インテリアのアクセントになる、おしゃれなラグや触り心地のいいフワフワのカーペットを敷きたいと思っても、猫がいるご家庭では様々な理由でためらいがち。猫の飼い主さんに多いお悩みと、それに合ったカーペット選びをご紹介します。
猫がいてもカーペットのある暮らしがしたい!
(Alena Ozerova/shutterstock)
現代の住宅の多くは、フローリングが基本。お手入れや掃除がしやすいというメリットがある一方、硬くてくつろぎにくかったり、底冷えしたりするというデメリットもありますね。
このデメリットを解決するのに一番簡単な方法は、カーペットを敷くこと。しかし猫を飼っていると、この簡単な解決法が実に難しいのです。
こんな心配から、カーペットを使うのをためらっている方は多いのではないでしょうか。
猫の抜け毛の掃除が大変
爪とぎでボロボロになる
嘔吐や粗相で汚れてしまう
実際、これらは猫の飼い主さんからよく聞くお悩みです。だからこそ、ご自分の愛猫が起こしそうなトラブルを予測し、どんなカーペットが合っているのかを考えてみましょう。
猫との暮らしは抜け毛との戦い
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猫や犬を飼っているおうちは、掃除用具が充実しているもの。また外出着と部屋着を必ず分けている方も多いようです。それもこれも、あの素敵なモフモフから生まれる抜け毛が原因。癒しの猫ライフは終わりなき抜け毛との戦いでもあるのです。
抜け毛の多い猫には毛足の短いカーペット選び
カーペットやラグを置けば、あっという間に抜け毛まみれに。長毛種の猫だと「こんなに!?」と驚くほどの抜け毛が絡みついてしまいます。特に毛足が長くフサフサのカーペットだと、奥の方に入ってしまった抜け毛を取るのはかなり大変。
猫の抜け毛が気になる方は、カーペットは毛足が短いものを選ぶようにしましょう。お手頃な価格のカーペットのほうが掃除しやすいという声も。表面が樹脂やコルクのタイプを選ぶのも一案ですね。
愛猫の毛が目立たない色のカーペット選び
猫の毛の取りやすさだけでなく「目立たなさ」にも注目。愛猫と同系色のカーペットを選べば、多少掃除しきれなくてもイライラせずに済むでしょう。また、無地よりも柄のあるタイプのほうが目立ちにくいようです。
こまめな掃除とブラッシングで抜け毛対策を行いつつ、長毛種や抜け毛が多い子には、これらのポイントを押さえたカーペットを選ぶとよいでしょう。
“猫あるある”な爪とぎ被害を防ぐには
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爪とぎは猫の習性のひとつ。狩りのために爪を鋭く保つだけでなく、足裏の臭腺から出るにおいのマーキングも行っています。猫にとっては大事なストレス解消法でもあるので、満足するまでやらせてあげましょう。
とはいえ、せっかく出会えたお気に入りのカーペットやラグが、爪とぎ被害に遭ったらがっかりしてしまいますよね。買ってきて数日でボロボロになってしまった、なんて話も。それを防ぐには、どうしたらよいのでしょうか。
事前に爪とぎを覚えさせる
事前に愛猫の爪とぎの好みを把握し、お気に入りの爪とぎを複数用意して覚えさせておきましょう。爪とぎには立て掛けるタイプや床置きタイプなどの種類があり、素材も荒縄、木、段ボールなど様々。
出来れば飼い始めた頃から爪とぎで爪をとぐことを覚えさせ、いくつか試して愛猫の好みを探っておくとよいですね。
カーペットの毛足が輪になっていないタイプを選ぶ
カーペットは、毛足が輪になっていない「カットパイル」を選びましょう。毛足が輪になっている「ループパイル」だと爪が引っかかりやすく、糸が飛び出しやすいのです。中には爪が引っかかる感触に夢中になってしまう猫もいます。
もしすでにカーペットでの爪とぎに猫がはまってしまった場合は、カーペットに似た素材の爪とぎも市販されていますので、そちらを試してみてくださいね。
嘔吐や粗相もどんと来い!機能性カーペット
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自分でグルーミングする猫は、嘔吐によって飲み込んだ毛玉を吐き出しますが、その頻度は猫によって様々。吐きやすい猫の場合は、汚れにくく洗いやすい機能性カーペットを選ぶとよいでしょう。
また、子猫やシニア猫はトイレの失敗も多いもの。これまではあまり粗相したことがない猫でも、高齢になってきたら徐々に失敗が増えてくると想定して、洗いやすさを意識したほうがよいでしょう。
おすすめのカーペットタイプをいくつか紹介するので参考にしてみてください。
1)防汚性・撥水性の高いカーペット
汚れにくさで言うと、おすすめなのは防汚性や撥水性が優れている機能性カーペット。水や食べ物をこぼしてもサッと拭きとることができます。
2)汚れた部分を取り除けるジョイントマット
小さな子がいる家庭でよく見掛ける樹脂素材のジョイントマットも、水や汚れが染み込まないので便利です。汚れてしまったときに部分的に取り換えられるのも、ジョイントマットやタイルカーペットの利点ですね。
3)洗えるタイプのカーペット
汚れたら洗いたい飼い主さんは、洗えるカーペットを選ぶようにしましょう。ただし洗えると一口で言っても、「手洗いOK」「洗濯機OK」「クリーニングOK」と可能な洗い方は様々。
汚れたときにすぐ洗いたいのであれば、「洗濯機OK」のタイプがよいでしょう。また、タイルカーペットには水洗いできるものもあります。汚れた部分だけを外して、手軽に洗うことができますよ。
ご近所関係を守るには防音性のあるタイプを
(Shawna and Damien/shutterstock)
元気な猫や複数頭をマンションで飼っている場合、意外と気になるのが階下への騒音です。
軽い猫であっても、キャットタワーや高さのある家具から大ジャンプすると「ドスン!」と思った以上に大きい音がするもの。マンションは振動音を伝えやすいので、階下への騒音の配慮をしておいたほうが安心でしょう。その場合の対策をいくつか紹介します。
1)低反発タイプ
ジャンプの衝撃をしっかり吸収してくれるのが低反発ラグ。人間には気持ちいい、もっちり感を警戒する猫もいますが、しばらく経てば慣れるケースが多いです。厚みのあるウレタンやマットが張り合わせてある防音カーペットを使うのもおすすめです。
2)キャットタワー周辺だけに敷く場合
防音カーペットをキャットタワー周辺だけに敷くのであれば、滑り止め機能がついているタイプを選ぶとよいでしょう。
3)多頭飼いで特に騒音が気になる場合
多頭飼いで頻繁に運動会が開催されているおうちでしたら、床全面にカーペットを敷きこんでしまうと安心です。その場合はオーダーという手もありますが、タイルカーペットのほうが気軽に試せるでしょう。
場所や季節によって使い分ける方法も
(Suzanne Tucker/shutterstock)
ここまで様々なカーペットをご紹介してきました。実際にカーペットを使っている飼い主さんたちによると、カーペットの使い分けをしているケースが多いようです。
1)場所によって使い分ける
例えば、キッチンやダイニングといった汚れやすいエリアは、撥水性のあるジョイントマット。リビングのくつろぎスペースは、デザイン性もあるお気に入りのラグを敷く。このように場所によって使い分けると、掃除しやすさとインテリア性を両立できますね。
2)季節で使い分けるという方法も
抜け毛が多い春から秋にかけては、掃除機やコロコロをかけやすい毛足短めのタイルカーペット。底冷えする冬はフワフワぬくぬく素材のカーペットにすると、愛猫と暖を取りながら一緒に遊べそうです。
猫にとっても暖かく寝心地のよいカーペットがある暮らしは快適なはず。お気に入りのカーペットで愛猫とくつろぐひとときは最高ですね。ぜひ愛猫の個性を見極めて、カーペットのある暮らしにチャレンジしてみてください。