をうまく取り込めなくなることで高血糖を引き起こす病気です。初期には尿量が多くなり、水をよく飲むようになります。同時に白内障を発症することも多いため、白内障になったら同時に糖尿病にも注目しましょう。
サモエドの平均価格は45~70万円ほどです。大型犬として平均的な価格ですが、時には100万円を超えることもあるようです。(2024年7月時点)ただし、犬の値段は性別、血統、チャンピオン犬かどうか、購入方法によって変動します。
日本のペットショップで、サモエドを見かけることは少ないです。国内のブリーダーもそう多くはありませんが、まずは連絡し相談してみましょう。子犬が確実にいるとは限りませんが、実際に成犬に触れ合ったり、子犬の予約をしたりすることができるでしょう。
サモエドを迎え入れるまでに、準備しておきたいものは、以下の通りです。
おおよそ約4〜5万円ほどをみておくと良いでしょう。
【寝床の準備】
・ペットサークル
・クレート(ペット用キャリー)
・ベッド
【日用品の準備】
・ドッグフード
・フードボウル
・水飲みボウル
【トイレ用品の準備】
・トイレトレー
・トイレシーツ
【ケア用品】
・ブラシ
・爪切り
・ペット用シャンプー
・歯磨きグッズ
【その他】
・首輪
・リード
事前に飼育環境を整えておく必要もあります。危険なもの、噛まれては困るものは片づけるなどしておきましょう。
サモエドは暑さにも弱いので、夏場はクーラーなど空調設備のできるものも備えておくと安全です。余裕があれば、犬が遊べるおもちゃなども買っておきましょう。
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役所への登録料やワクチン接種・健康診断の費用として2〜3万円ほどかかります
大型犬の平均的な飼育費用は、1カ月あたり2万~4万円になります。
フードやおやつといった食費。価格はピンキリですが、平均すると1カ月で5,000~1万2,000円ほどかかります。
トイレシーツなどの日用品が1カ月で5,000~1万4,000円前後。
シャンプーなどのお手入れをトリミングサロンにお願いする場合は、大型犬の場合1回1万円以上かかるでしょう。
フィラリアやノミ・ダニの予防薬なども含め、健康であっても医療費として年間で4~6万円ほど必要でしょう。1カ月にすると4,000円程度です。
初めて犬を飼う方の盲点となるのが、ペットの医療事情です。ペットには公的な健康保険がなく、治療費は全額自己負担となります。自由診療のため病院によって料金が異なる点が、人とは違います。
子犬は、骨折や異物誤飲が多いです。
ただし、どちらも場合によっては20万円を越えるケースもあるため、住環境を整えるなど事前の予防が大切です。
お迎えしたばかりの頃は環境変化によるストレスで軟便や風邪にもなりやすいので体調の変化にも気を付けてあげましょう。
*ペット&ファミリー損保調べ(2023年4月~2024年3月 保険金支払い実績をもとに算出)
ペットの年齢によって保険料は変わりますが、大型犬の1ヶ月の保険料は2,300~5,900円*ほど。0~3歳の間に加入するケースが多いです。
ペット保険は、健康でないと加入できず、加入可能年齢が「満7歳まで」のように制限のある場合がほとんど。人と同じように犬も年齢が上がれば病気のリスクも上がるため、早めに加入したいものです。
ペット保険はたくさんの種類があり、どれも同じように見えるかもしれませんが、各保険商品によって補償内容は大きく異なります。
保険料だけではなく、以下の補償内容をよく理解し、最もご自身に適した保険を選ぶようにしましょう。
*参照:慢性疾患にも、高額治療にも対応したペット保険!ペット&ファミリー損害保険「げんきナンバーわんスリム プラン50」
*犬の加入タイプ(小型犬・中型犬・大型犬・特大犬)は、ご加入時・ご継続時の体重で決まります。ただし、1歳未満の幼犬の場合「犬種分類表」を参考に、1歳時のおおよその予測体重で加入タイプが決まります。
家族になる前からたくさんのことを学ぶことで、快適な暮らしをスタートすることができます。お迎えする犬の特徴や費用などをよく知ってよきパートナーとして信頼関係を築いていってくださいね。