犬にシャワーをかけても問題ない?上手なシャンプーの仕方
2021.10.29 作成

犬にシャワーをかけても問題ない?上手なシャンプーの仕方

PNS編集部

PNS編集部

愛犬のワイルドなニオイが好き、という飼い主さんは意外と多いもの。あの独特のニオイをかぐと、何とも言えない愛おしさを感じますよね。とはいえ、あまりにニオイが強くなると気になりますし、皮膚トラブルの予防や花粉などを持ち込ませないためにも、シャンプーは重要です。今回は犬のシャンプーの基本を確認していきましょう。

もくじ

    洗いすぎ?洗わなすぎ?適切なシャンプーの頻度

    犬にシャワーをかけても問題ない?上手なシャンプーの仕方

    (Sopha Changaroon/shutterstock)

    犬のシャンプーの頻度は、月に1~2回が適切と言われています。

    意外なことに犬の皮膚はずっと薄く、人間の20~30%ほどの厚さしかありません。
    頻繁なシャンプーは皮膚や被毛の油分まで落としてしまい、皮膚を乾燥させてしまいます。

    一方で、汚れや皮脂が溜まったままにしてしまうと、皮膚トラブルを引き起こす原因に。デリケートだからこそ、シャンプーの回数は多すぎても少なすぎても良くないのです。

    また犬には被毛があるので、ブラッシングによって毛についた汚れやダニ・ノミを落とすことで皮膚へのダメージを減らすことができます。

    愛犬の皮膚のケアを考えるときは、シャンプーだけでなく毎日のブラッシングも大切にしていきたいですね。

    「トリミングサロンで毎月シャンプーしているから大丈夫」という方も、思わぬアクシデントで愛犬が汚れてしまうこともありますから、ぜひ自宅シャンプーのやり方を覚えておきましょう。

    いつもとは違う、意外な愛犬の姿を見られるチャンスかもしれませんよ。

     

    事前にやっておきたいこと&注意点をチェック

    事前にやっておきたいこと&注意点をチェック

    (Blazej Lyjak/shutterstock)

    「さあ、シャンプーをしよう!」と浴室に向かう前に、犬のシャンプーをするには準備が必要です。愛犬が濡れたまま手間取ると、風邪を引かせてしまったり、体温が下がって体力を奪ってしまう可能性も。

    シャンプーを効率よくできるよう、事前準備はしっかりしておきましょう。

    【準備①】ブラッシング

    まずはブラッシング。大きな汚れを落とし、毛のもつれもほどいておきます。抜け毛が多い場合は、このときにある程度抜け毛を取り除いておくといいでしょう。丁寧にブラッシングをすることで、皮膚の状態をチェックすることもできます。

    【準備②】道具を用意しておく

    それから、浴室や脱衣所(ドライをする場所)に、以下のアイテムを出しておきます。

    • 犬用シャンプー
    • バスタオル(できれば複数枚)
    • スリッカーブラシ
    • ドライヤー

    シャワーにまだ不慣れだったり苦手意識がある犬の場合は、小さくしたオヤツなどもあったほうがいいですね。

    【準備③】お湯の用意

    お湯の温度は少しぬるめの36~38℃に設定。ペット用バスタブや洗面器を使って、あらかじめシャンプー剤をお湯に溶かして泡立てておくと、ムラなくスムーズにシャンプー剤をつけることができますよ。

    シャンプーの注意点

    ・こんな場合はシャンプーを見送る

    注意点としては、まず愛犬の体調や体力のこと。

    シャンプーは体力を消耗しますから、ワクチン接種がまだ終わってない子犬やシニア犬、病気や手術の後などは避けましょう。

    その場合は蒸しタオルや濡れタオル、ドライシャンプーなどを活用するといいですよ。

    ・人間用のシャンプー剤を使用しない

    また、先程も出てきたシャンプー剤ですが、人間用のシャンプー剤を使うのはNG!

    犬にとっては洗浄力や刺激が強いため、皮膚を痛めてしまう原因になります。必ず犬用のシャンプー剤を使用するようにしましょう。

    ただし、犬用シャンプーだから絶対にトラブルが起きないとは限りません。数日間は、かゆがったり皮膚に異常が出たりしていないか、いつも以上に気にしてあげてくださいね。

    ・薬用シャンプーは獣医師の指示を仰ぐ

    皮膚炎等の病気がある場合は、薬用シャンプーを使用することもあると思います。使用方法については異なる場合があるので、獣医師の指示に従って、使用するようにしましょう。

    シャンプーは手際よく、すすぎは念入りに

    シャンプーは手際よく、すすぎは念入りに

    (fongleon356/shutterstock)

    濡れたままでいることは犬の体力を奪いますから、シャンプー&すすぎは手早く行いましょう。目安は、小型犬なら15~20分ほど。

    すすぎ残しは皮膚トラブルを引き起こしますから、シャンプーはサッと済ませ、すすぎにしっかり時間を取るようにしましょう。

    1)全身を濡らす

    まずはぬるめのシャワーで全身を濡らします。顔から遠いところ(おしりや後肢)から初めて、顔まわりは最後に。

    犬が驚かないよう、水圧は弱めにしておきましょう。シャワーヘッドを地肌に軽く当てながら行うと、シャワーの音や水しぶきを軽減することができます。

    2)シャンプー剤で体を洗う

    泡立てておいたシャンプー剤を犬の体につけて洗っていきます。爪を立てず、指の腹でマッサージするように洗いましょう。

    洗う順番

    「前肢・後肢」→「おしり・内股」→「胸・お腹・背中」→「顔」

    肉球は汚れが溜まりやすい場所なので、あいだまで丁寧に洗ってください。

    3)シャンプー剤を洗い流す(すすぎ)

    すすぎのときは、上から下へ。

    すすぎの順番

    「頭・顔」→「背中」→「胸」→「前肢」→「お腹」→「おしり」→「後肢」

    内股、肢の付け根、肉球の間などはシャンプー剤が残りがちなので丁寧に。

    お腹は前肢を持ち上げて後肢で立たせると流しやすいですよ。

    「キュッキュッ」という手触りがしっかりすすげているサインです。

     

    生乾きは厳禁!ドライはシャンプーより重要

    生乾きは厳禁!ドライはシャンプーより重要

    (Anton27/shutterstock)

    1)タオルドライ

    シャンプーが終わったら、すぐにタオルを押し当てて水分を取ります。吸水力の高いペットタオルを使うと便利です。

    ここで乾かしづらい指の間や鼻周りをしっかり拭いておくと、ドライヤーの時間を短縮できます。

    ただし、長毛種の場合はワシャワシャと拭いてしまうと毛が絡まってしまうことも。必ず押し当てて拭くようにしましょう。

    2)ブラッシングしながらドライヤーを当てる

    水気が取れたら、スリッカーブラシをかけながらドライヤーで乾かしていきます。

    ドライヤーは犬から20cm以上離し、熱くなりすぎてないかを手でチェックしながらかけていきましょう。風が当たっている場所とブラシをかけている場所がずれないように気を付けて。

    お腹が冷えやすい犬や子犬・シニアの場合は、お腹を早めに乾かしてあげたほうがいいでしょう。

    3)しっかり乾いているかチェック

    最後に全身を撫でて、地肌まで生乾きの部分がないかをチェック。しっかり乾いていたら、冷風でクールダウンしながら仕上げのブラッシングを行います。

    すすぎと同様、ドライも不十分だとニオイや皮膚トラブルの原因になりますので、時間をかけてしっかりと行いましょう。

    部分洗いやドライシャンプーなども取り入れて

    部分洗いやドライシャンプーなども取り入れて

    (Masarik/shutterstock)

    ここまでシャンプーの方法を説明してきましたが、愛犬がシャンプー嫌いという方もいますよね。無理やりシャンプーするとパニックを起こし、さらに嫌いになってしまう場合も。

    そんなときは以下のような方法を取り入れてみてはいかがでしょうか。

    汚れた場所だけ部分洗い

    散歩後の足先だけ、粗相後のおしりだけなど、汚れたところだけを部分洗いをする方法です。足先だけ洗うことで、苦手だったシャワーに慣れてくれることも。

    ドライシャンプー

    水を使わずにシャンプーできるドライシャンプーを使ってみましょう。全身を触られたりケアを受けたりすること自体が苦手な犬の場合、ここから徐々に慣れさせたほうがいいかもしれません。

    入浴

    ぬるま湯を溜めたバスタブに愛犬を浸からせ、“入浴”させる方法です。「水遊びは好きだけどシャワーは苦手」といったケースなどで試してはいかがでしょうか。

    油分などは落とせませんが、毛や皮膚の汚れをかなり落とすことができますし、浴室にも慣れてくれそうです。

    美しい毛並みだけでなく、皮膚トラブルのない快適な毎日のためにも大切なシャンプー。人間が思っている以上に体力を奪い、ストレスにもなりえるケアだからこそ、基本を押さえてスムーズにできるようになりたいですね。

    著者・監修者

    PNS編集部

    ペットライフに新しい発見を。
    ペットニュースストレージ編集部です。

    PNS編集部

    ページトップに戻る