大人も子供も大好きなチョコレートですが、「犬や猫にチョコレートはNG」と聞いたことがある人は多いのでは?ほんの少しでもダメなの?もし食べちゃったらどうしたらいい?そんな疑問にお答えします。
もくじ
(Zelma Brezinska/shutterstock)
チョコレートの原料である、カカオには「テオブロミン」という成分が含まれています。
人間にとっては問題のない成分ですが、犬や猫はこの成分を分解・排出する力が弱いため、体内に長く残ってしまい、その結果中毒症状を起こしてしまうのです。
また、チョコレートには「カフェイン」も含まれており、こちらも中毒症状を起こす原因となる成分です。
これらの成分には、覚醒作用や興奮作用があります。そのため、猫が食べると過度の興奮や嘔吐・下痢といった症状を起こし、最悪の場合は死に至る可能性も。
他にも、猫がチョコレートを食べてしまった場合に起こりうる中毒症状には様々なものがあります。
また、チョコレートを食べてしまってから症状が出るまでは、数時間と言われていますが、遅いと翌日になってから症状が出る場合も。
愛猫がチョコレートを食べてしまった可能性があれば、その後しばらくは注意深く様子を見るようにしましょう。
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テオブロミンによる中毒を発症する量は、猫の体重1㎏あたり80~100mg程度。致死量は250~500mgほどと言われています。
一般的なミルクチョコレート50g(一般的な板チョコ1枚)に含まれている、テオブロミンの量は80~120mgになりますので、体重4kgの猫であれば板チョコを10枚食べないと致死量には届かないという計算になります。
しかし、これはあくまでも、カカオ含有量の低いミルクチョコレートの数値です。最近では、高カカオのチョコレートも多く、カカオ含有量は商品によって大きく異なりますので、油断は禁物です。
また、人間でもカフェインが効きやすい人と効きにくい人がいるように、猫にも個体差があります。持病がある場合は危険性が高くなりますので、少量であっても食べさせないように注意すべきでしょう。
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カカオが使われている食べ物はすべて、チョコレート同様に猫が食べないように気をつける必要があります。
わかりやすいものだと、チョコレートがかかっているお菓子やチョコチップ入りのクッキーやパン。チョコレートアイスにも入っています。
ココアもカカオから出来ているものですから、ミルクたっぷりの甘いホットココアも危険です。ココアパウダーがかかっているケーキ、ココアが混ぜ込まれているお菓子なども愛猫が食べてしまわないように気をつけましょう。
ココアパウダーや製菓用のチョコレートはカカオの濃度が高く、「テオブロミン」が多く含まれています。お菓子作りが趣味という方は、調理中に愛猫がつまみ食いしてしまわないよう、気をつけてくださいね。
粉類は、うっかり床にこぼれることもあるので、調理中はキッチンを立ち入り禁止にしたほうが安全でしょう。
また、愛猫の前でチョコレートを食べないようにすることも大切です。猫は、興味を惹かれればこっそり食べようとするかもしれませんし、包み紙などについたチョコレートを舐めてしまうかもしれません。
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与えないのはもちろん、必ず冷蔵庫にしまうようにしていても、ふとしたときに愛猫がチョコレートを口にしてしまうことはあり得ます。
もし食べてしまったら、飼い主さんが無理に吐かせようとするのは危険ですので、すぐ動物病院を受診してください。
受診の際は以下の内容を獣医師に伝えられるようにしておくと良いでしょう。
パッケージなどがあればそれも持参しましょう。
吐物や便の写真をスマホで撮影しておくと治療の参考になります。
「テオブロミン」の解毒薬はありませんので、動物病院での処置は嘔吐させるなどの対症療法が基本です。場合によっては胃洗浄などを行います。
吐かせるのは、食べてしまってから数時間経っていても効果があるとされていますので、もし留守中に食べてしまっていても諦めずに受診してくださいね。
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チョコレートの誤食を完全に防ぐのに一番の方法は、家にチョコレートを持ち込まないこと。とは言え、それはなかなか難しいですよね。
高い場所の戸棚にしまっても、猫なら簡単に開けられることもあります。必ず冷蔵庫にしまうようにして、誤食させないように気をつけながらチョコレートを楽しみましょう。